第1章|言語の基礎概念

頻出テーマ/難易度 ★★★☆☆

1-1 言語の特性

特性内容
線条性(線状性)音・単語が時間軸上に一次元で配列される
恣意性記号表現(能記)と記号内容(所記)の結びつきに必然性がない
生産性新たな語・文を無限に作り出せる
二重分節性文→形態素→音素と分解できる性質
規範性言語には規範(ルール)がある
「生産性と最も関係が深いのは二重分節性」(第18回)
※生産性は二重分節性によって支えられる
「文脈中での適切さの判断=語用論的判断(語用論的適切性判断)」
※「文法性判断」ではない(第16回)

1-2 ソシュールの記号論

概念内容
能記(シニフィアン)記号表現(音のイメージ・音声形式)
所記(シニフィエ)記号内容(概念・意味)
恣意性能記と所記の関係に必然性がない
有契性(有縁性)能記と所記の間に自然な結びつきがある(擬音語など)
音声言語の能記の特徴:
線条性を持つ(時間軸上に配列)
・記号表現のことである
・所記との関係は基本的に恣意的
「音声言語の能記は空間的構造を持つ」→ 誤り
「言語普遍的ではない」→ 誤り(第20回:正答a,e)

有契性(有縁性)のない例

「もんもんと暮らす」の「もんもん」→ 有契性がない
(擬態語のように見えるが日々の様子を表す語で有縁性がない)(第22回)

1-3 共時論と通時論

概念内容
共時論ある時点の言語を記述(歴史を考慮しない)
通時論言語の歴史的変化を研究
共時的記述で考慮されないもの
歴史的音変化語の歴史的来源
(第27回:正答a,b)

1-4 記述主義 vs 規範主義

立場内容
記述主義実際の言語使用を観察・記録する
規範主義正しい言語使用を定める
「介入することで変化させる」は記述主義でない
(実験的介入は観察・記録とは異なる)

まとめ:よく出る対比

恣意性 :能記と所記の関係に必然性なし 有契性 :能記と所記に自然な結びつきあり 線条性 :音が時間軸上に一次元配列 二重分節:文→形態素→音素と分解可能 共時論 :ある時点の言語を記述 通時論 :言語の歴史的変化を研究
能記と所記の区別チェック:
能記=音声形式(聴いた音のイメージ)
所記=意味・概念
→ 「犬」という音声が能記、「犬という動物の概念」が所記

確認問題

Q1. 言語の特性のうち「文を無限に生成できる性質」を何というか。また、それを支える性質は何か。
Q2. ソシュールの「能記」と「所記」をそれぞれ説明せよ。
Q3. 「有契性(有縁性)」とはどのような関係か。擬音語以外の例を1つ挙げよ。
Q4. 共時論的記述において考慮されないものを2つ挙げよ。
Q5. 「文脈中での適切さを判断すること」は語用論的判断か文法性判断か。
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