第2章 音韻論・モーラ・アクセント
言語学 第2章
2-1 モーラと音節
モーラ(拍)と音節の違い
| 語 | モーラ数 | 音節数 |
| 象(ぞう) | 2 | 1 |
| 汽車(きしゃ) | 2 | 2 |
| 時計(とけい) | 4 | 3 |
| 蜜柑(みかん) | 4 | 3 |
| 切符(きっぷ) | 4 | 3 |
音節数とモーラ数が一致するのは促音・長音・撥音を含まない語。「汽車(きしゃ)」はモーラ2・音節2で一致。
音節数の数え方
4音節語の例:格納庫(か・く・の・う・こ=5モーラ、ka-ku-no-u-ko)
「格納庫」は音節では か/く/の/う/こ=5音節ではなく、ka-ku-nō-ko=4音節。モーラと音節の違いに注意。
2-2 アクセント
共通語(東京方言)のアクセント規則
- 受身の形態素それ自体はアクセントを持たない(→ アクセント核を持たない形態素がある)
- 「日」と「火」のアクセントは異なる
- 複合語では後部要素にアクセント核が現れることが多い(前部要素ではない)
- 4モーラ動詞には複数のアクセント型が存在するが5種類ではない
複合語のアクセント規則
複合語アクセント規則に従わない例:
- 人名(山田・原田・鈴木など)は固有名詞として独自のアクセントを持つ
1語かどうかの判定(アクセント)
共通語でアクセント的に1語になっていないのはどれか:
- 「前総理(ぜんそうり)」→ 「前」と「総理」が別語として認識されアクセントが独立
行為名詞と連用形のアクセント
連用形と行為名詞(連用形が名詞化したもの)ではアクセントが異なる。
- 連用形:「飲みに行く」→ アクセント変化なし
- 行為名詞:「ゼミの飲み(〇●〇)」→ アクセント変化あり
アクセントによる語形成
アクセントを変えることで新たな語を作る(派生・語形成)。これは屈折ではない。
2-3 形態音韻論的交替
形態音韻論的交替とは
形態素の音形が環境によって変わる現象。
例:
- ame(雨)→ amaasi(雨足):形態音韻論的交替
- nomareru(飲まれる)→ mirareru(見られる):形態音韻論的交替
- hondana(本棚)→ hombako(本箱):連濁(n→m)は形態音韻論的交替
「hondana(本棚)→ hombako(本箱)」は形態音韻論的交替ではなく音声同化(連濁)。設問では「交替でないのはどれか」に注意。
連濁
複合語の後部要素の語頭清音が濁音になる現象。
連濁の例:青空・か細い・ほの暗い・それぞれ
連濁でないのはどれか:「ばかばかしい」→ 重複(反復)による形式(連濁ではない)