第2章 音韻論・モーラ・アクセント

言語学 第2章

2-1 モーラと音節

モーラ(拍)と音節の違い

モーラ数音節数
象(ぞう)21
汽車(きしゃ)22
時計(とけい)43
蜜柑(みかん)43
切符(きっぷ)43
音節数とモーラ数が一致するのは促音・長音・撥音を含まない語。「汽車(きしゃ)」はモーラ2・音節2で一致。

音節数の数え方

4音節語の例:格納庫(か・く・の・う・こ=5モーラ、ka-ku-no-u-ko)

「格納庫」は音節では か/く/の/う/こ=5音節ではなく、ka-ku-nō-ko=4音節。モーラと音節の違いに注意。

2-2 アクセント

共通語(東京方言)のアクセント規則

  • 受身の形態素それ自体はアクセントを持たない(→ アクセント核を持たない形態素がある)
  • 「日」と「火」のアクセントは異なる
  • 複合語では後部要素にアクセント核が現れることが多い(前部要素ではない)
  • 4モーラ動詞には複数のアクセント型が存在するが5種類ではない

複合語のアクセント規則

複合語アクセント規則に従わない例:

  • 人名(山田・原田・鈴木など)は固有名詞として独自のアクセントを持つ

1語かどうかの判定(アクセント)

共通語でアクセント的に1語になっていないのはどれか:

  • 「前総理(ぜんそうり)」→ 「前」と「総理」が別語として認識されアクセントが独立

行為名詞と連用形のアクセント

連用形と行為名詞(連用形が名詞化したもの)ではアクセントが異なる

  • 連用形:「飲みに行く」→ アクセント変化なし
  • 行為名詞:「ゼミの飲み(〇●〇)」→ アクセント変化あり

アクセントによる語形成

アクセントを変えることで新たな語を作る(派生・語形成)。これは屈折ではない。

2-3 形態音韻論的交替

形態音韻論的交替とは

形態素の音形が環境によって変わる現象。

例:

  • ame(雨)→ amaasi(雨足):形態音韻論的交替
  • nomareru(飲まれる)→ mirareru(見られる):形態音韻論的交替
  • hondana(本棚)→ hombako(本箱):連濁(n→m)は形態音韻論的交替

「hondana(本棚)→ hombako(本箱)」は形態音韻論的交替ではなく音声同化(連濁)。設問では「交替でないのはどれか」に注意。

連濁

複合語の後部要素の語頭清音が濁音になる現象。

連濁の例:青空・か細い・ほの暗い・それぞれ

連濁でないのはどれか:「ばかばかしい」→ 重複(反復)による形式(連濁ではない)