二語文・多語文の発達
語連鎖の発達
| 段階 | 時期 | 特徴 |
| 一語発話 | 1歳前後〜 | 要求・叙述・呼びかけなど多機能 |
| 二語連鎖 | 1歳後半〜2歳後半 | 語間に意味関係がある |
| 三語連鎖 | 2〜3歳 | |
二語文の特徴:
- 語をランダムに結びつけるのではなく、意味関係に基づいて組み合わせる
- 同じ語連鎖でも異なる意味関係をもつものがある(例:「ママ くつ」= 所有/叙述/命令)
- 助詞を正確に使用するわけではない(助詞の誤用は許容段階)
- 形容詞も使用される(使用しないわけではない)
- 二語文出現の目安:表出語彙がほぼ50語を超えるころ(200語ではない)
2語文出現期の指導
2語文が出現し始めた子どもへの適切な指導:
- 語彙理解の拡大を図る
- 2〜3語文の理解を図る
- 2つの名称を聴いて絵カードを選ぶ
- 「ママのクックね」などと文として聞かせる(拡張・リキャスト)
3語文の発話を模倣させるのは適切でない。現在の発達段階(2語文)を1ステップ超えた目標設定が原則。3語文模倣は飛躍が大きい。
構文発達の順序
| 時期 | 発達内容 |
| 1歳後半〜2歳後半 | 2語連鎖の出現 |
| 2歳代 | 語形態変化の出現 |
| 2〜3歳 | 助詞「が」「は」の出現 |
| 2歳後半〜3歳後半 | 名詞+格助詞+動詞の復唱が安定 |
| 4〜5歳 | 助詞方略での構文理解(語順よりも助詞に依存した理解) |
- 言語発達の順序:ことばの理解 → ことばの表出、内容語 → 機能語
- 非可逆文の理解 → 可逆文の理解(可逆文のほうが難しい)
「可逆文の理解から非可逆文の理解へ」は誤り。非可逆文(「犬が猫を追いかける」など意味から判断できる文)が先に理解される。
語彙理解レベルに応じた2語連鎖の指導
5歳女児(事物名称・人名は理解可能、動作語・大小・色名は理解不可)の場合:
- 適切な2語連鎖:所有者+事物(「女の子の車」→理解できる語のみで構成)
- 不適切:動作語を含む、大小・色名を含む語連鎖
メタ言語・学習言語
メタ言語能力
言語そのものを客観的に考え、操作・評価する能力。
- ✅ 能動文を受動文に言い換える
- ✅ 文や発話の適切性を判断する
- ✅ 単語の語尾音を抽出する
- ✅ 文法の誤りを訂正する
「過去の出来事を説明する」はメタ言語能力ではなく、ナラティブ能力・回想的語り(一般的な言語能力)。
学習言語(学齢期)
- 学校教育に依存して発達する
- 読み書きの獲得によって高次化される
- 思考・推論の道具として発達する
- 学習の手段として発達する
「非言語的文脈への依存が大きい」は誤り。学習言語は文脈に依存しない脱文脈的な言語使用が特徴(CALP)。