第3章|構文・文法の発達

対応過去問 約15問/難易度 ★★★★☆

二語文・多語文の発達

語連鎖の発達

段階時期特徴
一語発話1歳前後〜要求・叙述・呼びかけなど多機能
二語連鎖1歳後半〜2歳後半語間に意味関係がある
三語連鎖2〜3歳

二語文の特徴

  • 語をランダムに結びつけるのではなく、意味関係に基づいて組み合わせる
  • 同じ語連鎖でも異なる意味関係をもつものがある(例:「ママ くつ」= 所有/叙述/命令)
  • 助詞を正確に使用するわけではない(助詞の誤用は許容段階)
  • 形容詞も使用される(使用しないわけではない)
  • 二語文出現の目安:表出語彙がほぼ50語を超えるころ(200語ではない)

2語文出現期の指導

2語文が出現し始めた子どもへの適切な指導:

  • 語彙理解の拡大を図る
  • 2〜3語文の理解を図る
  • 2つの名称を聴いて絵カードを選ぶ
  • 「ママのクックね」などと文として聞かせる(拡張・リキャスト)

3語文の発話を模倣させるのは適切でない。現在の発達段階(2語文)を1ステップ超えた目標設定が原則。3語文模倣は飛躍が大きい。

構文発達の順序

時期発達内容
1歳後半〜2歳後半2語連鎖の出現
2歳代語形態変化の出現
2〜3歳助詞「が」「は」の出現
2歳後半〜3歳後半名詞+格助詞+動詞の復唱が安定
4〜5歳助詞方略での構文理解(語順よりも助詞に依存した理解)
  • 言語発達の順序:ことばの理解 → ことばの表出、内容語 → 機能語
  • 非可逆文の理解 → 可逆文の理解(可逆文のほうが難しい)

「可逆文の理解から非可逆文の理解へ」は誤り。非可逆文(「犬が猫を追いかける」など意味から判断できる文)が先に理解される。

語彙理解レベルに応じた2語連鎖の指導

5歳女児(事物名称・人名は理解可能、動作語・大小・色名は理解不可)の場合:

  • 適切な2語連鎖:所有者+事物(「女の子の車」→理解できる語のみで構成)
  • 不適切:動作語を含む、大小・色名を含む語連鎖

メタ言語・学習言語

メタ言語能力

言語そのものを客観的に考え、操作・評価する能力。

  • ✅ 能動文を受動文に言い換える
  • ✅ 文や発話の適切性を判断する
  • ✅ 単語の語尾音を抽出する
  • ✅ 文法の誤りを訂正する

「過去の出来事を説明する」はメタ言語能力ではなく、ナラティブ能力・回想的語り(一般的な言語能力)。

学習言語(学齢期)

  • 学校教育に依存して発達する
  • 読み書きの獲得によって高次化される
  • 思考・推論の道具として発達する
  • 学習の手段として発達する

「非言語的文脈への依存が大きい」は誤り。学習言語は文脈に依存しない脱文脈的な言語使用が特徴(CALP)。