言語聴覚士の本来業務は、音声機能・言語機能・聴覚に障害のある者に対する言語訓練その他の訓練・検査・助言・指導その他の援助です。言語のはたらきは聴く・話す・読む・書くの各モダリティに分かれ、それぞれ処理の回路が異なります。
| 言語モダリティ | 処理の要点 |
|---|---|
| 発話 | 意味を音声言語化し、発声発語器官で出力する(音韻→構音のプログラミング) |
| 復唱 | 聴覚入力→音韻を保持し出力(読解の回路は含まない) |
| 音読 | 文字入力→音声出力(聴覚的理解の回路は含まない) |
| 書取(ディクテーション) | 聴覚入力→書字出力(読解の回路は含まない) |
| 写字 | 文字を写す(復唱の回路は含まない) |
言語聴覚士は、保健師助産師看護師法の規定にかかわらず、診療の補助として、医師または歯科医師の指示の下に、一定の行為を業として行うことができます(第42条)。何が診療の補助業務に含まれ、何が含まれないかが頻出です。
| 診療の補助に含まれる(○) | 含まれない(×) |
|---|---|
| 機器を用いる一定の聴力検査 | 生命維持装置の操作 画像診断/組織病理学的検査 (=医師・臨床検査技師等の領域。検査結果の「診断」も医師) |
| 聴性脳幹反応検査(ABR) | |
| 耳型の採型(採取) | |
| 音声機能・言語機能に係る検査/人工内耳の調整 | |
| 嚥下訓練/補聴器装用訓練 |
頻出のひっかけ:
・「診療の補助について誤っているのはどれか」→生命維持装置の操作(言語聴覚士の業務ではない)。
・「言語聴覚士法による業務でないのはどれか」→画像診断・組織病理学的検査(人工内耳の調整・ABR・嚥下訓練は業務)。
・人工内耳の調整は診療の補助業務として明文で規定されている(=医師・歯科医師の指示の下に行う)。
言語聴覚士は名称独占資格です。言語聴覚士でない者は「言語聴覚士」またはこれに紛らわしい名称を使ってはなりません(第45条)。一方で、「言語訓練」そのものを言語聴覚士だけが行える業務独占ではありません――ここが最頻出の区別です。
| 言語聴覚士について正しい(○) | 誤り(×=ひっかけ) |
|---|---|
| 名称独占である(業務独占ではない) | 言語聴覚士の業務は独占業務である |
| 守秘義務がある/医療関係者との連携が必要 | 検査結果の診断の権限がある(診断は医師) |
| 相対的欠格事由がある | 免許の取消は都道府県知事(→正しくは厚生労働大臣) |
「言語聴覚士法について誤っているのはどれか」の定番:
・「都道府県知事は免許を取り消すことができる」=誤り(取消は厚生労働大臣)。
・「専門職としての資質向上義務規定がある」=誤りとして問われることがある(言語聴覚士法には保助看法のような資質向上の努力義務の明文規定がない、という扱い)。
・一方で名称独占・守秘義務違反の罰則(50万円以下の罰金)・人工内耳の調整=診療の補助は、いずれも正しい記述。
言語聴覚士は、業務を行うにあたり医師・歯科医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければなりません。対象者に主治の医師・歯科医師があるときは、その指導を受けなければならないのが原則です。
| 正しい対応(○) | 不適切な対応(×) |
|---|---|
| 人工内耳の調整は医師または歯科医師の指示の下に行う | 嚥下機能に障害のある者に主治医がいなくても単独で嚥下訓練を行う |
| 主治医があるときはその指導を受ける/福祉関係者とも連携を保つ | 主治医の指導・連携を欠いたまま独断で進める |
就学・在学中の子どもに関わるときは、保護者の同意・情報管理が前提です。
言語聴覚士は、正当な理由がなく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはなりません(第44条)。この義務は言語聴覚士でなくなった後(退職後・資格喪失後)も継続します。
| 守秘義務について正しい(○) | 誤り(×=ひっかけ) |
|---|---|
| 資格がなくなっても守秘義務は続く | 資格がなくなれば守秘義務は課せられない |
| 正当な理由があれば漏らしても違反にならない | いかなる場合も一切漏らせない |
| 違反は罰金(50万円以下)に処せられる | 罰則はない |
| 親告罪(告訴がなければ公訴を提起できない) | 告訴なしでも起訴できる |
専門職としての行動指針が倫理綱領です。日本言語聴覚士協会の倫理綱領(2012年)は、次のような柱で構成されます。「内容に含まれないのはどれか」で問われます。
| 倫理綱領に含まれる(○) | 含まれない(×) |
|---|---|
| 言語聴覚士の職務および専門性 | 言語聴覚士の「研究」(研究倫理そのものは別の指針。倫理綱領の柱としては挙がらない) |
| 言語聴覚士と社会との関係 | |
| 関連職種・関係者との協力 | |
| 訓練・指導・援助を受ける人々への接し方 |