第3章|医療提供体制と関連法規

対応過去問 11問/難易度 ★★★☆☆
この章のねらい:STが働く病院・診療所・介護老人保健施設は、医療法が定める「医療提供施設」です。また臨床では看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・公認心理師など多くの職種と連携します。国試では医療提供施設の定義(病床数)・説明義務(インフォームド・コンセント)・「国家資格でないもの」・資格と根拠法の組合せが頻出。「どの資格がどの法律を根拠にするか」の対比表を1枚作れば、この章はまとめて得点源になります。多職種連携の実際は言語聴覚障害総論ノートとつながります。

3-1 医療法と医療提供施設

医療法は、医療提供施設の定義・開設・医療計画などを定める基本法です。医療提供施設には、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院・調剤を実施する薬局・助産所が含まれます。「医療提供施設はどれか」「病床数の組合せで誤っているのはどれか」で問われます。

施設病床数などの定義
病院患者20人以上を入院させる施設(=20床以上)
診療所入院施設なし、または患者19人以下(=19床以下)
助産所妊婦・産婦・褥婦9人以下の入所施設(「10以上」は誤り)
特定機能病院高度医療を提供、400床以上(承認は厚生労働大臣)
地域医療支援病院地域医療を支援、200床以上(承認は都道府県知事)

ひっかけ:
「助産所 ― 病床数10以上」=誤り(助産所は9人以下)。
医療提供施設に含まれるのは「調剤を実施する薬局・介護老人保健施設」。保健所・知的障害者更生相談所・精神保健福祉センター医療法の医療提供施設ではない(保健所=地域保健法、相談所=各福祉法)。

3-2 医療の担い手の説明義務(インフォームド・コンセント)

患者への適切な説明と理解(インフォームド・コンセント)を医療の担い手に求めているのは医療法です。条文は「医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るように努めなければならない」と定めています。

核心:「患者に適切な説明を行うよう規定している法律はどれか」「医療を受ける者の理解を得るよう努める、と定めているのはどれか」→いずれも医療法。医師法・地域保健法・健康増進法・国民健康保険法・個人情報保護法は誤り。説明義務=医療法とセットで覚える。

3-3 国家資格と「国家資格でないもの」

「国家資格でないのはどれか」は繰り返し出ます。国家資格(法律で定められ、国が実施・認定する資格)と、任用資格・公的資格・民間資格を区別します。

国家資格(○)国家資格でない(×=ひっかけ)
言語聴覚士・理学療法士・作業療法士・視能訓練士・義肢装具士社会福祉主事(=任用資格)
医師・看護師・保健師・助産師介護支援専門員(ケアマネジャー)(=公的資格・都道府県登録)
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師臨床心理士(=民間資格。※公認心理師は国家資格)
保育士医療ソーシャルワーカー(MSW)(=職名。それ自体は資格名ではない)

紛らわしい代表格(頻出の「×」):社会福祉主事・介護支援専門員・臨床心理士・医療ソーシャルワーカー。とくに臨床心理士(民間)と公認心理師(国家資格)の取り違えに注意。介護支援専門員は資格試験があり登録制だが、国家資格ではない

3-4 資格と根拠法の組合せ

各資格がどの法律を根拠にするかの組合せ問題です。「正しいのはどれか」「誤っているのはどれか」の両方で出ます。

資格根拠法(○)
言語聴覚士言語聴覚士法(「医療法」は誤り)
理学療法士・作業療法士理学療法士及び作業療法士法
保育士児童福祉法
社会福祉士・介護福祉士社会福祉士及び介護福祉士法(両者は同じ法律。「社会福祉法」は誤り)
精神保健福祉士精神保健福祉士法(「障害者基本法」は誤り)
看護師保健師助産師看護師法(「医事法」という法律はない)
介護支援専門員介護保険法(「老人福祉法」は誤り)
覚え方:多くの資格は「◯◯士法」=資格名そのものの法律が根拠(言語聴覚士=言語聴覚士法)。例外は社会福祉士・介護福祉士(=同じ1本の法律)理学療法士・作業療法士(=同じ1本の法律)看護師・保健師・助産師(=保健師助産師看護師法の1本)。介護支援専門員だけは士業でなく介護保険法由来。

3-5 法の公布・制定の新旧

「最後に公布されたのはどれか」「制定が最も新しいのはどれか」も定番です。医療系資格法のおおまかな年代を並べておきます(年は公布年。目安)。

法律公布年(目安)
保健師助産師看護師法1948年
理学療法士及び作業療法士法1965年
視能訓練士法1971年
義肢装具士法1987年
言語聴覚士法1997年(=これら医療系資格法の中では最後)
公認心理師法2015年(バリアフリー新法2006・障害者差別解消法2013より新しい)

2つの定番:
・「(医療系資格法で)最後に公布されたのはどれか」→言語聴覚士法(1997)
・「(福祉・心理系を含めて)制定が最も新しいのはどれか」→公認心理師法(2015)
問われている選択肢の顔ぶれで答えが変わるので、おおまかな年代の並びで判断する。

つながる知識:医療提供体制と資格の根拠法を押さえたら、第4章社会保障・障害福祉の法体系(介護保険法・身体障害者福祉法・障害者総合支援法)へ。STが関わる回復期リハ・介護保険下の訪問リハ・障害福祉サービスの土台です。給付・サービスの詳細は社会福祉ノートで扱います。