第5章|韻律・超分節的特徴

対応過去問 約32問/難易度 ★★★★☆

5-1 アクセント

日本語アクセントの基本

  • 高低アクセント(ピッチアクセント)
  • アクセント核:基本周波数の下降が主要な音響特徴
  • 語を弁別する機能あり(「雨」vs「飴」)
  • 語の結合を示す機能あり(複合語)

アクセント核の主要音響特徴は基本周波数の下降(上昇ではない・継続時間長の伸長でもない)。

アクセントの機能

  • 語を弁別する(「橋」「端」「箸」)
  • 語の結合を示す(句のまとまりを示す)
  • 和語と漢語を区別する(一部)

共通語(東京方言)のアクセント型

名詞のアクセント型(○=低・●=高):

  • 平板型:低高高高…(アクセント核なし)
  • 頭高型:高低低低
  • 中高型:低高低低・低高高低など
  • 尾高型:低高高●(最後の拍が高く、助詞で下がる)

共通語のアクセント型でみられないもの:低高低高(途中で上昇するパターンは存在しない。一度下がったら上がらない原則=ダウンステップ)。

尾高型・複合語のアクセント

  • 2モーラ語の尾高型:低高(助詞をつけると「低高・低」と下がる)
  • 「おんな(女)」のアクセント:尾高型(低高高●)
  • 複合語のアクセント核は1つ(2つではない)
  • 複合名詞の原則:後ろから3拍目までが高い

「複合語はアクセント核を二つ持つ」は誤り(1つ)。

動詞・形容詞・名詞のアクセント種類数

品詞アクセント型の数
動詞2種類(平板型・起伏型)
形容詞2種類(平板型・起伏型)※3種類は誤り
名詞モーラ数+1種類(平板型を含む)

「はしらない」のアクセント

「走らない」:○●●○○(低高高低低)

名詞アクセントの変化傾向:現在増えているアクセント型は平板式

同化・鼻濁音

  • 「しんぶん(新聞)」の/n/が[m]に同化(後続[b]が両唇音なので):同化の典型例
  • 鼻濁音:語中のガ行が[ŋ]で発音される
  • 例:「入道雲(にゅうどうぐも)」の「ぐ」= 鼻濁音(語中)

5-2 イントネーション

イントネーションの性質

  • 統語構造が反映される(文の構造が音調に現れる)
  • ダウンステップが生じる(発話全体で基本周波数が下降傾向)
  • 単語ごとに決まっているのはアクセント(イントネーションではない)
  • アクセントが関与する(関与しないは誤り)

「単語ごとに決まっている」のはアクセント。イントネーションは文全体の音調。
「アクセントが関与しない」は誤り(アクセントとイントネーションは相互に関与)。

疑問文のイントネーション

「これはなに?」の標準的イントネーションで上昇する箇所:

  • 「こ」の拍から「れ」の拍(語頭上昇)
  • 「に」の拍から文末(文末上昇)

超分節的特徴

超分節的特徴(suprasegmental features)リズム・アクセント・イントネーション・声調

音素・形態素は超分節的特徴ではない(分節的特徴)

5-3 母音の無声化

無声化が生じやすい環境

無声化の条件:

  • 無声子音(特に無声破裂音・摩擦音)に挟まれた「イ」「ウ」
  • 語末の「イ」「ウ」が無声子音の後

無声化しやすい環境

  • 後続子音が無声破裂音・無声摩擦音
  • 母音「イ」「ウ」が対象

「蕗(ふき)」の第1モーラ「ふ」:[ɸ]の後の[ɯ]が後続無声破裂音[k]の前→無声化しやすい

無声化しにくい環境:先行子音が鼻音の場合・長母音・ヤ行音の前。

口蓋帆が二度大きく下降する語

口蓋帆が下降するのは鼻音を発音するとき

「かみさま(神様)」:か → /m/(鼻音)が2回 = 口蓋帆が二度大きく下降