第5章|喉頭摘出後の音声獲得

対応過去問 約16問/難易度 ★★★★☆

5-1 声門閉鎖を強める訓練

プッシング法・ハードアタック

訓練法機序適応
プッシング法腕のプッシング動作で声門内転を強化一側性声帯麻痺
硬起声(ハードアタック)声門を強く閉鎖して発声開始声門閉鎖不全(ただし肉芽腫の誘因にもなる)

「プッシング法は痙攣性発声障害に有用」は誤り(一側性麻痺が適応)。
「プッシング法は声帯結節に有用」は誤り。

5-2 声門閉鎖を弱める訓練

あくび・ため息法・内緒話法

訓練法機序適応
あくび・ため息法喉頭を低位・開放的にして緊張を解く過緊張性音声障害・高い話声位
内緒話法ささやき声で発声。声門閉鎖を弱める声帯結節・過緊張性
Belting発声胸声での力強い発声声門閉鎖を強める方向(弱めるではない)
吸気性発声吸気時に発声声門閉鎖を弱める

「Belting発声は声門閉鎖を弱める」は誤り(強める方向)。
「あくび・ため息法は喉頭麻痺の治療」は誤り(過緊張が適応)。

5-3 Kayser-Gutzmann法

変声障害の治療法

  • 甲状軟骨を指で圧迫して地声(胸声)を誘導する
  • 輪状軟骨・舌骨ではなく、甲状軟骨を圧迫

5-4 発話速度・リズム関連訓練

発話速度を遅くする訓練法

  • フレージング法・モーラ指折り法が発話速度を遅くする訓練
  • アクセント法:リズム・イントネーション訓練(速度を遅くするだけではない)
  • チューイング法:過緊張の解放
  • メンタルリハーサル法:発話前の心的準備

5-5 Lee Silverman法・その他

  • Lee Silverman法(LSVT):声を大きくする訓練。主にパーキンソン病の低音声に適応

5-6 音声衛生指導

正しい声の衛生指導

適切な指導:

  • 水分摂取を促す(制限は誤り)
  • 大声を避ける(声の安静)
  • 禁煙を促す
  • 相手の近くで話す(遠くで大声は不適切)
  • マイクを使用する
  • 胃食道逆流の予防(炭酸飲料・アルコールを控える)

「水分摂取を控える」は誤り(声帯の保湿に水分は必要)。
「ささやき声で話す」は誤り(声帯への負担が増す)。
「咳ばらいをしながら話す」は誤り(声帯を傷める)。

5-7 気管カニューレと音声訓練

  • 音声訓練のためにカフを脱気する際の問題:唾液の下気道流入
  • カフが膨らんでいると唾液が下気道に流れるのを防いでいるが、脱気すると流入リスクがある