第5章|喉頭摘出後の音声獲得

過去問頻出/難易度 ★★★★☆

5-1 喉頭全摘出後の変化

  • 嗅覚が鈍くなる(鼻呼吸ができなくなるため)
  • 誤嚥しない(気管と食道が完全分離されるため)
  • いきめなくなる(声門を閉じて腹圧をかけられない)
  • 鼻をかむことが難しい
  • 水泳は禁忌(気管孔から水が入る)
「誤嚥をしやすい」は誤り(第27回)。
「むせやすくなる」は誤り(第21回)。

5-2 無喉頭音声の種類と特徴

種類音源呼気利用特徴
食道発声下咽頭食道接合部(新声門)食道内空気習得に時間・電池不要
気管食道瘻発声下咽頭食道接合部(新声門)肺からの呼気比較的短期間で習得・気管孔を閉鎖
笛式人工喉頭笛(振動体)肺からの呼気手が必要
電気式人工喉頭電気振動不要抑揚をつけにくい
「電気式人工喉頭は抑揚をつけやすい」は誤り(第15回)。
「電気式人工喉頭はハンズフリー」は誤り(手で当てる必要がある)(第26回)。
「電気式人工喉頭は食道粘膜が音源」は誤り(電気振動)(第26回)。
「気管食道瘻発声で食道に空気を取り込む必要がある」は誤り(肺呼気を使う)。

新声門(下咽頭食道接合部)が振動部位となるもの

食道発声・気管食道瘻発声・ボイスプロテーゼ発声
(笛式・電気式は新声門が音源ではない)(第16・24回)

5-3 気管食道瘻発声(ボイスプロテーゼ)の特徴

  • 肺呼気を利用
  • 発声時に気管孔を閉鎖(手やボタンで)
  • 電池不要
  • ボイスプロテーゼの定期交換が必要
  • 食事中も発声可能
  • 比較的短期間で習得可能
  • 食道発声が不可能でも使用できる(第19回)
「電池を携帯する必要がある」は誤り(第23回)。

5-4 疾患と誘因まとめ

疾患主な誘因
ポリープ様声帯喫煙
声帯結節音声酷使
声帯萎縮加齢
声帯麻痺胸部大動脈瘤・甲状腺手術
急性声門下喉頭炎(仮性クループ)ウイルス感染
「声帯結節─加齢」「声帯萎縮─音声酷使」は誤り(第25回)。

5-5 薬物と副作用

薬物副作用
抗血小板薬声帯血腫
ACE阻害薬喉頭浮腫・咳嗽
抗コリン薬喉頭粘膜の乾燥
ステロイド吸入薬喉頭真菌症
ループ利尿薬聴覚障害(内耳障害)※声帯瘢痕ではない
「ループ利尿薬─声帯瘢痕」は誤りの組み合わせ(第28回)。

5-6 補足事項

喉頭気管分離術後の吸痰は永久気管孔から行う(経鼻・経口ではない)(第28回)。
咽頭弁形成術は喉頭全摘出後に使用されない(口蓋裂の手術)。
仮性クループ(急性声門下喉頭炎)は手術適応とならない(ウイルス性・薬物療法)(第27回)。

確認問題

Q1. 喉頭全摘出後に「誤嚥しやすくなる」は正しいか?その理由は?
Q2. 食道発声と気管食道瘻発声の音源の違いは?
Q3. 電気式人工喉頭は抑揚をつけやすいか?ハンズフリーか?
Q4. ループ利尿薬の副作用として「声帯瘢痕」は正しいか?
Q5. 声帯結節と声帯萎縮の誘因をそれぞれ答えよ。
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