5-1 喉頭全摘出後の変化
- 嗅覚が鈍くなる(鼻呼吸ができなくなるため)
- 誤嚥しない(気管と食道が完全分離されるため)
- いきめなくなる(声門を閉じて腹圧をかけられない)
- 鼻をかむことが難しい
- 水泳は禁忌(気管孔から水が入る)
「誤嚥をしやすい」は誤り(第27回)。
「むせやすくなる」は誤り(第21回)。
5-2 無喉頭音声の種類と特徴
| 種類 | 音源 | 呼気利用 | 特徴 |
| 食道発声 | 下咽頭食道接合部(新声門) | 食道内空気 | 習得に時間・電池不要 |
| 気管食道瘻発声 | 下咽頭食道接合部(新声門) | 肺からの呼気 | 比較的短期間で習得・気管孔を閉鎖 |
| 笛式人工喉頭 | 笛(振動体) | 肺からの呼気 | 手が必要 |
| 電気式人工喉頭 | 電気振動 | 不要 | 抑揚をつけにくい |
「電気式人工喉頭は抑揚をつけやすい」は誤り(第15回)。
「電気式人工喉頭はハンズフリー」は誤り(手で当てる必要がある)(第26回)。
「電気式人工喉頭は食道粘膜が音源」は誤り(電気振動)(第26回)。
「気管食道瘻発声で食道に空気を取り込む必要がある」は誤り(肺呼気を使う)。
新声門(下咽頭食道接合部)が振動部位となるもの
食道発声・気管食道瘻発声・ボイスプロテーゼ発声
(笛式・電気式は新声門が音源ではない)(第16・24回)
5-3 気管食道瘻発声(ボイスプロテーゼ)の特徴
- 肺呼気を利用
- 発声時に気管孔を閉鎖(手やボタンで)
- 電池不要
- ボイスプロテーゼの定期交換が必要
- 食事中も発声可能
- 比較的短期間で習得可能
- 食道発声が不可能でも使用できる(第19回)
「電池を携帯する必要がある」は誤り(第23回)。
5-4 疾患と誘因まとめ
| 疾患 | 主な誘因 |
| ポリープ様声帯 | 喫煙 |
| 声帯結節 | 音声酷使 |
| 声帯萎縮 | 加齢 |
| 声帯麻痺 | 胸部大動脈瘤・甲状腺手術 |
| 急性声門下喉頭炎(仮性クループ) | ウイルス感染 |
「声帯結節─加齢」「声帯萎縮─音声酷使」は誤り(第25回)。
5-5 薬物と副作用
| 薬物 | 副作用 |
| 抗血小板薬 | 声帯血腫 |
| ACE阻害薬 | 喉頭浮腫・咳嗽 |
| 抗コリン薬 | 喉頭粘膜の乾燥 |
| ステロイド吸入薬 | 喉頭真菌症 |
| ループ利尿薬 | 聴覚障害(内耳障害)※声帯瘢痕ではない |
「ループ利尿薬─声帯瘢痕」は誤りの組み合わせ(第28回)。
5-6 補足事項
喉頭気管分離術後の吸痰は永久気管孔から行う(経鼻・経口ではない)(第28回)。
咽頭弁形成術は喉頭全摘出後に使用されない(口蓋裂の手術)。
仮性クループ(急性声門下喉頭炎)は手術適応とならない(ウイルス性・薬物療法)(第27回)。