| 訓練法 | 機序 | 適応 |
|---|---|---|
| プッシング法 | 腕のプッシング動作で声門内転を強化 | 一側性声帯麻痺 |
| 硬起声(ハードアタック) | 声門を強く閉鎖して発声開始 | 声門閉鎖不全(ただし肉芽腫の誘因にもなる) |
「プッシング法は痙攣性発声障害に有用」は誤り(一側性麻痺が適応)。
「プッシング法は声帯結節に有用」は誤り。
| 訓練法 | 機序 | 適応 |
|---|---|---|
| あくび・ため息法 | 喉頭を低位・開放的にして緊張を解く | 過緊張性音声障害・高い話声位 |
| 内緒話法 (confidential voice) | やわらかい気息性の小声で発声し、声門閉鎖を弱める。真のささやき声(whisper)ではない | 声帯結節・過緊張性 |
| Belting発声 | 胸声での力強い発声 | 声門閉鎖を強める方向(弱めるではない) |
| 吸気性発声 | 吸気時に発声 | 声門閉鎖を弱める |
| ブローイング法 | ストローで水を吹くなど吹く動作に合わせて発声し、喉頭の過緊張を緩める | 過緊張性音声障害。声門閉鎖不全(声帯麻痺)には用いない |
| 軟起声発声 | やわらかく声を立ち上げ、声門の接触を弱める | 過緊張性・喉頭肉芽腫。閉鎖不全には逆効果 |
| チューブ発声法 (半閉鎖声道発声) | ストローやチューブに向かって発声し、声道を半分閉じた状態をつくって喉頭の力みを抜く。ブローイング法と同じ系統 | 過緊張性音声障害。心因性失声症の標準的な手技ではない |
「Belting発声は声門閉鎖を弱める」は誤り(強める方向)。
「あくび・ため息法は喉頭麻痺の治療」は誤り(過緊張が適応)。
内緒話法(やわらかい気息性の小声)と、真のささやき声(whisper)は別物。真のささやき声は喉頭の緊張を高めて声帯の負担が増すため、声の衛生指導では禁止(→5-6)。硬起声発声・Belting発声は声門閉鎖を強めるので、閉鎖を弱める訓練を問われたら選ばない(弱めるのは吸気発声・内緒話法・あくび/ため息法・ブローイング法・軟起声発声)。
※ここでのブローイング法=音声治療の手技。第2章のブローイング検査=鼻咽腔閉鎖機能の評価法で、名前は似ているがまったくの別物。
「心因性失声症―チューブ発声法」の組合せは誤り。チューブ発声法は過緊張を緩める側の手技で、心因性失声症に対する一般的な組合せではない。心因性失声症では咳払い・笑い声など反射的に出る発声を手がかりに有声化を導き、心理面への配慮を併せて行うのが基本方針。