第3章|補綴と検査

対応過去問 7問 / 難易度 ★★★☆☆

スピーチエイドの種類と適応

装具適応・目的
ホッツ(Hotz)床口蓋裂乳児の哺乳補助・上顎形態誘導(術前
口蓋閉鎖床硬口蓋の瘻孔を閉鎖して口腔内圧の漏れ(鼻漏出)を防ぎ、破裂音・摩擦音の構音を補助する(鼻咽腔閉鎖の補助が目的ではない)
軟口蓋栓塞子軟口蓋の欠損を塞ぐ
軟口蓋挙上装置(PLP)鼻咽腔閉鎖不全のうち——軟口蓋の長さはあるが挙上が不十分な場合
バルブ型スピーチエイド鼻咽腔閉鎖不全のうち——軟口蓋が短く挙上だけでは閉鎖できない場合・重度例・軟口蓋切除後。咽頭部にバルブ(栓子)を設けて隙間を塞ぐ
舌接触補助床(PAP)舌萎縮・舌の運動障害・ボリューム低下——舌と口蓋の接触を補助(鼻咽腔閉鎖の補助ではない)
エピテーゼ顔面・顎顔面の欠損部を補う人工補綴物(外観の回復が主目的)——舌の機能補助(構音・嚥下)の装置ではない

PLPとバルブ型は軟口蓋の「長さ」で選び分ける——長さはあるが挙上不十分→PLP軟口蓋が短い(挙上しても咽頭後壁に届かない)→バルブ型スピーチエイド。口蓋形成術後で「軟口蓋が短い」と書かれたらバルブ型。
その他:「Hotz床=構音障害の治療」は誤り——乳児期の哺乳補助が目的。「舌全摘後=PLP」は誤り、舌の問題にはPAP
構音障害の治療に「用いない」装置を選ぶ設問——PLP・PAP・口蓋閉鎖床・バルブ型スピーチエイドはいずれも鼻咽腔閉鎖や構音を補助する装置ホッツ床だけが乳児期(術前)の哺乳・顎発育誘導が目的で、構音訓練の道具ではない。対象時期(乳児期)と目的(哺乳)で区別する。

混同注意——鼻咽腔閉鎖の補助ではない装置
人工喉頭喉頭摘出後の音源の代替。音源を失った人が発声するための器具で、開鼻声には用いない。
スピーチカニューレ気管カニューレ装着下で発声するための(発声用の窓・弁をもつ)カニューレ。気道確保下の発声手段であり、鼻咽腔の隙間を塞ぐものではない。
軟口蓋切除後の重度の開鼻声のように軟口蓋そのものが欠損している場合、隙間を物理的に塞げるのはバルブ型スピーチエイド(栓塞子)だけである。

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この章の続きで扱う内容
  • 喉頭硬性内視鏡検査
  • 構音障害の評価に用いる器具