| 形態異常 | 構音への影響 |
|---|---|
| 粘膜下口蓋裂 | 開鼻声 |
| 咽頭扁桃肥大(アデノイド) | 閉鼻声(鼻音が減少)——気息性嗄声ではない |
| 高口蓋(アーチ型口蓋) | 子音の歪み——母音の歪みではない |
| 舌小帯短縮症 | 舌先を使う音の歪み([t][d][r]など)——声門破裂音ではない |
| ダウン症 | 子音・全般的構音の歪み——母音の歪みではない |
「咽頭扁桃肥大=気息性嗄声」は誤り——気息性嗄声は声門閉鎖不全の所見。アデノイド肥大は鼻腔・鼻咽腔を塞ぐため閉鼻声の原因となる。「高口蓋=母音の歪み」は誤り——高口蓋は子音への影響が主。
原因となる:口蓋裂・顎変形症・舌癌・舌小帯短縮症・開口障害・軟口蓋麻痺・巨舌症・粘膜下口蓋裂
原因とならない:舌神経麻痺(舌神経は感覚神経——運動ではない)、舌白板症(粘膜の病変であり構音への影響は少ない)
| 神経 | 支配する器官 | 障害で困難になる音 |
|---|---|---|
| 顔面神経 | 口唇の運動 | [m][p][b](両唇音) |
| 三叉神経(運動枝) | 下顎の運動 | 下顎を使う音全般 |
| 舌下神経 | 舌の運動 | [t][d][n][s][r]など([h]ではない) |
| 舌咽神経 | 咽頭の運動・感覚 | [k][g](咽頭・後舌) |
| 反回神経 | 声帯の運動 | 有声音全般・[ts][dz]など |
「顔面神経麻痺=[m]が困難」——口輪筋・口唇の閉鎖に関わる顔面神経が障害されると両唇音[m][p][b]が困難になる。「舌下神経麻痺=[h]が困難」は誤り——[h]は声門音であり舌を使わない。
筋強直性ジストロフィーは筋の弛緩が障害され筋緊張が持続する疾患であるが、構音障害のタイプは弛緩性構音障害(筋力低下・筋萎縮による)。