第4章|形態異常・神経筋疾患の構音

対応過去問 6問 / 難易度 ★★★☆☆

各形態異常と構音への影響

形態異常と構音問題

形態異常構音への影響
粘膜下口蓋裂開鼻声
咽頭扁桃肥大(アデノイド)閉鼻声(鼻音が減少)——気息性嗄声ではない
高口蓋(アーチ型口蓋)子音の歪み——母音の歪みではない
舌小帯短縮症舌先を使う音の歪み([t][d][r]など)——声門破裂音ではない
ダウン症子音・全般的構音の歪み——母音の歪みではない

「咽頭扁桃肥大=気息性嗄声」は誤り——気息性嗄声は声門閉鎖不全の所見。アデノイド肥大は鼻腔・鼻咽腔を塞ぐため閉鼻声の原因となる。「高口蓋=母音の歪み」は誤り——高口蓋は子音への影響が主。

構音障害の原因とならないもの

原因となる:口蓋裂・顎変形症・舌癌・舌小帯短縮症・開口障害・軟口蓋麻痺・巨舌症・粘膜下口蓋裂

原因とならない:舌神経麻痺(舌神経は感覚神経——運動ではない)、舌白板症(粘膜の病変であり構音への影響は少ない)

神経障害と産生困難になる子音

神経支配する器官障害で困難になる音
顔面神経口唇の運動[m][p][b](両唇音)
三叉神経(運動枝)下顎の運動下顎を使う音全般
舌下神経舌の運動[t][d][n][s][r]など([h]ではない)
舌咽神経咽頭の運動・感覚[k][g](咽頭・後舌)
反回神経声帯の運動有声音全般・[ts][dz]など

「顔面神経麻痺=[m]が困難」——口輪筋・口唇の閉鎖に関わる顔面神経が障害されると両唇音[m][p][b]が困難になる。「舌下神経麻痺=[h]が困難」は誤り——[h]は声門音であり舌を使わない。

筋強直性ジストロフィーの構音障害

筋強直性ジストロフィーは筋の弛緩が障害され筋緊張が持続する疾患であるが、構音障害のタイプは弛緩性構音障害(筋力低下・筋萎縮による)。