信頼性=同じものを測ったときに同様の結果が再現される(一貫している)程度。「測定の精度・安定性」の側面。
| 信頼性の種類 | 調べ方 | 意味 |
|---|---|---|
| 再検査信頼性 | 同一対象に時間をおいて再検査 | 時間的な安定性 |
| 平行検査信頼性 | 等質な2つの検査を実施し相関 | 検査の等価性・等質性 |
| 折半法 | 項目を半分に分けて2得点の相関 | 内的一貫性(内的整合性) |
| クロンバックのα係数 | 全項目の内的整合性を推定 | 複数項目が同一の特性を測っている程度=信頼性係数の一種 |
| 評定者間信頼性 | 複数の評定者の一致度 | 採点者による評価の一致 |
信頼性の概念に含まれるもの:結果の再現性・内的整合性・平行検査との等価性・検査の等質性。
「理論的予測との一致性」は信頼性ではなく妥当性(=構成概念妥当性)。
信頼性と関係ないもの=上下法(=閾値の測定法。第4章)。再検査・α係数・項目得点相関・上位下位分析(項目分析)は信頼性に関係。
折半法で検討されるのは内的一貫性(内的整合性)(内容的妥当性・構成概念妥当性・弁別的妥当性・安定性ではない)。
アルファ係数(クロンバックのα)は信頼性係数の一種で、信頼性の程度を推定する指標。
妥当性=その検査が測るべき概念を正しく測れている程度(=意図した内容を測定できている程度)。
| 妥当性の種類 | 意味 |
|---|---|
| 内容的妥当性 | 項目が測定対象の内容を偏りなく代表しているか(専門家の判断) |
| 基準関連妥当性 | 外的な基準(別の確立した指標)との相関。予測的妥当性・併存的妥当性を含む |
| 構成概念妥当性 | 測定結果が理論から導かれる事実と矛盾しないことで、理論上の構成概念を測れているかを裏づける。弁別的妥当性・収束的妥当性を含む |
「測定結果が理論から導かれる事実と矛盾しないことを示す」=構成概念妥当性(内的妥当性・外的妥当性・内容妥当性・基準関連妥当性ではない)。
よくある入れ替えトラップ:「妥当性=反復して同様の結果が得られる程度」は誤り(それは信頼性)/「信頼性=意図した内容を測定できている程度」は誤り(それは妥当性)。
「内的一貫性は妥当性にかかわる概念」→誤り(内的一貫性は信頼性)。
用語の混同注意:ここでの「妥当性」は検査の妥当性。研究デザインの内的妥当性/外的妥当性(第5章)は別概念(因果の確からしさ/一般化可能性)。
標準化=多数の対象に検査を実施して基準(規準集団の分布)を作り、個人の素点を集団内での相対的な位置として解釈できるようにすること。標準化されていない検査でも臨床上の情報にはなるが、他者との比較には基準が必要。
| 標準得点 | 平均 | 標準偏差 | 意味・使われ方 |
|---|---|---|---|
| z得点 | 0 | 1 | (素点−平均)÷標準偏差。最も基本の標準化得点 |
| 偏差値(T得点) | 50 | 10 | 50+10z。学力・心理検査で頻用。偏差値60=平均より1SD上(上位約16%) |
| 偏差IQ・知能偏差値 | 100(IQ) | 15(IQ) | WISC等の知能指数。偏差知能指数と知能偏差値は平均・SDが違うので数値は一致しない |
| パーセンタイル順位 | — | — | 下から何%の位置か。順序尺度的で分布の裾で目盛が詰まる |
「標準化されていない臨床検査は用いるべきでない」→誤り(標準化されていなくても有用な情報は得られる)。
「偏差知能指数と知能偏差値の数値は一致する」→誤り(平均・SDが異なる)。
「平均値は代表値の一種」→正しい(第1章)。
標準化検査は「何を測るか(妥当性)」で使い分けます。ST・神経心理領域の例:
| 検査 | 主に測る機能 |
|---|---|
| 仮名拾いテスト | 注意(選択性・持続性注意) |
| MMSE | 認知機能全般(認知症スクリーニング) |
| ベントン視覚記銘検査 | 視覚記銘・視覚性記憶 |
| レイ複雑図形検査(ROCF) | 記憶(+構成・視空間) |
| トークンテスト | 言語理解 |
組合せトラップ:「レイ複雑図形検査 ― 記憶」が正しい。「MMSE ― 行為」「トークンテスト ― 注意」「仮名拾い ― 言語」などは誤った対応。
項目反応理論について正しいのは「項目への反応に基づき能力のような潜在的特性を推論する」。
「小規模テストに適用」「ランダムに選んだ項目に適用」「総得点や下位尺度得点に適用(=古典的テスト理論)」「項目間構造を確率ネットワークで推定」はいずれも誤り。