まず気道 → 肺 → 胸郭・胸膜 → 縦隔の位置関係を押さえます。国試では「数字(対の数)」と「左右差」「内面/外面」のすり替えが定番のひっかけです。
| 構造 | 要点 |
|---|---|
| 胸膜 | 肺側(臓側)胸膜=肺の表面を覆う/壁側胸膜=胸郭の内面を覆う。両者の間が胸膜腔(陰圧の閉鎖腔) |
| 肋骨・肋間神経 | 肋骨は12対、肋間神経は肋骨の間で11対 |
| 左右の肺 | 左肺は右肺より小さい(心臓が左に偏る/左2葉・右3葉) |
| 主気管支 | 右は太く・短く・垂直に近い/左は細く・長く・水平寄り。誤嚥物は右肺に入りやすい |
| 気管軟骨 | C字(馬蹄形)で前・側壁を支える。後壁は膜性壁(軟骨を欠く)。肺胞には軟骨はない |
| 縦隔 | 左右の肺(胸膜腔)に挟まれた中央部。心臓・大血管・気管・食道・胸腺・胸管が入る。肺は縦隔の外側=縦隔に含まれない |
右気管支のひっかけ(ST頻出):「左主気管支は右より短い」「左のほうが垂直」は逆。右主気管支が太く・短く・垂直だからこそ、誤嚥性肺炎は右肺に多い——嚥下の臨床とつながる解剖学的理由。
縦隔のひっかけ:「縦隔にないのは肺」。心臓・気管・食道・胸腺は縦隔に含まれるが、肺は左右の胸腔を占め縦隔の外側にある。「左右の肺に挟まれた中身=縦隔」と捉える。
呼吸筋は「吸気=広げる筋」「呼気=縮める筋」で二分します。ここが声(呼気の使い方)に直結します。
| 安静時 | 努力時に加わる筋 | |
|---|---|---|
| 吸気(胸郭を広げる) | 横隔膜(収縮=下降)+外肋間筋(能動的) | 胸鎖乳突筋・斜角筋などの補助(呼吸)筋 |
| 呼気(胸郭を縮める) | 受動的(肺・胸郭の弾性で戻る) | 腹筋群(腹直筋)・内肋間筋 |
呼気筋・吸気筋のひっかけ:腹直筋・内肋間筋は「呼気筋」。これらを「吸気筋」とするのは誤り。努力性吸気に関与しないのも腹直筋(腹圧を上げる努力性呼気筋)。胸鎖乳突筋・前斜角筋は努力性吸気の補助筋で正しい。
呼吸中枢は「延髄」:呼吸の基本リズムを生む呼吸中枢は延髄。橋は呼吸調節に関与するが基本リズムの中枢ではない。視床(感覚中継)・中脳・小脳は呼吸中枢ではない。延髄には呼吸・心臓血管・嚥下など生命維持中枢が集まる。
肺気量分画は「吐ける量=肺活量」「吐けない量=残気量」の区別が核心です。計算問題は下の関係式で解けます。
| スパイロメトリーで | 項目 |
|---|---|
| 測定できる | 肺活量・1回換気量・予備吸気量/予備呼気量・努力性肺活量・1秒量・1秒率 |
| 測定できない | 残気量・機能的残気量・全肺気量(吐き出せない空気を含む → ガス希釈法・体プレチスモグラフが必要) |
スパイロメトリーのひっかけ:「残気量を測定できる」は誤り。最大呼出後も肺に残る量なので口元の気量変化を測るスパイロメーターでは求められない。1秒率・肺活量・1回換気量は測定できる。
換気障害は「拘束性=広がらない」「閉塞性=吐けない」の2型。指標と代表疾患を対にします。
| 型 | 指標 | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 拘束性(広がらない) | %肺活量 < 80% | 間質性肺炎・肺線維症・胸郭変形・神経筋疾患 |
| 閉塞性(吐けない) | 1秒率 < 70% | 気管支喘息・COPD・びまん性汎細気管支炎・気管支炎 |
COPD呼吸リハのひっかけ:目標は「1秒率の低下」ではない——1秒率の低下は気流閉塞の悪化を意味する。正しい手段・目標は腹式呼吸・口すぼめ呼吸・スクイージング(排痰)・6分間歩行距離(6MD)の延長。「口すぼめ呼吸」は呼気時に気道内圧を保ち気道の虚脱を防ぐ。