第4章|場面別・年齢別の対応
吃音 第4章
幼児期の吃音への対応
保護者・親への助言
✅ 適切な助言:
- 子供の話を最後まで聞く(遮らない・せかさない=話し終わるまで待つ)
- 子供が話すときに心配そうな顔をしない
- 「ゆっくり言いなさい」という注意をしない(直接注意は逆効果)
- 吃音は改善する可能性があると伝える
- 簡単(平易)な語彙を使用する(子どもの負担が少ない言葉でやりとりする)
- 適度にポーズ(間)をとりながら応答する
- 大人が発話速度を下げる(ゆっくり話すモデルを示す)
- 子どもの感情・要求を受容する(話の内容を受けとめる)
- 肯定的な関わりに努める
❌ 不適切な助言:
- 吃音をその都度注意する/吃音は良くならないと説明する
- 感情や要求を我慢させる(我慢の強制は心理的圧力となり逆効果)
- ささやき声など不自然な発話様式を強いる(「ささやき声で話させる」は誤り)
- 子どもが「言えない」と訴えたときに練習させる(プレッシャーになる)
- できるだけ多く質問する(言語要求を増やす)
- 吃ったら代わりに言ってあげる
- 苦手な言葉を言い換えさせる・言い換えを推奨する(回避を助長する)
- 「はきはきした話し方を教える」
- 「落ち着いて話すよう指示する」(直接注意)
幼児吃音の親指導=間接法(環境調整)が基本。大人の側がゆっくり・間をとって・平易な言葉で話し、遮らず最後まで聞く。子ども側の話し方を変えさせる指示(ささやき声・言い換え・練習・注意)と、感情や要求の我慢を強いることはすべて不適切——これが「適切/適切でない」を分ける境界線。
混同注意:ささやき声・DAF・リズム発話は第1章の「流暢性が変動する条件」であって、幼児の親への助言としては不適切。条件の知識と指導の適否は別物として覚える。
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この章の続きで扱う内容
- 学童期の吃音への対応
- 成人の吃音への対応
- 構音障害合併例