この章のねらい:社会保険5種のうち、STが最も身近に関わるのが医療保険です。回復期リハ病棟でのST訓練は医療保険の給付のもとで行われ、患者の窓口負担や高額療養費の理解は家族支援に直結します。国試では「どの保険が誰を対象にするか(職域か地域か)」「現金給付か・労災か」「年金の1階と2階」の組合せ・仲間はずれが繰り返し出ます。制度の細部を丸暗記せず、「被用者か・自営業か・75歳以上か」で加入先が決まるという軸で押さえます。自己負担割合などの数値は改定されるため、本文では「◯年時点」と明記します。
2-1 医療保険の全体像 ― 職域保険と地域保険
公的医療保険は、加入が義務で医療給付を行う仕組みです。大きく職域保険(被用者保険)と地域保険(国民健康保険)に分かれ、75歳以上は後期高齢者医療制度に移ります。
| 区分 | 対象 | 例 |
職域保険 (被用者保険) | 会社員・公務員などの被用者 | 組合健保・協会けんぽ・共済組合・船員保険・日雇 |
| 地域保険 | 自営業者・無職・退職者など被用者でない人 | 国民健康保険 |
| 後期高齢者医療 | 75歳以上(一定の障害がある65歳以上を含む) | 後期高齢者医療制度 |
職域か地域かの取り違え(頻出):
・自営業者は職域保険ではなく国民健康保険(地域保険)。
・地方公務員・国家公務員・私立学校教職員は共済組合(職域保険)。「地域保険」とするのは誤り。
・日雇労働者・船員も被用者保険(職域保険)。
「職域保険の被保険者に該当しないのはどれか」→自営業者。
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この章の続きで扱う内容
- 2-2 被用者保険の種類 ― 誰が入るか
- 2-3 医療保険の給付 ― 現物給付と現金給付
- 2-4 公的医療保険と民間保険の区別
- 2-5 指定難病と公費負担医療
- 2-6 公的年金の2階建て構造