この章のねらい:ここは社会保障の「公的扶助(生活保護)」と「社会福祉(児童)」の柱です。STにとって、経済的困難を抱える患者・家族の背景理解や、小児のことばの支援で関わる母子保健・児童福祉施設・障害児通所支援の制度的土台になります。とりわけ言語発達支援では児童発達支援・放課後等デイサービスが実務の場に直結します。国試では「生活保護の8扶助・4原理」「児童=18歳未満」「保護施設5種/児童福祉施設」「委嘱=厚生労働大臣」など、名称と数字の暗記が問われます。生活保護基準額など年次依存の数値は改定されます。
4-1 生活保護の4原理・4原則
生活保護は憲法25条の生存権を具体化する公的扶助で、租税を財源に最低生活を保障します(救貧)。基本となるのが4原理と4原則です。
| 4原理 | 4原則 |
| 国家責任の原理 | 申請保護の原則 |
| 無差別平等の原理 | 基準及び程度の原則 |
| 最低生活(保障)の原理 | 必要即応の原則 |
| 補足性の原理 | 世帯単位の原則 |
原理のひっかけ:「原理」として問われたら国家責任・無差別平等・最低生活保障・補足性の4つ。職種主義・施設保護は原理ではない(居宅保護が原則で、施設保護はその方法の一つ)。「原理」と「原則」を分けて覚える。
補足性の原理=不足分の給付:生活保護は、資産・能力等を活用してもなお不足する場合に、最低生活費の不足分を補う。「最低生活費の不足分が給付される」は正しい。実施機関は福祉事務所で、医療券も福祉事務所が発行する(保健所ではない)。複数の扶助は必要に応じ併給できる。
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この章の続きで扱う内容
- 4-2 生活保護の8扶助と給付方法
- 4-3 保護施設と「措置」「契約」
- 4-4 児童福祉法
- 4-5 母子保健法
- 4-6 児童虐待の通告
- 4-7 福祉の担い手 ― 民生委員と専門行政機関