第55回 作業療法士国家試験 午後 第14問
臨床医学第55回午後
第55回 作業療法士国家試験 午後 第14問(臨床医学)の正答は 4 です。猜疑的な認知の歪み(他者の表情・しぐさへの過敏な解釈)は社会認知の障害であり、SCITはその改善を直接目的としたプログラムである。
問題
24歳の女性。統合失調症。1年前に職場の対人関係のストレスから発症した。現在は休職し、外来通院をしている。嫌がらせをされているという被害妄想は薬物療法により消失したが、ちょっとした周りの表情やしぐさを見て「周りの人が私のことを言っているような気がする」という猜疑的な言動はみられている。そこで主治医の判断により、認知機能の改善を目的に週1回、外来作業療法を利用したプログラムに参加することになった。 この患者の治療目的に合ったプログラムとして適切なのはどれか。
- 1. ACT〈assertive community treatment〉
- 2. Empowerment approach
- 3. IPS〈individual placement and support〉
- 4. SCIT〈social cognition and interaction training〉 ✓
- 5. WRAP〈wellness recovery action plan〉
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — SCIT〈social cognition and interaction training〉
猜疑的な認知の歪み(他者の表情・しぐさへの過敏な解釈)は社会認知の障害であり、SCITはその改善を直接目的としたプログラムである。
【各選択肢の解説】
1. ACT(assertive community treatment)
❌ 誤り。重症精神疾患患者の地域生活支援を目的とする多職種チームによるアウトリーチ型支援であり、認知機能改善プログラムではない。
❌ 誤り。重症精神疾患患者の地域生活支援を目的とする多職種チームによるアウトリーチ型支援であり、認知機能改善プログラムではない。
2. Empowerment approach
❌ 誤り。当事者の自己決定・権利擁護を重視するアプローチであり、認知機能訓練ではない。
❌ 誤り。当事者の自己決定・権利擁護を重視するアプローチであり、認知機能訓練ではない。
3. IPS(individual placement and support)
❌ 誤り。就労支援モデルであり、認知機能・社会認知の改善を目的としない。
❌ 誤り。就労支援モデルであり、認知機能・社会認知の改善を目的としない。
4. SCIT(social cognition and interaction training)
✅ 正しい。他者意図の解釈、感情認識、帰属スタイルの修正を目的とした社会認知訓練プログラム。
✅ 正しい。他者意図の解釈、感情認識、帰属スタイルの修正を目的とした社会認知訓練プログラム。
5. WRAP(wellness recovery action plan)
❌ 誤り。当事者主体のリカバリー計画ツールであり、認知訓練プログラムではない。
❌ 誤り。当事者主体のリカバリー計画ツールであり、認知訓練プログラムではない。
【試験対策ポイント】
SCITは統合失調症の社会認知(ToM、感情認識、帰属バイアス)の改善を目的とする。被害妄想は消失しているが「関係念慮的な解釈」が残存している本症例には最も適合。NEAR(神経認知向上リハビリ)は注意・記憶などの神経認知改善を目的とする点でSCITと区別される。
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