| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・注意 |
|---|---|---|---|
| 肩甲帯 屈曲・伸展 | 両側の肩峰を結ぶ線 | 頭頂と肩峰を結ぶ線 | 背臥位。頭頂から見る |
| 肩甲帯 挙上・引き下げ | 両側の肩峰を結ぶ線 | 肩峰と胸骨上縁を結ぶ線 | 背面から測定 |
| 肩 屈曲・伸展 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 前腕は中間位。体幹が動かないよう固定 |
| 肩 外転・内転 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 体幹側屈を防ぐ。90°以上は前腕を回外 |
| 肩 外旋・内旋 | 肘を通る前額面への垂直線 | 尺骨 | 上腕を体側につけ肘90°屈曲、前腕中間位 |
| 肩 水平屈曲・水平伸展 | 肩峰を通る矢状面への垂直線 | 上腕骨 | 座位・肩90°外転位 |
| 肘 屈曲・伸展 | 上腕骨 | 橈骨 | 前腕回外位 |
| 前腕 回内・回外 | 上腕骨 | 手指を伸展した手掌面 | 肘90°屈曲・前腕中間位から。肩の回旋を入れない |
基本軸または移動軸に橈骨を使うのは、肘屈曲・伸展(移動軸=橈骨)と手屈曲・伸展(橈骨と第2中手骨の組合せ)の2つ。肩の運動は体幹・肩峰と上腕骨の組合せなので橈骨は出てこない。
肩外転測定の要点。基本軸は肩峰を通る床への垂直線で、「体幹」そのものではない/90°以上では大結節と肩峰の衝突を避けるため前腕を回外させる/肩甲上腕リズムに伴う肩甲骨の動きは許容し肩甲骨は固定しない/亜脱臼があっても牽引は加えない/肘は伸展位が基本。
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・注意 |
|---|---|---|---|
| 手 屈曲(掌屈)・伸展(背屈) | 橈骨 | 第2中手骨 | 前腕回内位 |
| 手 橈屈・尺屈 | 前腕の中央線 | 第3中手骨 | 前腕回内位 |
| 母指 橈側外転・尺側内転 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 手掌面と同一平面で母指を開く |
| 母指 掌側外転・掌側内転 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 手掌面に直角な面で母指を立てる |
| 母指 MCP/IP | 第1中手骨/第1基節骨 | 第1基節骨/第1末節骨 | — |
| 指 MCP・PIP・DIP 屈曲伸展 | 第2〜5中手骨/基節骨/中節骨 | 第2〜5基節骨/中節骨/末節骨 | 側面から測定 |
| 指 外転・内転 | 第3中手骨延長線 | 第2・4・5指軸 | 手背側から測定 |
| 母指 対立 | 角度では表さず、母指先端と小指基部(または小指先端)との距離(cm)で表示 | ||
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・可動域 |
|---|---|---|---|
| 頸部 屈曲・伸展 | 肩峰を通る床への垂直線 | 外耳孔と頭頂を結ぶ線 | 座位・頭部体幹の側面/60°・50° |
| 頸部 回旋 | 両側の肩峰を結ぶ線への垂直線 | 鼻梁と後頭結節を結ぶ線 | 腰かけ座位/左右各60° |
| 頸部 側屈 | 第7頸椎棘突起と第1仙椎棘突起を結ぶ線 | 頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線 | 体幹の背面から/左右各50° |
| 胸腰部 屈曲・伸展 | 仙骨後面 | 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線 | 立位・座位・側臥位。股関節の運動を入れない/45°・30° |
| 胸腰部 回旋 | 両側の上後腸骨棘(PSIS)を結ぶ線 | 両側の肩峰を結ぶ線 | 座位で骨盤を固定/左右各40° |
| 胸腰部 側屈 | ヤコビー線の中点に立てた垂直線 | 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線 | 座位または立位・体幹背面/左右各50° |
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・注意 |
|---|---|---|---|
| 股 屈曲・伸展 | 体幹と平行な線 | 大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線) | 屈曲=背臥位・膝屈曲位/伸展=腹臥位・膝伸展位。骨盤を固定 |
| 股 外転・内転 | 両側の上前腸骨棘(ASIS)を結ぶ線への垂直線 | 大腿中央線(上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結ぶ線) | 背臥位・股関節伸展位(中間位)。下肢を外旋させない。内転は反対側下肢を挙上しその下を通す |
| 股 外旋・内旋 | 膝蓋骨より下ろした垂直線 | 下腿中央線(膝蓋骨中心と足関節内外果中央を結ぶ線) | 股・膝とも90°屈曲位 |
| 膝 屈曲・伸展 | 大腿骨 | 腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線) | 屈曲は股関節屈曲位で行う |
| 足関節 背屈・底屈 | 腓骨への垂直線 | 第5中足骨 | 膝屈曲位 |
| 足部 内がえし・外がえし | 下腿軸への垂直線 | 足底面 | 膝屈曲位・足関節0度 |
| 足部 外転・内転 | 第1中足骨と第2中足骨の間の中央線(基本軸・移動軸とも) | 足底から見る・足関節0度 | |
【設問の欠陥/膝屈曲の移動軸】「運動方向と移動軸の組合せで正しいのはどれか(1つ選べ)」の型は、正答が一意にならないことがある。58回の出題では「股屈曲・伸展 ── 大腿骨」(公式正答)と「膝屈曲・伸展 ── 腓骨」の2肢が同時に成立している。上の表のとおり膝屈曲・伸展の移動軸は腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)で、これは日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の基準そのままの記載であり誤りではない。57回でも同じ形(公式正答「股外転 ── 大腿中央線」に対し「膝屈曲 ── 腓骨」が併存)が出ている。試験では公式正答(58回=股屈曲・伸展 ── 大腿骨)を採る。
本番での手順:
① まず軸の名前が別の運動のものにすり替わっている肢を全部消す(大腿骨↔大腿中央線↔下腿中央線、第1中足骨↔第5中足骨、第2・第3中足骨間↔第1・第2中足骨間)。ここまでで大半は1つに絞れる。
② それでも2肢残ったら股関節の肢を採る。この型の主題は股関節の3方向(屈曲伸展/外転内転/外旋内旋)の軸の区別で、膝の肢は消去用に置かれているだけで正答にはされない。
③ 膝の肢は「基本軸か移動軸か」を読み直す。基本軸を問う問題なら「膝屈曲 ── 大腿骨」が正答(50回で実際に正答)、移動軸なら腓骨。どちらも事実として正しいので、設問がどちらを聞いているかだけが分かれ目。
④ 2つ成立すると気づいても悩まない。これは出題側の不備で知識不足ではない。想定解にマークして次へ進む。
股関節は運動方向ごとに基本軸が3通りに分かれる。屈曲・伸展=体幹と平行な線/外転・内転=両ASISを結ぶ線への垂直線/外旋・内旋=膝蓋骨より下ろした垂直線。図で運動方向を示す設問では先に運動方向を確定してから軸を選ぶ。背臥位で股・膝を90°屈曲させ下腿を左右に振っていれば外旋・内旋で、このとき「基本軸は体幹との平行線」は誤り → それは屈曲・伸展の基本軸。「移動軸は腓骨」も誤り → 腓骨は膝屈曲・伸展の移動軸で、股外旋・内旋の移動軸は下腿中央線。参考可動域は外旋・内旋とも45°なので「60度」も誤り。
足の3つの軸は取り違えが最頻出。「第5中足骨」が出たら背屈・底屈/「足底面」が出たら内がえし・外がえし/「第1・第2中足骨間の中央線」が出たら足部外転・内転。第2中足骨単独・第2と第3の間・第1中足骨単独はいずれも誤り。