第3章|リハの評価① ADL・ROM・MMT

リハビリテーション医学 第3章

3-1 ADL評価の二本柱 — BIとFIM

Barthel Index(BI)FIM
項目数10項目18項目(運動13+認知5)
配点0〜100点1〜7点・合計18〜126点
みるもの簡便・できるADL寄りしているADL(実際の介助量)
認知面含まない含む(コミュニケーション・社会的認知)
  • FIMの認知5項目=理解・表出(コミュニケーション)+社会的交流・問題解決・記憶(社会的認知)
  • 運動13項目=セルフケア6・排泄管理2・移乗3・移動2

「FIMはできる活動(能力)を評価する」は誤り。→ 正しくは、FIM系(WeeFIMを含む)はすべて実際に「している」実行状況を評価する。

3-2 FIMの7段階と採点の大原則

区分本人の遂行割合・条件
7完全自立補助具なし・時間内・安全に全部行える
6修正自立補助具・装具・手すり・時間延長・安全配慮あり/介助者は不要
5監視・準備見守り・指示・準備のみ/身体接触なし
4最小介助本人が75%以上
3中等度介助本人が50〜75%未満
2最大介助本人が25〜50%未満
1全介助本人が25%未満

5点以上=身体接触なし/4点以下=身体介助ありが最大の境界線。まず「触れているか」で二分し、次に本人の遂行割合で刻む。

最も手のかかる状況で採点する。日中6回が修正自立でも夜間2回が全介助なら、その項目は1点。平均や「良いときの姿」で点けない。

3-3 FIM採点の実例パターン

状況理由
入れ歯の着脱が自立/スプーンでの食事が自立7スプーンは通常の食具で補助具とみなさない
装具を装着して300m程度の歩行が自立6装具使用=修正自立
服の上げ下ろしに手すりを使用6手すり(補助具)使用
浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ6ではない動作のやり方の工夫にすぎず、補助具も装具も使っていない。介助が要らなければ7点(完全自立)
アームスリングをつけてもらう/紙をあらかじめ折ってもらう/湯温を調節してもらう5いずれも準備のみで動作自体は自立
食器に残った食べ物をかき集めてもらう4介助は25%未満=最小介助
移乗:手を添える程度+立ち上がりで腰を引き上げてもらう3接触介助あり・本人50〜75%未満
移乗:腰を軽く引き上げ+腰を持ち上げて回してもらう2持ち上げて回す=最大介助
咀嚼・嚥下は可能だが食べ物を口に全く運ばない1遂行0%。能力でなく実行でみる

修正自立(6点)の根拠になるのはこの4つだけ――①補助具・装具・自助具手すりなどの設備時間が人より余分にかかる安全性への配慮

浴槽の縁に腰掛けてまたぐ」のような動作方法の工夫はこの4つのどれにも当たらず、6点の根拠にならない(介助が不要なら7点)。同じくスプーン・箸・入れ歯は誰もが使う日用品で補助具に数えないので7点。逆に手すり・装具が出てきたら迷わず6点

「車椅子で50m以上自走できるが曲がるたびに介助」は4点ではない。→ 接触介助が頻回なので、本人75%以上という4点の条件に届かない。

「排便管理4点:坐薬を月に4回挿入してもらう」も誤り。→ 排便管理は器具操作を誰がどれだけ行うかで決まり、この記述では4点に一致しない。「よく出会う人を認識し日課も思い出せる」記憶は2点より高い

3-4 FIM総得点の計算とWeeFIM

計算例:歩行・階段の2項目のみT字杖使用で自立、他は補助具なしで自立、認知は問題なし → 杖使用の6点×2+完全自立7点×16=124点。満点126点から「杖を使う2項目分=−2点」と引くほうが速い。

WeeFIM(小児版FIM)内容
成人FIMと同じ点18項目(運動13+認知5)・1〜7点の7段階・「している」ADLを評価
適応年齢おおむね生後6か月〜7歳(発達遅滞があれば7歳以上にも適用)
小児らしい点社会的交流で年齢相応の遊びへの参加を評価

WeeFIMの「15項目」「6段階」「8歳以上」はいずれも誤り。→ 正しくは18項目・7段階・6か月〜7歳。成人FIMの数値とのひっかけに注意。

3-5 関節可動域(ROM)測定

  • ゴニオメーターで5°刻みに測定。基本肢位をとし、参考可動域と比較する
  • 他動運動での測定が原則。代償運動を止め、隣接関節を固定して測る
  • 制限因子=疼痛・拘縮(皮膚・軟部組織・筋性)・強直(骨性)・筋緊張亢進・浮腫
  • 拘縮=軟部組織性で他動的には多少動く/強直=骨性・関節性で他動的にも動かない

3-6 MMT(Danielsら)の段階定義と検査の作法

段階呼称判定
5Normal最大抵抗に抗して全可動域(抗重力位)
4Good抵抗に抗するが最大ではない(抗重力位)
3Fair抵抗なしで重力に抗し全可動域
2Poor重力を除いた肢位で全可動域
1Trace収縮を触知できるが関節運動は起こらない
0Zero収縮なし

検査条件と手技

  • 苦痛がないか確認しながら行う。疼痛や代償で症状を悪化させないのが大原則
  • ベッドは表面が硬く・摩擦が小さいものがよい。軟らかいと体幹・四肢が沈んで肢位が安定せず、摩擦が大きいと段階2で水平面を滑らせる動きが妨げられる
  • ベッドの高さは調整式が望ましい(固定式である必要はない)
  • 徒手抵抗は検査する関節のすぐ遠位にある分節の、その遠位端に加える(レバーアームを長くとる)。対応は肩→上腕遠位/肘→前腕遠位/股→大腿遠位/膝→下腿遠位で、次の関節を越えた先(肩の検査で前腕、肘の検査で手部、膝の検査で足部)を握るのは誤り。越えると途中の関節に力が逃げ、目的の筋を測れない
  • 1回の最大収縮で筋力を判定する。繰り返し行って筋持久力を測る検査ではない
  • 徒手が基本だが、ハンドヘルドダイナモメーター等の計測機器を併用することもある(「計測機器は用いない」と断定はできない)

「検査は段階5から実施する」は誤り。→ まず抗重力位で全可動域動かせるか(段階3)を確かめ、可否に応じて上(4・5)か下(2以下)へ振り分ける。

「抑止(ブレーク)テストでは徐々に徒手抵抗を強くする」も誤りとして扱われた。→ ブレークテストは最終肢位で保持させ、その保持が破れるかどうかをみる検査である。

3-7 段階2(除重力位)の検査肢位

段階2は重力の影響を除いた面(水平面・支持面上)で全可動域動かせるかをみる。同じ筋でも段階3以上とは肢位が変わる。

筋・運動段階2の肢位段階3以上の肢位
膝関節伸展(大腿四頭筋)側臥位端座位
膝関節屈曲(ハムストリングス)側臥位腹臥位
股関節屈曲(大腰筋・腸骨筋)・縫工筋側臥位端座位
棘下筋・三角筋後部・前鋸筋座位(上肢を台に乗せ水平面で動かす)座位・腹臥位で抵抗
僧帽筋上部線維・下部線維側臥位・腹臥位などの除重力位座位・腹臥位(抵抗あり)
僧帽筋中部線維座位で上肢を台に乗せ、水平面で肩甲骨を内転腹臥位(肩関節90°外転)で肩甲骨内転に抵抗
菱形筋群座位で検者が上肢を支え、肩甲骨を内転+挙上腹臥位で肩甲骨の内転・挙上に抵抗
下腿三頭筋背臥位立位(踵上げ)

膝は伸展も屈曲も段階2は側臥位で一致する。段階3では伸展=端座位・屈曲=腹臥位に分かれるので、「肢位が同じになる段階はどれか」と問われたら段階2

肩甲帯・肩周囲筋(棘下筋・三角筋後部・前鋸筋)は座位で除重力位を作れるが、股関節屈筋群(大腰筋・縫工筋)は側臥位でしか作れない。

肩甲帯の図問題は「座位か腹臥位か」では切れない。見るのは①上肢の重さを台(または検者)が支えているか ②徒手抵抗が加わっているかの2点。

同じ座位でも、上肢を台に乗せて水平に滑らせていれば除重力位=段階2上肢を空中に挙げている・抵抗を加えているなら抗重力位=段階3以上。前鋸筋を「座位で上肢を挙げて押させる」図は段階2ではなく段階3以上

腹臥位で肩甲骨を寄せる図(菱形筋群・僧帽筋中部線維)も、肩甲骨の動きが重力に逆らう抗重力位=段階3以上で、段階2ではない。

図で徒手抵抗が加えられていれば段階4・5、抵抗なしの抗重力位なら段階3、支持面上の水平運動なら段階2。同じ筋でも描かれた肢位と抵抗の有無で段階が変わる。

組合せ問題で頻出の誤り。→ 「腸腰筋の段階3=側臥位」は誤り(正しくは座位)/「中殿筋の段階1=腹臥位」は誤り側臥位で触知)/「前脛骨筋の段階4=立位」は誤り座位・長座位)。正しい組合せは「大腿四頭筋の段階3=座位」「下腿三頭筋の段階2=背臥位」。

3-8 段階3以上の肢位と抵抗部位

運動肢位抵抗を加える部位・方向
股関節屈曲端座位大腿遠位部に下方へ
股関節伸展腹臥位大腿遠位部
膝関節屈曲腹臥位(膝屈曲位で保持)下腿遠位部の後面(足関節の直上)に伸展方向へ。足関節をまたいで踵・足部を握るのは誤り
肩関節屈曲(三角筋前部・烏口腕筋)座位肩を90°前方挙上した位置で、上腕遠位に下方(伸展方向)
肩関節伸展腹臥位伸展最終域近くで上腕遠位(肘のすぐ上)の後面に下方(屈曲方向)へ。前腕を押さえるのは誤り
肘関節屈曲(上腕二頭筋)座位・前腕回外位肘を約90°屈曲位に保持させる(固定は上腕を支える)前腕遠位の掌側伸展方向へ(回内位=上腕筋、中間位=腕橈骨筋の検査になる)。手部を握るのは誤り
肘関節伸展抗重力位軽度屈曲位で抵抗(完全伸展位は肘頭がロックし測れない)
手関節伸展前腕支持完全伸展(背屈)位で中手骨背側
頸部複合伸展腹臥位後頭部

段階4と段階5は肢位も抵抗部位も同じで、違うのは抵抗の強さだけ。だから「段階4の検査法で正しいのはどれか」型の図問題は、①抗重力肢位になっているか ②抵抗を加える部位 ③抵抗の向きが運動と逆かの3点を上の表と突き合わせて切る。標準と違う肢位・抵抗方向で描かれていれば、段階の数字が何であれ誤り

「Danielsの段階4の検査法で正しいのはどれか」型の5枚組図問題は、抵抗の置き場所だけで切れることが多い。原則は検査関節のすぐ遠位の分節の遠位端で、次の関節を越えた先を握っている図はそれだけで誤り。1枚ずつ「肢位・抵抗部位・抵抗の向き」の3点を表と突き合わせる。

肩関節屈曲=座位で上肢を90°前方挙上させ、上腕遠位に下方。→ 検者の手が前腕(手関節寄り)に乗っている図は誤り。

肩関節伸展=腹臥位で上肢を後方に挙上させ、上腕遠位の後面に下方。→ 検者の手が前腕に乗っている図は誤り。前腕遠位は肘関節屈曲の抵抗部位であって、肩の検査部位ではない。

肘関節屈曲=座位・前腕回外位で肘を約90°屈曲位に保持させ、前腕遠位の掌側に伸展方向。→ 肘がほぼ伸びたままの図、検者が患者の手を握手のように握っている(手関節を越えている)図、固定の手が上腕でなくに乗っている図は、いずれも誤り。

膝関節屈曲=腹臥位で膝屈曲位に保持させ、下腿遠位部の後面(足関節の直上)に伸展方向。→ 腹臥位・膝屈曲位・伸展方向の3点が合っていても、検者の手が足関節をまたいで踵・足部にかかっていれば誤り(足部を押すと足関節や腓腹筋の関与が混じり、ハムストリングスを測れない)。

股関節屈曲端座位で大腿遠位部に下方。この図だけは肢位・部位・向きの3点すべてが標準と完全一致する。膝関節屈曲の図は差が把持位置だけで最も紛らわしいので、迷ったら「3点とも完全一致する股関節屈曲」を採って確定させる。

頸部・体幹の段階3

  • 体幹伸展=腹臥位で重力に抗して胸郭を床から持ち上げる
  • 体幹屈曲=背臥位・上肢を体側に置き肩甲骨下端まで起こす。上肢の位置(体側→胸の前→頭部の後ろ)で段階3〜5を区別する
  • 頸部伸展=腹臥位で頭部を持ち上げる/体幹回旋の段階4=座位で抵抗を加える/骨盤挙上=腰方形筋の検査で、背臥位から下肢を頭側へ引き上げる

段階5でも肘関節伸展だけは軽度屈曲位で抵抗を加えるのが例外。図問題は「抗重力肢位になっているか」「抵抗の方向が運動と逆向きか」の2点をまず確認する。

3-9 下腿三頭筋の回数判定と代償運動

立位での踵上げ(完全な底屈)段階
25回以上5
10〜24回4
1〜9回(疲れなしに完全な底屈が1回できれば段階3)3
立位の踵上げが1回もできず非荷重位(腹臥位・背臥位)で全可動域2
  • 区切りは25/10/1で覚える。25回以上=段階5/10〜24回=段階4/1〜9回=段階3。立位で1回もできなければ非荷重位に移して段階2以下をみる。「1〜24回=段階4」と覚えると段階3に当たる回数が無くなるので注意
  • 膝伸展位の踵上げ=腓腹筋+ヒラメ筋/膝屈曲位の踵上げ=ヒラメ筋優位。腓腹筋は二関節筋なので膝伸展位で働く
  • 下腿三頭筋は強大で、非荷重位の徒手抵抗では段階3〜5を区別できないため回数で判定する

非荷重位(腹臥位・背臥位)は抵抗の有無で段階を刻まない。全可動域動かせれば段階2、それ以上は立位での踵上げの回数でしか判定しない。

「非荷重位で完全な底屈ができ、最大抵抗に負けずに保てれば段階2」は誤り。→ 抵抗に勝てても、下腿三頭筋は強大で徒手抵抗では段階3〜5を区別できないため、抵抗を判定材料に使ってはいけない。

「非荷重位で底屈はできるが抵抗に耐えられないので段階2−」も誤り。→ ここで2−のような細分は用いない

「立位の踵上げが20回できれば段階5」も誤り。→ 段階5は25回以上段階4は10〜24回なので20回は段階4。段階3は1〜9回で、「疲れなしに完全な底屈が1回行えれば段階3」はこの範囲の下限を言っている(1回できれば段階3、10回に届けば段階4)。

膝屈曲位の踵上げは腓腹筋単独のテスト肢位」も誤り。→ 膝屈曲位はヒラメ筋優位。腓腹筋は膝伸展位でみる。

股関節屈曲での代償の見分け

屈曲に加わる動き疑う筋その筋の作用
外転+外旋縫工筋股関節屈曲・外転・外旋
外転+内旋大腿筋膜張筋股関節屈曲・外転・内旋
  • 股関節屈曲の主検査筋は腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)で、縫工筋は補助筋にすぎない
  • 骨盤は後傾させず固定して行う。後傾させると正確に評価できない

3-10 麻痺の評価 — ASIAとSIAS

ASIA(脊髄損傷)

  • 実施肢位は背臥位(座位ではない)
  • 運動=キー筋10対(C5〜T1、L2〜S1)をMMTに準じて0〜5で評価
  • 感覚=キーポイント28対の触覚・痛覚を0=脱失/1=障害(鈍麻・過敏)/2=正常の3段階で評価(測定不能はNT)
  • 神経学的損傷高位は正常な最下髄節で決める。深部腱反射は用いない
  • 完全・不全の分類はAIS(A〜E)で、Frankel分類の改良版

「ASIAは包括的な神経学的評価法である」は誤り。→ 運動・感覚に絞った評価で、認知や反射までは含まない。

「ROM制限がある場合の運動はすべてNTと記載する」も誤り。→ 評価可能な範囲でMMT判定し、一律にNTとはしない。

SIAS(脳卒中機能評価法)

  • 麻痺側運動機能は各項目0〜5点で、点数が高いほど良好(Brunnstrom stageと同方向)
  • 上肢=膝口テスト(近位)・指テスト(遠位)/下肢=股屈曲テスト(近位)・膝伸展テスト(遠位)・足パットテスト
  • 3=拙劣だが課題を遂行できる、5=健側と同等が目安。複数テストの合計点を問う出題がある

麻痺側運動機能テストの0〜5点

判定基準
0全く動かない(随意収縮なし)
1わずかな随意運動・共同運動は出るが課題を遂行できない
2課題は遂行できるが著明に拙劣(共同運動が強く、十分な運動範囲に届かない)
3課題を遂行できるが中等度に拙劣
4課題を遂行でき、軽度の拙劣さが残るだけ
5健側と同等に正常に遂行できる

各テストの課題内容と「1点と2点の境目」

テスト肢位と課題内容課題完遂の到達点(届かなければ1点以下)
膝・口テスト(上肢近位)座位。麻痺側の手を膝の上に置き、肘を伸ばしながら手を口まで持っていき、また膝に戻す手が口に届く(少なくとも乳頭の高さを越える)
指テスト(上肢遠位)座位。母指→示指→…と1指ずつ分離して屈伸させる指を分離して屈伸できる
股屈曲テスト(下肢近位)座位(股・膝90°)。麻痺側の膝を持ち上げる=股関節をさらに屈曲させる大腿が座面から離れる
膝伸展テスト(下肢遠位)座位(膝90°屈曲)。下腿を前に振り出して膝を伸ばす足底が床から離れ、膝が伸展する
足パットテスト(下肢遠位)座位。踵を床につけたまま前足部で床を叩く(足関節背屈の反復)前足部で床を叩ける

合計点を問う図問題はテストごとに0〜5で採点して単純に足すだけ(3項目なら満点15点)。上の到達点で機械的に切る=全く動かない=0/動くが到達点に届かない=1/到達点には届くが運動範囲が足りず著明に拙劣=2/運動範囲は十分で中等度に拙劣=3/軽度の拙劣=4/健側と同等=5点は平均でなく、その項目の実際の遂行の質で付ける。

3枚の図から合計点を出す手順。図では実線=実際に到達した位置、点線=本来届くべき位置、矢印=実際に動いた範囲が描き分けられている。矢印の大きさで「どこまで行けたか」を読む。

典型例:膝・口テストで手が大腿の上をわずかに上下するだけ=乳頭にも口にも届かない → 1点股屈曲テストで大腿が座面からわずかに浮くだけ=到達点には届くが挙上が不十分 → 2点膝伸展テストで下腿が途中までしか振り出されない=足底は床から離れるが完全伸展しない → 2点。合計5点

誤答肢(6点・7点・8点・9点)の消し方:手が口に届いていない図がある時点で上肢近位は1点で確定する。残る2項目が3点になるには「運動範囲は十分で、拙劣さだけが残る」必要があるが、図はどちらも運動範囲そのものが足りない=2点。したがって合計は5点で一意に決まり、6点以上は成立しない。

3-11 部位別の整形外科的誘発テスト

テスト陽性となる病態キーワード
Roos胸郭出口症候群両上肢90°外転・外旋+肘屈曲で手指の開閉を3分間
Wright/Adson/Eden胸郭出口症候群いずれも同症候群で陽性になる
Jerk肩関節後方不安定症
Thomsen上腕骨外側上顆炎
McMurray膝半月板損傷
Kemp腰部神経根症状腰椎の伸展・回旋

3-12 参考 — 脳波の基本波形

周波数出現する状況
δ4Hz未満深いノンレム睡眠(高振幅徐波)
θ4〜7Hz入眠期・小児
α8〜13Hz成人の安静覚醒閉眼時の背景活動
β14Hz以上覚醒・緊張・思考時
  • 開眼するとα波が抑制される(αブロッキング
  • 小児は成人より背景活動の周波数が低い。脳の成熟とともに速波化する

「成人の安静覚醒閉眼時の背景活動はθ帯域である」は誤り。→ 正しくはα帯域(8〜13Hz)。θ帯域は入眠期に出現する。