「刺激しないでも覚醒しているか」で桁を決め、その中で細分する。数字が大きいほど重症。
| 桁=覚醒の状態 | 点 | 判定の決め手 |
|---|---|---|
| Ⅰ桁:刺激しなくても覚醒 | 1 | だいたい清明だが今ひとつはっきりしない |
| Ⅰ桁 | 2 | 見当識障害がある |
| Ⅰ桁 | 3 | 自分の名前・生年月日が言えない |
| Ⅱ桁:刺激すると覚醒(やめると眠り込む) | 10 | 普通の呼びかけで容易に開眼 |
| Ⅱ桁 | 20 | 大きな声または体を揺さぶると開眼 |
| Ⅱ桁 | 30 | 痛み刺激+呼びかけの繰り返しでかろうじて開眼 |
| Ⅲ桁:刺激しても覚醒しない(開眼しない) | 100 | 痛み刺激を払いのける動作をする |
| Ⅲ桁 | 200 | 痛み刺激で手足を少し動かす・顔をしかめる |
| Ⅲ桁 | 300 | 痛み刺激にまったく反応しない |
桁の境目は「開眼するか」の一点。大声・揺さぶりで開眼すればⅡ-20、大声でも開眼せず痛み刺激で払いのけるだけならⅢ-100。
| 開眼 E(4段階) | 言語 V(5段階) | 運動 M(6段階) |
|---|---|---|
| E4 自発的に開眼 | V5 見当識あり(日時・場所を言える) | M6 命令に従う |
| E3 呼びかけで開眼 | V4 混乱した会話(会話は成立、見当識障害あり) | M5 痛み刺激の部位を認識し払いのける |
| E2 痛み刺激で開眼 | V3 不適当な単語 | M4 痛みからの逃避屈曲 |
| E1 開眼しない | V2 理解不明の音声 | M3 異常屈曲(除皮質硬直)/M2 伸展(除脳硬直)/M1 反応なし |
頻出のひっかけ。E3は自発開眼ではない(自発開眼はE4、E3は呼びかけ)/V4は見当識良好ではない(日時・場所を言えるのはV5)/M5は命令に従うではない(命令に従うのはM6、M5は払いのけ、M4が逃避屈曲)。
| 尺度 | 測るもの | 含む | 含まない(ひっかけ) |
|---|---|---|---|
| JCS・GCS | 意識レベル | 開眼・言語・運動反応 | 関節可動域・麻痺の程度 |
| NIHSS | 急性期の神経学的重症度(15項目) | 意識水準・質問・従命、注視、視野、麻痺、失調、感覚、言語、無視 | バランス(立位)・ROM |
| SIAS | 脳卒中の機能障害を総合評価(9側面22項目) | 麻痺側運動機能、筋緊張、感覚、ROM、疼痛、体幹、視空間認知、言語、健側機能(非麻痺側筋力) | 意識レベル・病的反射・痛覚 |
| FMA | 片麻痺の機能障害を定量評価 | 運動・感覚・バランス・ROM・疼痛 | ADL(impairmentレベルの尺度) |
| mRS | 障害度=生活自立度を0〜6で分類 | 介助量・自立度の全般的な段階づけ | 筋緊張・歩行速度などの定量値 |
| JSS | 神経症状の重症度(日本版) | 意識・言語・麻痺など神経症状 | 関節可動域 |
| Brunnstrom stage | 片麻痺の回復段階 | 上肢・手指・下肢をⅠ〜Ⅵで別々に判定 | 感覚・ADL |
選択肢の多くは「その尺度が測らない領域」を混ぜて作られる。意識=JCS/GCS/NIHSS、感覚=SIAS/FMA、自立度=mRSと、領域ごとに担当尺度を1本ずつ決めて覚える。
FMAで狙われる誤り3点 → 「4段階で採点」は誤り(3段階)/「感覚は痛覚」は誤り(軽触覚と位置覚)/「評価項目は4つ」「ADLを含む」も誤り。正しいのは226点とBrunnstromと共通項目あり。
| 検査 | 方法 | 目安 |
|---|---|---|
| BBS(Berg Balance Scale/FBS) | 立ち上がり・閉眼立位・振り向き・片脚立位など14項目を各0〜4点 | 56点満点。おおむね45点以下で転倒リスク高 |
| TUG | 椅子から立ち上がり3m先を折り返して着座するまでの時間 | 10秒以内でほぼ自立、13.5秒以上で転倒リスク高 |
| FRT(Functional Reach Test) | 立位で上肢を前方へ最大リーチした距離 | 約15cm以下で転倒リスク高 |
| SCP〈Scale for Contraversive Pushing〉 | 座位・立位での姿勢、非麻痺側の伸展外転による突っ張り、他動修正への抵抗の3要素 | pusher現象の有無と重症度 |
pusher現象=非麻痺側の上下肢で床を押し、麻痺側へ傾く。他動的に正中位へ戻そうとすると強く抵抗するのが決め手。修正に抵抗せず素直に正中位へ戻るならpusherではないので、SCPの適応にならない。
| 所見 | 疑う病態 | 選ぶ検査 |
|---|---|---|
| 麻痺側の見落とし・非麻痺側ばかり向く | 半側空間無視 | 線分抹消試験・BIT |
| 麻痺側へ傾き、正中位への修正に抵抗 | pusher現象 | SCP |
| 会話・呼称・復唱の障害 | 失語症 | WAB・SLTA |
| 道具を使うまねができない | 観念運動失行 | パントマイム課題・SPTA |
| 方針の切り替えができない・段取りが崩れる | 遂行機能障害 | WCST・BADS |
| 領域 | 検査 | 内容 |
|---|---|---|
| 注意 | TMT-A | 1〜25の数字を順に線で結び所要時間を測る。注意・処理速度 |
| 注意 | TMT-B | 数字とかなを交互に結ぶ。注意の分配・転換 |
| 注意 | CAT/Stroop test | CAT=標準注意検査法(総合バッテリー)/Stroop=色名と文字の干渉で選択的注意・抑制 |
| 記憶 | RBMT・WMS-R | RBMT=リバーミード行動記憶検査。展望記憶を含む日常場面の記憶 |
| 遂行機能 | BADS・WCST | BADS=規則変換カード等の行動評価/WCST=概念の転換(前頭葉) |
| 半側空間無視 | BIT | 線分二等分・抹消課題などの通常検査+行動検査 |
| 失語 | WAB・SLTA | 失語症の総合バッテリー |
| 全般的認知 | MMSE・HDS-R | 認知症のスクリーニング |
図で「数字だけを順に1本線で結ぶ」ならTMT-A、「1→あ→2→い…と交互」ならTMT-B。混同されやすいのはRBMT(記憶)とWCST(遂行機能)、BIT(無視)とCAT(注意)。
| 病態 | 典型所見 | 適する介入 |
|---|---|---|
| 痙性麻痺 | 上肢屈曲位・下肢伸展位、筋緊張亢進 | 持続伸張・良肢位保持による筋緊張のコントロール、短縮/拘縮の予防 |
| 運動失調(小脳性・脊髄性) | 測定障害・企図振戦・動揺 | Frenkel体操・重錘負荷・弾性緊迫帯による協調性練習 |
痙性麻痺にFrenkel体操は誤り → Frenkel体操は失調に対する協調性訓練。痙性には持続伸張。この取り違えは頻出。
くも膜下出血後に「自発性低下・行動異常・頻回な転倒」が遅れて出現し、CTで脳室拡大があれば正常圧水頭症(NPH)を疑う。三主徴は歩行障害(小刻み・開脚のすり足=磁石様歩行)・認知機能低下・排尿障害。発熱・下痢・視野障害は三主徴ではない。歩行障害が最も改善しやすく、治療はシャント術。
「理学療法士に責任がないことを明確にする」は適切でない → 責任追及や自己保身より、事実の正確な共有→原因分析→システムの改善が医療安全の原則。隠す・報告を怠るのも同様に不適切。
| 順位 | 研究デザイン | 区分 |
|---|---|---|
| 高 | システマティックレビュー/メタアナリシス | — |
| ↑ | 無作為化比較試験(RCT) | 介入研究(割り付けあり) |
| │ | コホート研究(前向き観察) | 観察研究(割り付けなし) |
| │ | 症例対照研究(後ろ向き)・横断研究 | 観察研究 |
| 低 | 症例集積・症例報告 > 専門家の意見 | 観察研究・その他 |
選択肢にメタアナリシスがなければRCTが最上位。キーワードは「割り付け・前向き・2群比較=介入」「観察・さかのぼり・横断=観察」。
RCTは対象者をくじ引き(無作為)で介入群と対照群に割り付ける介入研究。研究者が治療を割り付けるので観察研究ではないし、前向きに介入して追跡するので診療録に残る過去の記録をさかのぼっては行えない(それは後ろ向きの観察研究)。
精度を上げる仕掛けとして二重盲検(対象者にも評価者にも割り付けを伏せる)とITT解析(脱落・中止例も最初に割り付けた群のまま解析する)がある。どちらも無作為化で作った両群の同等性を後から壊さないための工夫。
「RCTの目的は因子間の相互関係を調べること」は誤り → RCTの目的は介入の効果(因果関係)の検証。あらかじめ立てた仮説をひとつ検定するデザインであって、因子どうしの相互関係を広く探るのは相関研究・観察研究(コホート・横断研究)の役割でRCTの目的ではない。
「RCTではインフォームドコンセントは不要」は誤り → 人を対象とする研究では説明と同意(インフォームド・コンセント)が原則で、RCTでは必須。介入研究は研究者が治療を割り付ける以上、割り付けの方法・予想される利益と不利益・いつでも同意を撤回できることを説明して文書で同意を得ることが不可欠で、倫理審査委員会の承認も要る。RCT(介入研究)で同意を省けるやり方は存在しない。
限定に注意:「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」では、侵襲も介入も伴わない研究(既存の診療記録・検査値の利用など)に限り、個別の同意に代えて研究内容の情報公開と拒否の機会の保障(オプトアウト)で足りる場合がある。ただしこれは観察研究の話で、割り付けという介入を行うRCTには当てはまらない。だから「RCTではインフォームドコンセントは不要」は消せる。
| RCTをめぐる選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| 観察研究である | 誤 | 研究者が割り付ける介入研究 |
| 交絡因子の影響を小さくできる | 正 | 無作為割り付けで既知・未知の交絡因子が両群に均等に散る |
| インフォームドコンセントは不要 | 誤 | RCTでは必須(割り付けを行う介入研究)。オプトアウトが認められるのは非侵襲・非介入の観察研究だけでRCTは対象外 |
| 因子間の相互関係を調べるのが目的 | 誤 | 目的は介入の効果の検証。探索は観察・相関研究の役割 |
| 診療録の過去の記録で調査できる | 誤 | それは後ろ向き研究(観察)。RCTは前向きに介入する |
検査の精度は2×2表(四分表)を書けば迷わない。縦=実際の疾患の有無、横=検査結果。
| 疾患あり | 疾患なし | |
|---|---|---|
| 検査陽性 | a 真陽性 | b 偽陽性 |
| 検査陰性 | c 偽陰性 | d 真陰性 |
| 指標 | 前提(分母) | 式 | 言い回し |
|---|---|---|---|
| 感度(sensitivity)=真陽性率 | 疾患ありの人 | a/(a+c) | 「実際の患者が検査で陽性となる確率」 |
| 特異度(specificity)=真陰性率 | 疾患なしの人 | d/(b+d) | 「患者でない者が検査で陰性となる確率」 |
| 陽性的中率(陽性予測値) | 検査陽性の人 | a/(a+b) | 「検査が陽性だった場合に実際に患者である確率」 |
| 陰性的中率(陰性予測値) | 検査陰性の人 | d/(c+d) | 「検査が陰性だった場合に実際に患者でない確率」 |
数値を並べて「感度は○%」と問う型では、数値の取り違えが誤答肢になる。定義の文と数値の両方が合っているかを肢ごとに確かめる(定義は感度なのに数値が陽性的中率、など)。
感度の高い検査で陰性なら除外に使える(SnNout)、特異度の高い検査で陽性なら確定に使える(SpPin)。
| 指標 | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| 陽性尤度比(LR+) | 感度÷(1−特異度) | 疾患ありの人が陽性になる確率 ÷ 疾患なしの人が陽性になる確率(=真陽性率÷偽陽性率) |
| 陰性尤度比(LR−) | (1−感度)÷特異度 | 疾患ありの人が陰性になる確率 ÷ 疾患なしの人が陰性になる確率 |
計算は①2×2表を埋める → ②感度・特異度を縦で出す → ③式に代入の順。文章題では「全体−疾患あり=疾患なし」「疾患なし−真陰性=偽陽性」と引き算で空欄を埋める。
数値例(自作):疾患あり100人のうち検査陽性90人、疾患なし200人のうち検査陰性150人。
感度=90/100=0.9、特異度=150/200=0.75
LR+=0.9÷(1−0.75)=0.9÷0.25=3.6/LR−=(1−0.9)÷0.75=0.1÷0.75≒0.13
| 陽性尤度比をめぐる選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| 「感度÷(1−特異度)」で計算できる | 正 | 定義そのもの |
| 検査的中率と同義である | 誤 | 的中率は検査結果を前提にした割合。尤度比は確率の比 |
| 陰性尤度比と足すと1になる | 誤 | 和が1になる関係はない(1になるのは「感度+偽陰性率」など同じ群の中の割合どうし) |
| 値が小さいほど臨床導入の妥当性が高い | 誤 | LR+は大きいほど有用 |
| 実際の該当者のうち検査で陽性となる割合 | 誤 | それは感度の定義 |
計算問題の誤答肢は途中の値(感度そのもの・特異度そのもの・1−特異度)が並ぶ。割り算を最後までやったかを確かめる。
| デザイン | 時間の向き | やること | 出す指標 |
|---|---|---|---|
| 横断研究 | 一時点 | ある時点の状態を一度に調べる | 有病率。因果の向きは言えない |
| 症例対照研究(ケースコントロール研究) | 後ろ向き(縦断) | 疾患あり群・なし群で過去の曝露をさかのぼって比べる | オッズ比 |
| コホート研究 | 前向き(縦断) | 要因の有無で分けた集団を将来へ追跡し、結果の発生を比べる=結果に関連する予測因子を分析する | 相対危険度・罹患率 |
| 介入研究(RCTなど) | 必ず前向き | 研究者が介入を加えて追跡する | — |
| 順 | 段階 | 中身 |
|---|---|---|
| 1 | 問題点の定式化 | 患者の疑問を答えられる形にする。PICO(P患者・I介入・C比較・O結果)で整理 |
| 2 | 情報収集 | 定式化した疑問で文献データベースを検索 |
| 3 | 批判的吟味 | 研究デザイン・妥当性・結果の臨床的意義を評価 |
| 4 | 適用 | 根拠を患者の価値観・臨床経験・資源と統合して実施 |
| 5 | 検証 | 結果を評価し、ここまでの過程を振り返る |
「最初に行うのは」=問題点の定式化。疑問が定まらないと検索(情報収集)ができない、と順番の理由で覚える。EBPTは根拠だけで決めるものではなく、最良の根拠・臨床技能・患者の価値観の3つを統合する。