| 収縮様式 | 関節運動 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 等尺性 | なし | 関節を動かさず張力を出す。術直後・炎症期・ギプス固定中でも可。怒責による血圧上昇に注意 |
| 等張性 | あり(負荷一定) | 求心性・遠心性。日常動作に近い。漸増抵抗運動=10RMの1/2→3/4→10RMを各10回 |
| 等速性 | あり(速度一定) | 専用機器が必要。全可動域で最大抵抗をかけられる |
| 分類 | 代表的な手段 | 主な生理作用・目的 |
|---|---|---|
| 表在温熱 | ホットパック・パラフィン浴・赤外線 | 深達1cm程度。血流増加・疼痛緩和・筋緊張と軟部組織伸張性の改善 |
| 深部温熱 | 超音波・極超短波(マイクロ波)・短波 | 深部組織の加温。超音波は1MHzで深部、3MHzで表在 |
| 寒冷 | アイスパック・アイシング・アイスマッサージ | 急性期の炎症・腫脹・疼痛の抑制、代謝低下、痙縮の一時的軽減 |
| 水治 | 渦流浴・交代浴・全身浴 | 交代浴は温冷を交互に行い、血管運動の調整と浮腫の軽減 |
| 電気刺激 | TENS/NMES(EMS)・干渉波 | TENSは疼痛緩和、NMESは筋収縮の促通・筋力増強・痙縮管理 |
| 牽引 | 頸椎牽引・腰椎牽引 | 椎間孔の拡大・神経根の除圧 |
物理療法は「その場の症状を和らげる補助手段」。機能を作るのは運動療法という位置づけがガイドラインでも一貫している。
多発性硬化症(MS)=温熱療法は禁忌。体温が上がると脱髄部の神経伝導が障害され、症状が一時的に悪化する(ウートフ現象)。ホットパック・温浴・サウナ・高温環境は避ける。寛解期でも同じで、体温管理は常に必要。
逆にMSで実施してよいのは、他動的関節可動域運動/中等度強度の有酸素運動/低強度の筋力増強運動/電気刺激療法。これらは禁忌ではない。
「がん患者に温熱は一律禁忌」は誤り → 正しくは腫瘍の直上を避けるのであって、二次的な筋緊張や疼痛の緩和に用いることはある。
| 水の物理的特性 | 生理的な作用 |
|---|---|
| 浮力 | アルキメデスの原理により体重が免荷され、関節への負荷が減って可動範囲が広がる。水位が高いほど免荷率が大きい |
| 静水圧 | 深いほど大きい。静脈還流を促進し浮腫を軽減。胸郭を圧迫するため呼吸筋の負荷は増える |
| 抵抗(粘性) | 動かす速度が速いほど大きい。筋力増強と動作制御の練習になる |
| 熱伝導率 | 空気よりはるかに高く熱が移動しやすい。水温の影響が大きく、温水では温熱効果が得られる |
| 屈折 | 生理的作用に影響しない。水面での光の曲がりは見え方が変わるだけの光学現象 |
水中運動の四大特性=水圧・浮力・抵抗・熱伝導率(温度)。ここに屈折が混ざったら誤り、と即断できるようにする。
| 主たる目的(5つ) | 具体例 |
|---|---|
| 機能の補助・代償 | 下垂足に短下肢装具を用いて遊脚期のつま先の引っかかりを防ぐ |
| 局所の免荷 | 骨折後・炎症部位・骨転移部位の荷重を減らし治癒を助ける |
| 疼痛の軽減 | 関節の安定化・不動化により痛みを抑える |
| 変形の矯正・予防 | 成長期の進行性変形を抑える |
| 関節の保護・支持 | 不安定な関節を外部から支える |
筋力の強化は装具療法の目的ではない → 正しくは、装具は今ある筋力で機能を成り立たせる道具であり、筋力を増やすには抵抗運動などの能動的な運動療法が要る。
| 補正 | 作用・適応 |
|---|---|
| メタタルザルパッド(中足骨パッド) | 中足骨頭のやや近位を持ち上げ、中足骨頭部を直接除圧する。関節リウマチの槌指・開張足・Morton病による中足骨頭部痛の第一選択 |
| ロッカーバー/中足骨バー | 前足部の転がりを助け、MTP関節への荷重を減らす |
| 外側フレアヒール | 踵の外側を張り出し、距骨下関節の内反(回外)を制動する |
| 内側フレアヒール | 踵の内側を張り出し、外反(回内)=扁平足を制動する |
| Thomasヒール | ヒール内側前縁を前方に延長。内側縦アーチを支え外反扁平足に用いる |
| 逆Thomasヒール | ヒール外側前縁を前方に延長。内反(回外)足に用いる |
| 踵補高 | 脚長差の補正、下腿三頭筋短縮・尖足による背屈制限の代償 |
足部装具の原則は「痛い場所を直接除圧する」。フレアヒール・Thomasヒール類は後足部の内外反を制御するもので、前足部(中足骨頭部)の痛みには効かない。踵補高も脚長・背屈の話であって中足骨頭部とは無関係。
| 推奨度 | 介入 |
|---|---|
| 高い | 筋力増強運動(大腿四頭筋中心)、有酸素運動、協調運動、減量療法、患者教育 |
| 低い | ホットパックなどの物理療法(温熱)=エビデンスが限られ補助的 |
理学療法診療ガイドラインの大枠は「運動療法と減量が王道、物理療法は補助」。推奨度が最も低いものを選ぶ設問では、選択肢の中の物理療法を選べばよい。
| ステージ | 特徴 | 理学療法 |
|---|---|---|
| Ⅰ(急性期) | 疼痛・腫脹・血管運動障害(発赤・発汗) | 疼痛の範囲内での自己による自動介助運動、交代浴、ホットパック、臥床時の上肢ポジショニング(挙上位) |
| Ⅱ(萎縮期) | 皮膚・筋の萎縮、疼痛はやや軽減 | 関節可動域運動を積極的に進める |
| Ⅲ(萎縮完成期) | 拘縮と可動域制限が固定 | 拘縮の進行予防と残存機能の活用 |
ステージⅠに強い他動的伸張運動は不適切(疼痛・炎症が増悪する)。急性期でも温熱や交代浴、ポジショニング、痛みの範囲内の自動介助運動は適切。この振り分けが最頻出のひっかけ。
肺癌では呼吸介助が禁忌は誤り → 呼吸介助・排痰援助は症状緩和に有用で、一律に禁忌ではない。
病名告知が理学療法の前提は誤り → 告知の有無にかかわらず、本人の意向と状態に合わせて支援する。
問題指向型医療記録(POMR)は、基礎データ → 問題リスト → 初期計画 → 経過記録(SOAP)→ 要約、で構成される。
| 欄 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| S(主観) | 患者・家族の訴え | 「左足に力が入らない」 |
| O(客観) | 検査・観察で得た事実そのもの | Brunnstrom法ステージ下肢Ⅲ/左下肢の筋緊張が低下している/荷重で膝折れが生じる |
| A(評価) | Oを解釈・統合し、問題の原因を考察したもの | 筋緊張低下により体重支持力が低下している |
| P(計画) | これから行う介入 | 筋力増強練習を行う/長下肢装具を用いて立位練習を行う |
Aの見分け方=「○○により△△が生じている」という因果・解釈を含むかどうか。事実の羅列だけならO、「〜を行う」で終わればPと判断する。