📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:神経系はSTの臨床の中枢です。
大脳皮質の言語野は
高次脳機能障害、
脳神経・脊髄・末梢神経と運動単位は
運動障害性構音障害、神経の全体像は
神経系ノートに直結します。この章では過去問頻出の
①大脳皮質と脳幹 ②中枢神経系の発生 ③脊髄神経・脳神経の数 ④グリアと髄鞘・神経伝導 ⑤運動単位を、引っかけ選択肢を軸に整理します。
1-1 中枢神経系の区分と大脳皮質
中枢神経系は大脳・間脳・脳幹(中脳・橋・延髄)・小脳・脊髄に分けます。「その機能中枢がどこにあるか」がよく問われ、とくに生命維持の中枢は脳幹(延髄)にあることが重要です。
| 場所 | おもな中枢・領域 |
| 大脳皮質 | 一次運動野・補足運動野・体性感覚野・聴覚野・視覚野、ブローカ中枢(運動性言語)・ウェルニッケ中枢(感覚性言語)、両者を結ぶ弓状束 |
| 脳幹(延髄) | 呼吸中枢・循環(心臓・血管運動)中枢・嚥下中枢・嘔吐中枢など生命維持の中枢 |
| 間脳(視床・視床下部) | 感覚の中継(視床)・自律機能/体温/内分泌(視床下部) |
「大脳半球にないのはどれか」=呼吸中枢:補足運動野・ウェルニッケ中枢・聴覚野・弓状束はすべて大脳(皮質・皮質下)にある。一方呼吸中枢は延髄(脳幹)にあり大脳半球にはない。「生命維持の自動調節は脳幹」と覚えると、この手の問題は即答できる。
1-2 中枢神経系の発生(神経管)
神経系は外胚葉由来です。発生初期に神経板→神経溝→神経管が形成され、これが脳と脊髄になります。数字と方向性が問われます。
- 神経管の形成は胎生4週ごろに始まる。
- 神経溝が閉じて神経管になるとき、癒合は中央(頸部付近)から始まり、頭側・尾側の両方向へ進む(頭側の閉鎖が先行)。
- 神経管の頭側がふくらんで脳(前脳・中脳・菱脳)に、尾側のおよそ3分の1が脊髄に発達する。
- 正常な大脳皮質は6層構造をとる。
誤りは「神経管の癒合は尾部から開始される」:癒合は尾部からではなく中央〜頭側から始まるのが正しい。尾側の閉鎖不全は二分脊髄、頭側の閉鎖不全は無脳症につながる(葉酸不足がリスク)。「4週・6層・尾側1/3が脊髄」はそのまま正しい選択肢として出る。
1-3 脊髄・脊髄神経・脳神経の構成
末梢神経は脳神経12対と脊髄神経31対です。この「対の数」は暗記必須で、頸神経の数がよく引っかけになります。
| 脊髄神経 | 対の数 |
| 頸神経 | 8対(頸椎は7個だが神経は8対=ここが引っかけ) |
| 胸神経 | 12対 |
| 腰神経 | 5対 |
| 仙骨神経 | 5対 |
| 尾骨神経 | 1対 |
| 合計 | 31対 |
「頸神経は7対」は誤り=正しくは8対:脊髄神経の数を問う問題(26-3)でも、「頸神経7対」を誤りとして選ぶ。頸椎7個に対して頸神経は8対(第1頸神経は後頭骨と第1頸椎の間から出る)。胸12・腰5・仙骨5・尾骨1はそのまま正しい。
末梢の運動・感覚と自律神経
18-102で問われる周辺知識:脳神経は12対、運動を出す前角細胞(運動ニューロンの細胞体)は脊髄(前角)にある、舌の後方1/3の知覚・味覚は舌咽神経(第Ⅸ脳神経)が担う。自律神経では交感神経の興奮で心拍数は増加する(副交感=迷走神経は減少)。これらは正しい選択肢で、誤りは前述の「頸髄7対」。
1-4 ニューロンとグリア・髄鞘・神経伝導
グリア(神経膠細胞)と髄鞘
| 細胞 | はたらき |
| 乏突起膠細胞(オリゴデンドロサイト) | 中枢神経で髄鞘をつくる |
| シュワン細胞 | 末梢神経で髄鞘をつくる |
| 星状膠細胞(アストロサイト) | 神経細胞の支持・血液脳関門・物質代謝 |
| 小膠細胞(ミクログリア) | 中枢の免疫・貪食 |
| 上衣細胞 | 脳室・中心管の内面を覆う |
「髄鞘を作るのはどれか」=乏突起膠細胞:中枢神経の髄鞘は乏突起膠細胞、末梢神経の髄鞘はシュワン細胞がつくる。上衣細胞・アストロサイト・ミクログリア・くも膜細胞は髄鞘をつくらない。「中枢=オリゴ/末梢=シュワン」で対にして覚える。
神経伝導の性質
末梢神経の伝導(正しい記述):髄鞘はシュワン細胞が形成し、跳躍伝導で伝導が速くなる。静止膜電位は負(マイナス)、軸索の直径が大きいほど伝導速度は速い、活動電位は全か無か(all or none)の法則に従う。
誤りは「体温が低下すると神経伝導速度は増加する」:正しくは体温が下がると神経伝導速度は低下(遅く)する。温度低下は伝導を遅くする——「冷やすと速くなる」は誤り。神経伝導検査で四肢を温めるのはこのため。
1-5 運動単位
運動単位=1個の運動ニューロン+その支配筋線維:運動単位は1個の下位運動ニューロン(脊髄前角細胞)とその軸索・神経筋接合部・支配するすべての筋線維のまとまり。ここに含まれるのは脊髄前角細胞・軸索・神経筋接合部・筋線維。
運動単位に含まれない=脊髄神経節:脊髄神経節(後根神経節)は感覚性ニューロンの細胞体が集まる場所で、運動単位(=運動系)には含まれない。「運動=前角/感覚=後根神経節」という前根・後根の役割分担がそのまま答えになる。