この章のねらい:児童期・青年期は各理論の発達段階が集中して問われる範囲です。「児童期=ピアジェ具体的操作期・エリクソン勤勉性・フロイト潜伏期」という三点セットと、青年期のアイデンティティ(マーシャの4地位)が二大テーマ。STにとっては、学齢期の言語・学習支援(読み書き・語用論)や、思春期・青年期の障害受容・自己意識への配慮につながります。仲間関係(ギャング/チャム/ピア)の順序も頻出です。
4-1 児童期(学童期)の発達 ― 具体的操作・勤勉性・潜伏期
児童期(およそ6〜11歳)は各理論で次のように位置づきます。この三点セットが土台です。
| 理論 | 児童期の位置づけ |
| ピアジェ | 具体的操作期(保存・可逆的思考・具体物の論理的思考) |
| エリクソン | 勤勉性 対 劣等感 |
| フロイト | 潜伏期(性的関心が潜伏) |
児童期に初めて現れるもの
- メタ認知(自分の思考を客観視する力)が発達。
- 二次的ことば(文脈に依存しない書きことば的な言語)が発達。
- 二次的心の理論(「AはBがCと思っていると考える」という入れ子の心的状態の推論)が可能に。
- ギャング集団(ギャングエイジ)=同性・同年代で結束する閉鎖的仲間集団が児童期後半に出現。
- コンピテンス(有能感)の低下=自己評価が現実的になることで生じやすくなる。
- 多面的な自己認知をするようになる。
児童期の特徴でないもの:並行遊び(幼児期前半。児童期はルールを共有する協同遊び)/二項関係コミュニケーション(乳児期前半)/前操作期(幼児期。児童期は具体的操作期)/向社会的行動(幼児期からみられ、児童期に初めて現れるものではない)/役割実験(青年期)。
「ギャング集団 ― 児童期」は正しい組合せ(チャム集団は前思春期・親密性は成人前期・早期完了と停滞は別段階)。
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この章の続きで扱う内容
- 4-2 青年期の発達 ― 形式的操作・アイデンティティ・心理的離乳
- 4-3 マーシャの自我同一性地位 ― 危機と傾倒の2軸