エリクソンの発達段階では、成人期(壮年期)の課題は生殖性(世代継承性・ジェネラティビティ)対 停滞です。次世代を育て社会に貢献することで達成され、滞ると自己への停滞・自己耽溺に陥ります。
成人期に生じにくいもの=モラトリアム(青年期に特有の心理社会的猶予)。
中年期に出現しないもの=統合性の獲得(「統合 対 絶望」は老年期の課題)。
成人期の課題(生殖性)と老年期の課題(統合)を段階でずらすひっかけに注意。
老年期の課題は統合(自我の統合)対 絶望(エリクソン)。老年期は資源が制約されますが、適応的な発達が可能という視点が重要です。
バルテス(Baltes, P.B.)のSOC理論は、加齢で資源が制約される老年期にも、目標を絞り(選択:Selection)・残る力を活かし(最適化:Optimization)・不足を補う手段を用いる(補償:Compensation)ことで、補償を伴う選択的最適化によって発達が促されるとする理論です。
| 用語 | 性質 |
|---|---|
| SOC理論 | バルテスの発達理論(選択・最適化・補償) |
| サクセスフル・エイジング | 良い老いを指す一般概念(特定の理論名ではない) |
| プロダクティブ・エイジング | 生産的役割を担う老い方の概念 |
| 離脱理論/活動理論 | 老年期適応の古典理論 |
「回想は現実逃避でうつを促進する」「受け入れより解消しようとする傾向が強い」はいずれも誤り。
「エリクソンの老年期の課題は生産的な活動」→誤り(老年期は統合 対 絶望。生産性=生殖性は成人期の課題)。
キャッテル(Cattell, R.B.)は知能を2つに分けました。加齢変化の違いが頻出です。
| 知能 | 内容 | 加齢変化 |
|---|---|---|
| 流動性知能 | 新奇場面での推論・処理速度 | 比較的早い時期にピーク→低下 |
| 結晶性知能 | 経験・学習で蓄積された知識・語彙 | 中高年まで維持・上昇 |
知能のピーク(第28回では複数正答扱い):流動性知能のピークは40歳代前半、結晶性知能のピークは40歳代後半とされ、選択肢1・3がともに正答とされた。「流動性知能は70歳くらいまで緩やかに低下」「結晶性知能は50歳頃から急速に低下」は誤り。「SOC理論で結晶性知能の低下を流動性知能が補償する」も誤り(SOCは資源配分の方略の理論)。
キューブラー・ロス(Kübler-Ross, E.)は、死にゆく人が示す心理過程を5段階として記述しました。順序は必ずしも一方向でなく行き来しうる点も補足されます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ①否認 | 事実を受け入れられず否定する |
| ②怒り | 「なぜ自分が」という怒りが周囲に向く |
| ③取引 | 延命などと引き換えに何かをしようとする |
| ④抑うつ | 避けられないと悟り気分が落ち込む |
| ⑤受容 | 心の平安をもって死を静かに受け入れる |
5段階に含まれないもの=回想(バトラーのライフレビューなど別概念)。
「キューブラー・ロス ― カンガルーケア」は誤り(カンガルーケアは新生児の早期母子接触。キューブラー・ロスは死の受容過程)。