第3章|統語論・語用論・社会言語学

頻出テーマ/難易度 ★★★★☆

3-1 格と格助詞

助詞意味役割
ガ格動作主・対象
ヲ格対象・経路
ニ格着点・受け手・時
デ格手段・場所
カラ格から起点
ヘ格方向
「格関係を表さないのは→も(イギリスも島国だ)」→ とりたて助詞(第16回)
「ヲ格を要求する2項述語→渡る(橋を渡る)」(第15回:経路のヲ)

ヲ格→ガ格への交替

ヲ格がガ格に変わるのは:
希望(タイ形):「リンゴ食べたい」
可能形:「英語話せる」
※経路のヲは変化しない
(第26回:正答a,b)

3-2 述語のタイプ

タイプ要求する項
1項述語主語のみ歩く・泣く・眠る
2項述語主語+目的語/補語食べる・詳しい・好きだ
3項述語主語+目的語+補語渡す・あげる・教える
「2項の形容詞述語として用いられないのは→遅い」(第18回:「太郎が遅い」のみ=1項)
3項述語の例:「AがBにフランス語を教えた」「AがBに本をあげた」(第23回:正答c,d)
「3項述語として用いられないのは→超える」(第17回:2項=AがBを超える)

3-3 ヴォイス(受け身)

種類特徴
直接受け身主語が動作を直接受ける花子は先生にほめられた
間接受け身主語が不利益を被る子どもに泣かれた
持ち主受け身所有物が動作を受ける太郎は友達に足を踏まれた
「間接受け身は→子どもに泣かれた」(第27回)
※主語が子どもに泣かれた行為で迷惑を被る(迷惑受け身)

3-4 アスペクト「ている」の用法

用法
動作の継続男の人が笑っている
結果の状態窓が閉まっている・壊れている・服を着ている
経験・反復毎日運動している・既に卒業している
「部屋の照明が消えています」「女の人が赤い服を着ています」→ 結果の状態
「そのおもちゃは壊れている」→ 結果の状態
「男の人が笑っています」→ 動作の継続

述語形態素の連続順序(第16回)

正しい順序:アスペクト → テンス → モダリティ

モダリティ

認識モダリティ形式と共起する副詞
「恐らく」「きっと」「おそらく」
「困ったことに」「僭越ながら」→ 評価的モダリティ(第15回)

3-5 連体節・従属節

種類内容
内の関係主要部が従属節内の格関係を持つ昨日見た映画(映画を見た)
外の関係主要部が従属節内に格関係を持たない海で泳いでいる写真
「外の関係の連体修飾節→海で泳いでいる写真」(第20回)
※写真が泳いでいるわけではない

非制限的連体節(第19回)

「中国から参りました李と申します」→ 非制限的(後付け補足情報)
制限的=主要部の指示範囲を限定/非制限的=補足情報の付加

条件節・従属節(第22回)

条件節かつ従属節:「雨が降ったら」「春になれば」(d,e)

3-6 直示表現(ダイクシス)

発話の文脈(話者・場所・時間)に依存する表現。

直示の種類: 人称直示 :私・あなた 場所直示 :こっち・そっち 時間直示 :今日・昨日 方向直示 :行く・来る
「直示表現でないのは→好き・嫌い」(第15回:場所や人称に依存しない)
「直示表現を含まないのは→青春、それははかなく短い」(第24回)

3-7 語の意味関係

種類
上位語・下位語は虫類(上位)→ 蛇(下位)
同義語かたつむり・でんでんむし
反義語大きい・小さい
多義語頭(体の部位・リーダー)
「上位語と下位語の関係→は虫類・蛇」(第21回)

3-8 換喩・提喩

比喩定義
換喩(メトニミー)隣接・関連による代替「この有田は貴重」(有田焼=磁器)
提喩(シネクドキ)部分で全体・全体で部分「ご飯=食事全般」「今日は鍋だ」
比喩を用いていない例:
「これは鉄製の鍋だ」「このご飯はよく炊けている」→ 文字通りの意味

3-9 社会言語学

種類内容
地域方言地域による言語変異めんこい・おおきに・しばれる
社会方言社会集団(職業・世代)による変異しゃり(寿司屋)・オペ(医療)
「社会方言の例→しゃり・オペ(c,d)」(第25回)
「テンションがあがる」は意味拡張→普及前は社会方言(若年層)、地域方言ではない(第27回)

コード切り替え(第22回)

異なる言語・方言・スタイルの切り替え現象。
社会言語学的な説明でないのは→「異化(美学・文学の概念)」(第22回)

3-10 同音異義語・ミニマルペア

「同音異義語→群れる・蒸れる」(第17回)
※どちらも[mureru]→音が全く同じで意味が異なる

引っかけ対策:まとめて覚える

問われやすいパターン正しい答え出典
格関係を表さない助詞「も」(とりたて助詞)第16回
2項の形容詞述語として用いられない「遅い」(1項)第18回
3項述語として用いられない「超える」(2項)第17回
間接受け身の例「子どもに泣かれた」第27回
「結果の状態」を表す「ている」窓が閉まっている・服を着ている頻出
外の関係の連体修飾節海で泳いでいる写真第20回
直示表現でないもの「好き・嫌い」第15回
社会方言の例しゃり・オペ(職業語)第25回

確認問題

Q1. ヲ格がガ格に変化するのはどのような場合か。具体例を2つ挙げよ。
Q2. 「3項述語」とは何か。「あげる」を使って例文を作れ。
Q3. 「子どもに泣かれた」は直接受け身か間接受け身か。理由も述べよ。
Q4. アスペクト「ている」の「動作の継続」と「結果の状態」を例文で区別せよ。
Q5. 換喩(メトニミー)と提喩(シネクドキ)の違いを説明し、各1例を挙げよ。
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