3-1 格と格助詞
| 格 | 助詞 | 意味役割 |
| ガ格 | が | 動作主・対象 |
| ヲ格 | を | 対象・経路 |
| ニ格 | に | 着点・受け手・時 |
| デ格 | で | 手段・場所 |
| カラ格 | から | 起点 |
| ヘ格 | へ | 方向 |
「格関係を表さないのは→も(イギリスも島国だ)」→ とりたて助詞(第16回)
「ヲ格を要求する2項述語→渡る(橋を渡る)」(第15回:経路のヲ)
ヲ格→ガ格への交替
ヲ格がガ格に変わるのは:
・希望(タイ形):「リンゴが食べたい」
・可能形:「英語が話せる」
※経路のヲは変化しない
(第26回:正答a,b)
3-2 述語のタイプ
| タイプ | 要求する項 | 例 |
| 1項述語 | 主語のみ | 歩く・泣く・眠る |
| 2項述語 | 主語+目的語/補語 | 食べる・詳しい・好きだ |
| 3項述語 | 主語+目的語+補語 | 渡す・あげる・教える |
「2項の形容詞述語として用いられないのは→遅い」(第18回:「太郎が遅い」のみ=1項)
3項述語の例:「AがBにフランス語を教えた」「AがBに本をあげた」(第23回:正答c,d)
「3項述語として用いられないのは→超える」(第17回:2項=AがBを超える)
3-3 ヴォイス(受け身)
| 種類 | 特徴 | 例 |
| 直接受け身 | 主語が動作を直接受ける | 花子は先生にほめられた |
| 間接受け身 | 主語が不利益を被る | 子どもに泣かれた |
| 持ち主受け身 | 所有物が動作を受ける | 太郎は友達に足を踏まれた |
「間接受け身は→子どもに泣かれた」(第27回)
※主語が子どもに泣かれた行為で迷惑を被る(迷惑受け身)
3-4 アスペクト「ている」の用法
| 用法 | 例 |
| 動作の継続 | 男の人が笑っている |
| 結果の状態 | 窓が閉まっている・壊れている・服を着ている |
| 経験・反復 | 毎日運動している・既に卒業している |
「部屋の照明が消えています」「女の人が赤い服を着ています」→ 結果の状態
「そのおもちゃは壊れている」→ 結果の状態
「男の人が笑っています」→ 動作の継続
述語形態素の連続順序(第16回)
正しい順序:アスペクト → テンス → モダリティ
モダリティ
認識モダリティ形式と共起する副詞
「恐らく」「きっと」「おそらく」
「困ったことに」「僭越ながら」→ 評価的モダリティ(第15回)
3-5 連体節・従属節
| 種類 | 内容 | 例 |
| 内の関係 | 主要部が従属節内の格関係を持つ | 昨日見た映画(映画を見た) |
| 外の関係 | 主要部が従属節内に格関係を持たない | 海で泳いでいる写真 |
「外の関係の連体修飾節→海で泳いでいる写真」(第20回)
※写真が泳いでいるわけではない
非制限的連体節(第19回)
「中国から参りました李と申します」→ 非制限的(後付け補足情報)
制限的=主要部の指示範囲を限定/非制限的=補足情報の付加
条件節・従属節(第22回)
条件節かつ従属節:「雨が降ったら」「春になれば」(d,e)
3-6 直示表現(ダイクシス)
発話の文脈(話者・場所・時間)に依存する表現。
直示の種類:
人称直示 :私・あなた
場所直示 :こっち・そっち
時間直示 :今日・昨日
方向直示 :行く・来る
「直示表現でないのは→好き・嫌い」(第15回:場所や人称に依存しない)
「直示表現を含まないのは→青春、それははかなく短い」(第24回)
3-7 語の意味関係
| 種類 | 例 |
| 上位語・下位語 | は虫類(上位)→ 蛇(下位) |
| 同義語 | かたつむり・でんでんむし |
| 反義語 | 大きい・小さい |
| 多義語 | 頭(体の部位・リーダー) |
「上位語と下位語の関係→は虫類・蛇」(第21回)
3-8 換喩・提喩
| 比喩 | 定義 | 例 |
| 換喩(メトニミー) | 隣接・関連による代替 | 「この有田は貴重」(有田焼=磁器) |
| 提喩(シネクドキ) | 部分で全体・全体で部分 | 「ご飯=食事全般」「今日は鍋だ」 |
比喩を用いていない例:
「これは鉄製の鍋だ」「このご飯はよく炊けている」→ 文字通りの意味
3-9 社会言語学
| 種類 | 内容 | 例 |
| 地域方言 | 地域による言語変異 | めんこい・おおきに・しばれる |
| 社会方言 | 社会集団(職業・世代)による変異 | しゃり(寿司屋)・オペ(医療) |
「社会方言の例→しゃり・オペ(c,d)」(第25回)
「テンションがあがる」は意味拡張→普及前は社会方言(若年層)、地域方言ではない(第27回)
コード切り替え(第22回)
異なる言語・方言・スタイルの切り替え現象。
社会言語学的な説明でないのは→「異化(美学・文学の概念)」(第22回)
3-10 同音異義語・ミニマルペア
「同音異義語→群れる・蒸れる」(第17回)
※どちらも[mureru]→音が全く同じで意味が異なる
引っかけ対策:まとめて覚える
| 問われやすいパターン | 正しい答え | 出典 |
| 格関係を表さない助詞 | 「も」(とりたて助詞) | 第16回 |
| 2項の形容詞述語として用いられない | 「遅い」(1項) | 第18回 |
| 3項述語として用いられない | 「超える」(2項) | 第17回 |
| 間接受け身の例 | 「子どもに泣かれた」 | 第27回 |
| 「結果の状態」を表す「ている」 | 窓が閉まっている・服を着ている | 頻出 |
| 外の関係の連体修飾節 | 海で泳いでいる写真 | 第20回 |
| 直示表現でないもの | 「好き・嫌い」 | 第15回 |
| 社会方言の例 | しゃり・オペ(職業語) | 第25回 |
確認問題
Q1. ヲ格がガ格に変化するのはどのような場合か。具体例を2つ挙げよ。
Q2. 「3項述語」とは何か。「あげる」を使って例文を作れ。
Q3. 「子どもに泣かれた」は直接受け身か間接受け身か。理由も述べよ。
Q4. アスペクト「ている」の「動作の継続」と「結果の状態」を例文で区別せよ。
Q5. 換喩(メトニミー)と提喩(シネクドキ)の違いを説明し、各1例を挙げよ。
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