第3章|失認

対応過去問 14問 / 難易度 ★★★★☆

視覚性失認

分類特徴
統覚型視覚失認視力はあるが形態の統合ができない;模写に時間がかかるが不完全;絵の描写不可
連合型視覚失認形態知覚は可能だが意味への接続ができない;模写は可能;カテゴリー分類は可能
視覚性失語視覚→意味の接続は保たれるが語へのアクセスが障害;カテゴリー分類は可能;道具使用保たれる

視覚性失語では物品のカテゴリー分類が困難は誤り。カテゴリー分類(意味理解)は保たれる。見ても名前が言えないが触れると名前が言える場合は視覚性失語。見ても触れても言えない場合は健忘性失語。

相貌失認

  • 人の顔の再認ができない
  • 声を聞けば誰か分かる(聴覚的同定は保たれる)
  • 人の顔であることはわかる(目・口などの部分の認識は保たれる)
  • 動物の顔と人間の顔の区別はできる
  • 責任病巣:紡錘状回(側頭・後頭葉、両側性が多い);右半球損傷例が多い
  • 左同名半盲(左視野欠損)を合併しやすい

街並失認・道順障害・地誌的失見当

症状内容責任病巣
街並失認熟知した建物・風景を見ても同定できない;家を家として認識できる;相貌失認を合併しやすい海馬傍回・紡錘状回(右)
道順障害道順を覚えられない・迷う;熟知した建物の外観想起は保たれる右頭頂・後頭葉
地誌的失見当街並失認+道順障害の総称右後頭・頭頂葉

道順障害では熟知した建物の外観の想起が障害されるは誤り。外観の識別・想起は保たれる。

半側空間無視

  • 右半球損傷による左無視が多く、重症になりやすい
  • 視覚だけでなく聴覚・体性感覚刺激に対しても生じる
  • 病識の欠如・乏しさを伴うことが多い;皮質下病巣でも出現する
  • 空間性失書・失読を生じることがある

左半側空間無視=左手の麻痺を否定するは誤り。麻痺の否定は病態失認(半側身体失認)であり、左無視とは別概念。

半側空間無視の検査と訓練

検査:線分二等分試験(用紙は患者の正中に置く;10cm以上の直線を使用);抹消試験・模写課題

訓練プリズム順応が有効;視覚的探索訓練

訓練では右側を強調した刺激を用いるは不適切(左側への注意を促す必要がある)。

色彩失認・アントン症候群・触覚性失認

  • 大脳性色覚障害(色彩失認):一側病巣の場合、反対側の視野のみに症状が生じる
  • 皮質盲:後頭葉損傷による視覚の消失
  • アントン症候群:皮質盲にもかかわらず盲を否認する症状
  • 触れても物品の名前が言えない → 触覚性失認
  • 見ても触れても名前が言えない → 健忘性失語