第2章|医療安全・医療制度

対応過去問 4問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:医療安全はSTの日々の業務そのものです。職種ごとの業務範囲(STは何をして・何をしないか)は言語聴覚障害総論の制度・チーム医療、インシデント報告と誤嚥のリスク管理嚥下障害の安全な評価・訓練に直結します。この章では過去問頻出の①職種の業務範囲 ②インシデントレポート ③トリアージ ④臨床検査・画像を、引っかけ選択肢を軸に整理します。

2-1 医療専門職の業務範囲

リハビリテーションの処方・指示は医師の専権事項で、PT・OT・STは医師の指示のもとで治療を実施します。各職種の「守備範囲」を取り違えさせる組合せが定番です。

行為担う職種
リハビリテーション処方(指示)医師
聴力検査・嚥下訓練言語聴覚士(ST)・医師
義肢・装具の作成義肢装具士
気管カニューレ交換医師・看護師(医行為)
嚥下内視鏡検査医師(歯科医師)
正しい組合せは「医師 ― リハビリテーション処方」:処方・指示は医師が行い、療法士は指示下で実施する。「理学療法士=聴力検査」「作業療法士=義足作成」「言語聴覚士=気管カニューレ交換」「看護師=嚥下内視鏡検査」はいずれも職種の取り違え。聴力検査・嚥下内視鏡は医師やSTの領域、義肢装具は義肢装具士、カニューレ交換は医師・看護師。

2-2 医療安全とインシデントレポート

インシデントレポートは、医療事故やヒヤリ・ハットを共有して再発を防ぐための仕組みです。個人の責任追及が目的ではありません

用語意味
インシデント(ヒヤリ・ハット)被害に至らなかった事例。健康被害がなくても過失があれば提出
アクシデント実際に被害が生じた事例
報告しやすい文化が安全につながる:報告は多職種で共有し組織的に対策する。非懲罰的に多数報告される(提出数が多い)ことが望ましい。目的は再発防止とシステム改善。
誤りの定番:「情報共有は同一職種内に留める」「提出数が少ないほど質が高い」「責任追及が目的」「医療安全支援センターへの報告義務がある」はすべて誤り。正しいのは「健康被害がなくても過失があれば提出する」。院内での報告・分析が基本で、目的は責任追及ではない。

2-3 災害医療とトリアージ

トリアージは、多数傷病者に対し緊急度・重症度で色分けし、限られた資源を最も効果のある人に配分する手順です。色の優先順位を問われます。

区分優先度
最優先(緊急治療群)最高
待機的治療群
軽症(保留群)
死亡・救命困難群最下位
搬送・救命処置の優先順位が最下位=黒:治療優先度は赤>黄>緑で下がり、黒(死亡・救命困難)が最も低い。白は標準の4色に含まれない。まず歩行可能な者を緑として選別し、残りを呼吸・循環・意識で評価する(START法)。トリアージは状態変化に応じて繰り返し行う動的判断で、区分は再評価で変わりうる。

2-4 臨床検査・画像診断の基礎

検査は「用いる物理的手段」で整理します。とくにエックス線(被曝)を使うかどうかが問われます。

検査用いる手段
頭部CT・脳血管造影・単純エックス線エックス線(放射線)
頭部MRI強い磁場・電磁波(被曝なし)
脳波脳の電気活動
近赤外線分光法(NIRS)近赤外線(脳血流・酸素化)
超音波(エコー)超音波
エックス線を用いるのはCTと脳血管造影:頭部CTはエックス線で断層像を撮り、脳血管造影は造影剤を注入しエックス線透視で血管を描出する。脳波・NIRS・MRIはエックス線を用いない。CTは骨・急性出血の評価に優れ短時間、MRIは軟部組織のコントラストに優れ被曝がない——緊急の出血評価はCT、微細病変や早期脳梗塞はMRI、と使い分ける。