📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:医療安全はSTの日々の業務そのものです。
職種ごとの業務範囲(STは何をして・何をしないか)は
言語聴覚障害総論の制度・チーム医療、
インシデント報告と誤嚥のリスク管理は
嚥下障害の安全な評価・訓練に直結します。この章では過去問頻出の
①職種の業務範囲 ②インシデントレポート ③トリアージ ④臨床検査・画像を、引っかけ選択肢を軸に整理します。
2-1 医療専門職の業務範囲
リハビリテーションの処方・指示は医師の専権事項で、PT・OT・STは医師の指示のもとで治療を実施します。各職種の「守備範囲」を取り違えさせる組合せが定番です。
| 行為 | 担う職種 |
| リハビリテーション処方(指示) | 医師 |
| 聴力検査・嚥下訓練 | 言語聴覚士(ST)・医師 |
| 義肢・装具の作成 | 義肢装具士 |
| 気管カニューレ交換 | 医師・看護師(医行為) |
| 嚥下内視鏡検査 | 医師(歯科医師) |
正しい組合せは「医師 ― リハビリテーション処方」:処方・指示は医師が行い、療法士は指示下で実施する。「理学療法士=聴力検査」「作業療法士=義足作成」「言語聴覚士=気管カニューレ交換」「看護師=嚥下内視鏡検査」はいずれも職種の取り違え。聴力検査・嚥下内視鏡は医師やSTの領域、義肢装具は義肢装具士、カニューレ交換は医師・看護師。
2-2 医療安全とインシデントレポート
インシデントレポートは、医療事故やヒヤリ・ハットを共有して再発を防ぐための仕組みです。個人の責任追及が目的ではありません。
| 用語 | 意味 |
| インシデント(ヒヤリ・ハット) | 被害に至らなかった事例。健康被害がなくても過失があれば提出 |
| アクシデント | 実際に被害が生じた事例 |
報告しやすい文化が安全につながる:報告は多職種で共有し組織的に対策する。非懲罰的に多数報告される(提出数が多い)ことが望ましい。目的は再発防止とシステム改善。
誤りの定番:「情報共有は同一職種内に留める」「提出数が少ないほど質が高い」「責任追及が目的」「医療安全支援センターへの報告義務がある」はすべて誤り。正しいのは「健康被害がなくても過失があれば提出する」。院内での報告・分析が基本で、目的は責任追及ではない。
2-3 災害医療とトリアージ
トリアージは、多数傷病者に対し緊急度・重症度で色分けし、限られた資源を最も効果のある人に配分する手順です。色の優先順位を問われます。
| 色 | 区分 | 優先度 |
| 赤 | 最優先(緊急治療群) | 最高 |
| 黄 | 待機的治療群 | 高 |
| 緑 | 軽症(保留群) | 低 |
| 黒 | 死亡・救命困難群 | 最下位 |
搬送・救命処置の優先順位が最下位=黒:治療優先度は赤>黄>緑で下がり、黒(死亡・救命困難)が最も低い。白は標準の4色に含まれない。まず歩行可能な者を緑として選別し、残りを呼吸・循環・意識で評価する(START法)。トリアージは状態変化に応じて繰り返し行う動的判断で、区分は再評価で変わりうる。
2-4 臨床検査・画像診断の基礎
検査は「用いる物理的手段」で整理します。とくにエックス線(被曝)を使うかどうかが問われます。
| 検査 | 用いる手段 |
| 頭部CT・脳血管造影・単純エックス線 | エックス線(放射線) |
| 頭部MRI | 強い磁場・電磁波(被曝なし) |
| 脳波 | 脳の電気活動 |
| 近赤外線分光法(NIRS) | 近赤外線(脳血流・酸素化) |
| 超音波(エコー) | 超音波 |
エックス線を用いるのはCTと脳血管造影:頭部CTはエックス線で断層像を撮り、脳血管造影は造影剤を注入しエックス線透視で血管を描出する。脳波・NIRS・MRIはエックス線を用いない。CTは骨・急性出血の評価に優れ短時間、MRIは軟部組織のコントラストに優れ被曝がない——緊急の出血評価はCT、微細病変や早期脳梗塞はMRI、と使い分ける。