📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:予防医学の考え方は、STのリハビリそのものを位置づけます。
脳卒中回復期の嚥下リハビリは三次予防——
リハビリテーション医学・
嚥下障害の臨床の意味づけに直結します。また
研究デザイン・エビデンスレベル・信頼性妥当性の考え方は
心理測定法と共通の土台です。この章では過去問頻出の
①予防の3段階 ②人口動態・死因統計 ③研究デザインとエビデンスを、引っかけ選択肢を軸に整理します。
4-1 予防医学の3段階
予防医学は3段階に分かれます。「その対策がどの段階か」がそのまま問われるので、代表例をセットで覚えます。
| 段階 | 目的 | 代表例 |
| 一次予防 | 健康増進・発症予防 | 健康診断・予防接種・健常高齢者の歯科健診 |
| 二次予防 | 早期発見・早期治療 | 早期診断・早期治療・嚥下スクリーニング |
| 三次予防 | 重症化防止・機能回復・社会復帰 | リハビリテーション治療・回復期脳卒中の嚥下リハ |
三次予防の代表はリハビリテーション:すでに発症した疾患の重症化防止・機能回復・再発防止が三次予防。回復期脳卒中患者への嚥下リハビリテーションが典型例。予防接種は一次予防、早期診断・早期治療は二次予防。
「評価・検査」と「リハビリそのもの」を区別する:三次予防の対象と対策の組合せでは、回復期脳卒中患者 ― 嚥下リハビリテーションが正しい。急性期の嚥下スクリーニングや生活期の嚥下内視鏡検査は「評価」であり、機能回復を図る三次予防そのものとは区別する。健常高齢者の歯科健診・要支援高齢者のセルフケア指導は一次〜二次予防。
4-2 人口動態・死因統計
死因の順位は歴史的に変化してきました。戦後の主要死因は脳血管障害から悪性新生物・心疾患へ移り変わっています。
| 指標 | ポイント |
| 死亡率が大きく減少した死因 | 脳血管障害(高血圧管理・治療の進歩で低下) |
| 増加・高止まりの死因 | 悪性新生物(第1位)・心疾患・肺炎(高齢化) |
| 死因順位 | 第1位=悪性新生物/第2位=心疾患 |
| 人口 | 総人口は減少・後期高齢者(75歳以上)は増加 |
1970年代と比べ減少したのは脳血管障害:脳血管障害は死亡率(人口10万対)が大きく減少した。一方、悪性新生物は増加し死因第1位、肺炎は高齢化で増加、自殺・心疾患は減少していない。罹患と死亡は分けて考える(乳がんは罹患は多いが女性のがん死亡の第1位ではない)。
男女のがん死亡の違いに注意:男性のがん死亡は肺がんが第1位。女性のがん死亡は大腸がんなどが上位で、乳がんが第1位ではない(「女のがん死亡は乳がんが第1位」は誤り)。総人口は減少、後期高齢者は増加、死因第2位は心疾患、という記述は正しい。
4-3 疫学研究デザインとエビデンスレベル
薬や治療の効果を検証する研究には型があり、信頼性の高さ(エビデンスレベル)に階層があります。用語の定義と順位が問われます。
| 用語 | 意味 |
| プラセボ(偽薬) | 有効成分のない、比較対照用の薬 |
| 二重盲検法(ダブルブラインド) | 被験者と評価者の双方が割付を知らない(被験者だけなら単盲検) |
| 無作為化比較試験(RCT) | 偶然(無作為)に割り付けて比較する(性別で分けるのは無作為ではない) |
| 前向き/後ろ向き研究 | 前向き=未来へ追跡/後ろ向き=過去にさかのぼる |
| エビデンスレベル(高い順) |
| メタ分析・システマティックレビュー(最上位) |
| 無作為化比較試験(RCT) |
| コホート研究 |
| 患者・対照(症例対照)研究 |
| 横断研究・症例集積 |
エビデンスが最も高いのはメタ分析:メタ分析は複数の質の高い研究(RCTなど)を統合・解析するもので最上位。単一研究ではRCTが最も信頼性が高いが、それらを統合したメタ分析がさらに上位。介入研究(RCT)>観察研究(コホート>症例対照>横断)の階層で覚える。
研究倫理の定番(正誤):プラセボ=有効成分のない比較対照用の薬(正しい)。後ろ向き研究=過去を調べる/二重盲検=被験者と評価者の双方が割付を知らない/被験者はいつでも参加を中止できる(IC)。「過去に内服した人を調べるのを前方視的研究」「性別で2群に分けるのを無作為化比較試験」「参加者は途中で中断できない」は誤り。