乳幼児が発熱に伴って起こす痙攣で、多くは良性です。単純型と複雑型の区別が問われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発年齢 | 生後6か月〜5歳ごろ(多くは6歳までに自然軽快)。初発が新生児期ということはない |
| 遺伝 | 遺伝的要因(家族歴)を認める |
| 再発率 | おおむね30%前後と高い(「5%以下」は誤り) |
| 発作後の麻痺 | 単純型ではまれ(「約60%に認める」は誤り) |
| 単純型 | 短時間(多くは数分以内・15分未満)・左右対称の全般性・24時間以内に繰り返さない |
| 複雑型 | 15分以上と長い・部分(局所)発作・24時間以内に反復 |
「てんかんへの移行が疑われる」熱性痙攣:注意して経過をみるのは複雑型の特徴をもつ場合——①発作が15分以上と長い ②左右差のある焦点(部分)発作 ③24時間以内に2回以上反復の3つが複雑型の柱。これに加えて④発達の遅れや神経学的異常がある ⑤初発が好発年齢(生後6か月〜5歳)を外れる年長発症(例:初発が7歳以上)もてんかんを疑う所見。熱性痙攣の好発年齢を外れた年長発症は非定型と押さえる。「1分間の全身強直間代発作」のような短く左右対称の発作は単純型で心配が少ない。持続時間は15分が境界——「10分で止まる」「数分で止まる」は15分未満なので単純型の特徴で、てんかんを疑う根拠にはならない。
「家族歴がある」だけではてんかんを疑えない:熱性痙攣そのものに遺伝的要因があり、単純型熱性痙攣でも熱性痙攣の家族歴はよくみられる(4-1の表「遺伝」参照)。したがって単に「家族歴がある」というだけでは、てんかんを疑う根拠にならない。てんかん移行のリスクとして挙げるなら「無熱性痙攣(てんかん)の家族歴」のように発熱を伴わない発作の家族歴に限定して考える。「熱性痙攣の家族歴」と「てんかん(無熱性痙攣)の家族歴」は別物、と区別するのがひっかけ対策。