第1章|内分泌・ホルモン

対応過去問 7問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:内分泌は「器官とホルモン」「作用の上げる/下げる」の一対一対応を表にすれば、毎回ほぼ同じ組合せ問題で確実に得点できるテーマです。ここで扱う甲状腺・下垂体・副腎・膵臓のホルモンは、内科学の内分泌疾患(バセドウ病・糖尿病・クッシング症候群)や代謝の背景に直結し、内分泌腺の位置関係解剖学とつながります。この章では過去問頻出の①器官とホルモンの対応 ②下垂体前葉・後葉の区別 ③ホルモンの作用(血糖・血圧・Ca)を、引っかけ選択肢を軸に整理します。

1-1 内分泌腺とホルモンの産生部位

この単元は「どの器官がどのホルモンを出すか」の一対一対応がそのまま問われます。誤っている組合せを選ぶ形式が定番なので、正しい対応を丸ごと覚えて、混ぜられた誤りを見抜けるようにします。

器官(内分泌腺)主なホルモン
視床下部各種放出ホルモン(TRH・GnRHなど)。アンギオテンシンではない
下垂体前葉成長ホルモン・プロラクチン・ACTH・TSH・LH・FSH
下垂体後葉オキシトシン・バソプレシン(ADH)
松果体メラトニン(体内時計・概日リズム)
甲状腺甲状腺ホルモン(サイロキシン)
副甲状腺(上皮小体)副甲状腺ホルモン(PTH)
副腎皮質糖質コルチコイド・アルドステロン
副腎髄質カテコラミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)
膵臓(ランゲルハンス島)インスリン(B/β細胞)・グルカゴン(α細胞)
卵巣・精巣性ホルモン(エストロゲン・テストステロンなど)
腎臓エリスロポエチン・レニン
正しい組合せ(そのまま出る):オキシトシン=下垂体後葉/アドレナリン=副腎(髄質)/メラトニン=松果体/インスリン・グルカゴン=膵臓/プロラクチン=下垂体前葉/エリスロポエチン=腎臓。これらは正しい選択肢としてよく登場する。
誤った組合せの定番:「成長ホルモン=甲状腺」(正しくは下垂体前葉)・「プロラクチン=卵巣」(正しくは下垂体前葉)・「視床下部=アンギオテンシン」(放出ホルモンが正しく、アンギオテンシンはレニン-アンジオテンシン系)はすべて誤り。アンギオテンシンは内分泌「腺」のホルモンではなく、血圧・体液量を調節する系として別に整理する。

1-2 下垂体前葉・後葉ホルモンの区別

下垂体は前葉と後葉で出るホルモンが違い、後葉は「腺」ではなく神経の終末という点が引っかけどころです。「後葉から分泌されるのはどれか」が単独で問われます。

部位ホルモン
下垂体前葉成長ホルモン(GH)・プロラクチン(PRL)・ACTH・TSH・LH・FSH
下垂体後葉オキシトシン・バソプレシン(ADH)の2つだけ
後葉ホルモンは「オキシトシン・バソプレシンの2つだけ」:この2つは視床下部(視索上核・室傍核)で合成され、神経の軸索を通って後葉まで運ばれ放出される(神経分泌)。オキシトシンは子宮収縮・射乳、バソプレシンは腎の集合管での水再吸収を促す(欠乏で尿崩症=多尿)。
前葉ホルモンを後葉と間違えない:成長ホルモン・プロラクチン・黄体化ホルモン(LH)・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)はすべて前葉。「後葉=オキシトシン」と1点で覚え、それ以外の刺激ホルモン・成長ホルモンが選択肢にあれば前葉と判断する。前葉は視床下部の放出ホルモンで分泌が調節される点も後葉との違い。

1-3 ホルモンと作用(血糖・血圧・カルシウム)

「ホルモンと作用の組合せ」問題は作用の方向(上げる/下げる)を取り違えさせる形で出ます。血糖を下げるホルモンはインスリンだけという非対称が出題の核心です。

ホルモン主な作用
インスリン血糖を下げる(唯一)
グルカゴン・アドレナリン・糖質コルチコイド・成長ホルモン血糖を上げる
ノルアドレナリン・アドレナリン血管収縮で血圧を上げる(昇圧)・心拍数増加
アンギオテンシンⅡ血圧を上げる(血管収縮+アルドステロン分泌)
副甲状腺ホルモン(PTH)血中カルシウムを上げる
甲状腺ホルモン基礎代謝を上げる(亢進)
糖質コルチコイド抗炎症・免疫抑制(+血糖上昇)
エリスロポエチン赤血球の産生を増やす
メラトニン体内時計・概日リズムの調節
「血糖を下げるのはインスリンだけ」:これが最重要。血糖を上げる側はグルカゴン・アドレナリン・糖質コルチコイド・成長ホルモンと複数ある(生体は低血糖をより警戒する)。「インスリン=血糖低下」は正しい組合せ、「インスリン=血糖上昇」は誤りの定番。
作用の向きを逆にした誤りに注意:「ノルアドレナリン=血圧低下」(正しくは上昇)・「甲状腺ホルモン=基礎代謝の低下」(正しくは亢進)・「エリスロポエチン=赤血球数の低下」(正しくは増加)・「副甲状腺ホルモン=血中Ca低下」(正しくは上昇)はすべて誤り。血糖・血圧・血中Caの「上げる/下げる」を表で固定しておくと組合せ問題を一掃できる。