📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:熱傷とケロイド・瘢痕は
「数字と鑑別」で解ける頻出テーマです。STの直接対象ではありませんが、
顔面・頸部の熱傷や誤飲による化学熱傷は、開口制限・構音・摂食嚥下に影響します(誤飲の化学熱傷では
嚥下障害を生じる)。この章では
①熱傷の深達度・重症度・面積 ②電撃傷・化学熱傷 ③ケロイドと肥厚性瘢痕を、過去問の正誤ポイントに絞って整理します。
4-1 熱傷の深達度・重症度・面積査定
熱傷は深さ(度)で分類し、重症度は「深さ×面積」で決まります。深達度と面積の法則が繰り返し問われます。
深達度分類
| 深さ | 到達層 | 所見・転帰 |
| Ⅰ度 | 表皮 | 発赤・疼痛のみ(水疱はない)。数日で瘢痕を残さず治癒 |
| Ⅱ度 | 真皮 | 水疱を形成。深達性Ⅱ度は肥厚性瘢痕を残しやすい |
| Ⅲ度 | 皮膚全層 | 全層壊死・無痛。自然上皮化が望めず植皮が必要 |
深達度のひっかけ:「Ⅰ度熱傷は水疱形成を伴う」は誤り——水疱はⅡ度で形成される(Ⅰ度は発赤・疼痛のみ)。「重症度は深さと作用温度で決まる」も誤りで、正しくは面積と深さで決まる(作用温度は受傷の要因であって重症度の指標ではない)。
面積査定と気道熱傷
面積査定の法則:成人は9の法則、乳幼児・小児は体型差(頭部が大きく下肢が小さい)を考慮して5の法則。より厳密には手掌法(手掌=体表の約1%)やLund&Browderの表を用いる。
気道熱傷を疑う所見:顔面熱傷で鼻毛の焦げ・煤・口腔の浮腫/発赤・嗄声があれば気道熱傷を疑う。気道熱傷は上気道型と肺実質型に分けられ、時間経過で気道浮腫が進み窒息リスクがあるため、早期評価と気道確保が救命の要点。
4-2 特殊な熱傷(電撃傷・化学熱傷)
通常の熱傷とは病態が異なる電撃傷・化学熱傷は、正誤問題で狙われます。
電撃傷:電流の流入部と流出部に強い組織損傷を生じる。電流が心臓を通ると心室細動・心停止など致死的不整脈をきたす。体表の傷が軽く見えても深部・全身の損傷が大きいことがある。
化学熱傷:初期治療は大量の流水洗浄。中和剤は発熱を生じうるため用いない。誤飲による化学熱傷では口腔・咽頭・食道の損傷で嚥下障害を生じる。
ひっかけ:「化学熱傷の初期治療は中和剤塗布」は誤り(正しくは大量洗浄)。「難治性の褥瘡は植皮で治癒する」も誤りで、褥瘡は植皮のみで治癒するとは限らず全身・局所の管理が必要。
4-3 ケロイドと肥厚性瘢痕
両者の鑑別は「創の範囲を越えるか」が決め手。ケロイドの好発部位と人種差も頻出です。
| 項目 | 肥厚性瘢痕 | ケロイド |
| 広がり | 創部内にとどまる | 創部を越えて拡大 |
| 経過 | 時間とともに軽快・平坦化 | 難治・再発しやすい |
| 好発部位 | — | 耳介(耳垂・ピアス)・前胸部・肩・上腕 |
| 人種・年齢 | — | 有色人種(黄色・黒色人種)に多い・若年(青壮年)に多い |
| 自覚症状 | — | 瘙痒・疼痛を伴うことが多い |
ケロイドの要点:創傷治癒の過剰反応で、元の創部を越えて拡大し、単純切除では再発しやすい。好発部位は耳介(耳垂)・前胸部・肩など。「頭部・口唇・大腿」は典型的好発部位ではない。
ひっかけ:「肥厚性瘢痕は隣接する正常組織内に広がる」は誤り(創部内にとどまるのが肥厚性瘢痕、越えて広がるのはケロイド)。「ケロイドは範囲を超えて広がることはない/人種差がない/切除で再発しにくい」もすべて誤り。
次章へ:最後は
顔面外傷とその他の周辺知識です。
第5章 顔面外傷・その他で、顔面骨骨折(ブローアウト骨折=複視/下顎・Le Fort骨折=咬合異常)、顔面外傷の初期対応、そして
喉頭微細手術・口腔粘膜の消毒・咬唇癖など隣接分野の頻出項目を整理します。顔面骨骨折による
開口障害・咬合異常は摂食・構音に影響します。