この章のねらい:認知心理学の出題は
知覚が最頻出で、その入口が
精神物理学(閾・ウェーバー/フェヒナーの法則)と色覚です。STにとって精神物理学は他人事ではありません。
純音聴力検査で「聞こえの最小レベル=閾値」を測る、語音明瞭度検査で刺激レベルと正答率の関係を見る——これらはまさに精神物理学的測定です(
心理測定法の精神物理学的測定法と直結)。感覚・知覚の成り立ちを知ることは、
高次脳機能障害の失認(見えているのに分からない)の理解にもつながります。
1-1 感覚と精神物理学 ― 閾と3つの法則
精神物理学(psychophysics)は、物理的な刺激の強さと心理的な感覚の強さの関係を数量的に扱う分野です。フェヒナー(Fechner)が創始しました。まず「閾(いき)」の用語を正確に区別します。
| 用語 | 意味 |
| 刺激閾(絶対閾) | ある感覚を生じさせる最小(最弱)の刺激強度 |
| 刺激頂 | 感覚を生じさせる最大の刺激強度(これ以上強くしても感覚は増えない・痛みに変わる) |
| 弁別閾(丁度可知差異・JND) | 2つの刺激の差を検出できる最小の差 |
| 標準刺激/適刺激 | 標準刺激=比較の基準に用いる刺激。適刺激=その感覚器に固有の刺激(目には光など) |
頻出:「特定の感覚が生じる最弱の刺激強度」=刺激閾。刺激頂(最大)・適刺激(感覚器に固有)・弁別閾(差の最小)・標準刺激(基準)と取り違えない。
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この章の続きで扱う内容
- 1-2 明暗視 ― 桿体と錐体
- 1-3 色覚の理論 ― 三色説と反対色説
- 1-4 ゲシュタルトの体制化 ― 群化の要因
- 1-5 感覚間相互作用(クロスモーダル知覚)