この章のねらい:知覚は「網膜に映った像」そのものではなく、脳が
手がかりから世界を作り上げた結果です。奥行き・恒常性・運動視・錯視は、その「作り上げ方」を示します。ここは
高次脳機能障害の
視覚失認・半側空間無視(見えているのに認識できない・一方を見落とす)を理解する下地になります。第1章と合わせて、知覚は認知心理学の最頻出テーマなので厚く押さえましょう。
2-1 奥行き知覚の手がかり
3次元の奥行きは、両眼手がかりと単眼手がかりから復元されます。どちらに属するかが問われます。
| 種類 | 手がかり |
| 両眼手がかり | 両眼視差(左右の網膜像のズレ)・輻輳(近くを見ると寄り目になる) |
| 単眼手がかり | 重なり(遮蔽)・陰影・肌理(きめ)の勾配・相対的大きさ・線遠近法・大気遠近法・運動視差 |
奥行き知覚に「関与しない」もの:閉合(=ゲシュタルトの群化の要因で、奥行きではない)。陰影・両眼視差・相対的位置・重なりはいずれも奥行きの手がかり。また色の対比も奥行きの手がかりではない(両眼の輻輳・重なり・陰影・肌理の勾配が手がかり)。
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この章の続きで扱う内容
- 2-2 知覚の恒常性
- 2-3 運動の知覚
- 2-4 知覚の順応と可塑性 ― 変換視
- 2-5 錯視と主観的輪郭
- 2-6 乳児の知覚の発達と測定法