3次元の奥行きは、両眼手がかりと単眼手がかりから復元されます。どちらに属するかが問われます。
| 種類 | 手がかり |
|---|---|
| 両眼手がかり | 両眼視差(左右の網膜像のズレ)・輻輳(近くを見ると寄り目になる) |
| 単眼手がかり | 重なり(遮蔽)・陰影・肌理(きめ)の勾配・相対的大きさ・線遠近法・大気遠近法・運動視差 |
奥行き知覚に「関与しない」もの:閉合(=ゲシュタルトの群化の要因で、奥行きではない)。陰影・両眼視差・相対的位置・重なりはいずれも奥行きの手がかり。また色の対比も奥行きの手がかりではない(両眼の輻輳・重なり・陰影・肌理の勾配が手がかり)。
視覚的断崖は、ギブソンとウォークが乳児や動物の奥行き知覚を調べるために作った装置。ガラスの下が急に落ち込んで見える場所で、乳児が「崖」を避けるかを観察します。
知覚の恒常性とは、網膜像が変化しても対象の性質を一定に保って知覚する働きです。3種類を押さえます。
| 恒常性 | 内容 |
|---|---|
| 大きさの恒常性 | 距離で網膜像が変わっても、実際の大きさを一定に知覚する |
| 形の恒常性 | 見る角度で網膜像が変わっても、実際の形を一定に知覚する |
| 明るさ・色の恒常性 | 照明が変わっても、物の明るさ・色を一定に知覚する |
「動き」は実際に動いていなくても知覚されます。似た用語が多いので定義を正確に。
| 現象 | 内容 |
|---|---|
| 仮現運動 | 静止した刺激を適切な時間間隔(最適時相)で継時提示すると動いて見える(映画・電光掲示板) |
| 誘導運動 | 周囲が動くことで、静止した対象が動いて見える(雲が流れると月が動いて見える) |
| 運動残効 | 一定方向の動きを見続けた後、静止対象が逆方向に動いて見える(滝の錯視)=順応の結果 |
| ベクション(視誘導性自己運動知覚) | 周囲の動きにより自分が動いているように感じる(電車の錯覚) |
| 運動視差 | 観察者が動くと、近いものは速く・遠いものは遅く動いて見える=奥行きの手がかり |
正誤の要点:運動視差では近くのものほど速く(大きく)動いて見える(「大きく動くものは遠くに見える」は誤り)。仮現運動は動いて見える現象(「静止して見える」は誤り)。「運動情報は対象構造(形)の知覚の手がかりになる」は正しい。
変換視は、プリズム眼鏡や逆さ眼鏡で視覚入力を歪めても、しばらくすると新しい見え方に適応する現象です。目と手の連携が組み替えられるため、視覚―運動協応の可塑性を示す代表例です。
錯視は、物理的事実と異なって見える現象です。「何の錯覚か」の対応を押さえます。
| 錯視 | 何の錯覚か |
|---|---|
| ミュラー・リヤー錯視 | 線分の長さ(矢羽の向きで長さが違って見える) |
| デルブッフ錯視 | 大きさ(囲む円で内側の円の大きさが違って見える) |
| 月の錯視 | 大きさ(地平線近くの月が大きく見える) |
| シャルパンティエ効果 | 重さ(同じ重さでも大きい方が軽く感じる) |
誤った組合せの定番:「月の錯視―色の錯覚」は誤り(月の錯視は大きさの錯覚)。「ミュラー・リヤーの錯視―線分の傾きの錯覚」も誤り(長さの錯覚)。マガーク効果―音韻の錯覚、デルブッフ―大きさ、シャルパンティエ―重さは正しい。
主観的輪郭(カニッツァの三角形)は、物理的な線がないのに輪郭が見え、面が浮き上がって見える現象です。脳が「閉じた図形がある」と補完するために生じます。
ことばを話せない乳児の知覚・認知能力は、見る行動を手がかりに測定します。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 選好注視法 | 2つの刺激を並べ、よく見る方から弁別・好みを調べる(ファンツ) |
| 馴化―脱馴化法 | 同じ刺激に慣れる(注視が減る=馴化)→新刺激で注視が戻れば(脱馴化)弁別できたと判断 |
| 期待背反法 | 「あり得ない出来事」で注視が延びるかを見る |
| 予測注視法 | 次に刺激が出る場所を先に見る(予測)かを調べる |
乳児の測定に「不適切」なもの:場面想定法(言語的なやりとり・想像を要するため乳児には使えない)。選好注視・馴化脱馴化・期待背反・予測注視はいずれも乳児に用いる。