第1章|糖尿病・代謝・栄養

対応過去問 11問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:糖尿病・代謝は内科学で最頻出のテーマです。とくに糖尿病は脳卒中・心筋梗塞の危険因子であり、臨床神経学リハビリテーション医学で扱う脳血管障害の背景そのもの。栄養状態の評価(アルブミン・味覚障害=亜鉛欠乏)嚥下障害の低栄養・サルコペニアの土台にもなります。この章では過去問頻出の①糖尿病と三大合併症 ②メタボリックシンドローム ③痛風 ④栄養指標を、引っかけ選択肢を軸に整理します。

1-1 糖尿病と三大合併症

糖尿病は慢性の高血糖により全身の血管が傷む病気です。国試では合併症に「含まれるもの/含まれないもの」がそのまま繰り返し問われます。

区分合併症
三大合併症(細小血管)網膜症・腎症・末梢神経障害(「し・め・じ」)
大血管障害動脈硬化性疾患(脳梗塞・心筋梗塞)・末梢動脈疾患
その他易感染性・昏睡(高血糖/低血糖)・アキレス腱反射の減弱
合併症でない血小板減少症・肺気腫・白血球減少
神経障害では感覚は「低下」する:糖尿病性末梢神経障害では振動覚・アキレス腱反射が低下(減弱)する。「振動覚の亢進」は誤り——神経が障害されて感覚が鈍くなるのが基本。網膜症・腎症・末梢神経障害の三大合併症に、動脈硬化性疾患(大血管)・昏睡を加えて押さえる。
合併症に「まぎれこむ誤り」の定番:血小板減少症・肺気腫・白血球減少は糖尿病の合併症ではない。選択肢に混ざったら誤り。脳血管障害(動脈硬化)は合併症に含まれる——「大血管障害」として正しい選択肢で出る。

1-2 メタボリックシンドローム・生活習慣病

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積を基盤に、脂質・血圧・血糖の異常が重なった状態です。数値と男女差がひっかけになります。

項目診断の基準(日本基準)
内臓脂肪蓄積(必須)ウエスト周囲径 男性85cm以上・女性90cm以上
脂質異常高トリグリセリド(150以上)または低HDL(40未満)
血圧収縮期130以上 または 拡張期85以上
血糖空腹時血糖 110mg/dL以上
基盤は内臓脂肪、追加項目は「脂質・血圧・血糖」:内臓脂肪蓄積を病態基盤とし、そこに脂質・血圧・血糖の異常が2つ以上重なると診断する。予防の中心は食生活・運動習慣の見直し。ウエスト径は男性85cm/女性90cmで、「男性90cm以上」は誤り。
HDLは「低い」ほうが基準:診断基準に入るのは低HDLコレステロールであって「高HDL」は誤り——HDLは善玉で高いほうが望ましい。生活習慣病の代表はアルコール性肝炎・2型糖尿病・高血圧など。1型糖尿病・潰瘍性大腸炎・関節リウマチ・パーキンソン病は生活習慣病ではない

1-3 痛風・高尿酸血症

痛風は高尿酸血症を背景に、関節に尿酸ナトリウム結晶が沈着して起こる急性関節炎です。偽痛風との結晶の違いが問われます。

疾患沈着する結晶特徴
痛風尿酸ナトリウム結晶高尿酸血症・第1中足趾節関節・痛風結節・腎障害
偽痛風(CPPD)ピロリン酸カルシウム結晶高齢者の膝関節など
痛風でみられるもの:痛風結節・結晶誘発性関節炎・腎障害(腎髄質障害)・高尿酸血症。原因は尿酸の過剰。組合せでは痛風―高尿酸血症が正しい定番。
「ピロリン酸カルシウム沈着」は痛風ではない:ピロリン酸カルシウムの沈着は偽痛風(CPPD)の所見で、痛風ではみられない。選択肢に混ざったら誤りと判断する。

1-4 栄養状態の評価と微量元素

血液検査で栄養状態を反映する指標と、そうでない指標(炎症マーカーなど)の区別が問われます。

栄養状態の指標栄養の指標でないもの
アルブミン(低下=低栄養)CRP(炎症マーカー)
ヘモグロビン・総コレステロール(血糖はコントロールの指標)
プレアルブミン・トランスフェリン(短期)
亜鉛欠乏=味覚障害:味覚障害を起こしやすいのは亜鉛の欠乏。尿素・カリウム・ビタミンD・不飽和脂肪酸ではない。ST臨床でも高齢者・低栄養・薬剤性の味覚障害で押さえておきたい知識。
検査値と対応の誤り(組合せ):アルブミン―栄養/ALT(GPT)―肝機能/クレアチニン―腎機能/尿酸―痛風は正しい対応。クレアチンキナーゼ(CK)―糖尿病は誤り——CKは筋・心筋の障害(心筋梗塞・多発性筋炎)の指標。CRPは炎症の指標で、栄養状態の指標にはならない。