第4章|呼吸器疾患

対応過去問 8問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:呼吸器はST臨床と直結するテーマです。誤嚥性肺炎・呼吸不全・喀痰嚥下障害のリスク管理の中心であり、呼吸と発声・嚥下の関係呼吸系で扱う土台です。SpO2・動脈血ガスによるモニタリングは、訓練を安全に進めるための必須知識。この章では過去問頻出の①気管支喘息・COPD ②感染症・肺癌 ③睡眠時無呼吸 ④動脈血ガスを、引っかけ選択肢を軸に整理します。

4-1 気管支喘息・COPD

気管支喘息とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)はどちらも閉塞性換気障害ですが、喘息は「可逆的」なのが最大の特徴です。

疾患特徴
気管支喘息可逆的な気流制限・慢性気道炎症・気道過敏性亢進・気道壁リモデリング・粘膜浮腫・上皮剥離
COPD(肺気腫・慢性気管支炎)閉塞性換気障害・喫煙が主因・1秒率低下
喘息の気流制限は「可逆的」:気管支喘息は発作時に気道が狭くなるが可逆的(治療や自然に戻る)。「非可逆的な気流制限」は誤り。病態は慢性炎症・気道過敏・粘膜浮腫・上皮剥離・気道内腔の狭窄で、「内腔拡張」は誤り(狭窄する)。
「肺気腫=拘束性障害」は誤り:肺気腫(COPD)は閉塞性換気障害であって、拘束性障害ではない。組合せでは感冒―ウイルス感染/扁桃炎―A群溶血性連鎖球菌/気管支喘息―気道狭窄/肺結核―喀痰塗抹検査が正しく、「肺気腫―拘束性障害」だけが誤り

4-2 呼吸器感染・肺癌

かぜ(感冒)や肺炎などの呼吸器感染と、肺癌の危険因子が問われます。

項目ポイント
感冒(かぜ)主にウイルスによる(細菌ではない)
急性扁桃炎A群溶血性連鎖球菌が原因
肺扁平上皮癌喫煙と強く関連
肺癌の危険因子喫煙・PM2.5・アスベスト・肺線維症
肺癌の危険因子に飲酒は含まれない:肺癌の危険因子は喫煙・PM2.5・アスベスト・肺線維症など。「飲酒」は肺癌の危険因子ではない(飲酒は食道癌・肝疾患などのリスク)。慢性気管支炎・肺気腫はCOPDの代表疾患。
「感冒は主に細菌」は誤り:感冒(かぜ)は主にウイルスによって起こる。「主に細菌」は誤り。A群溶血連鎖球菌は急性扁桃炎の原因、肺扁平上皮癌は喫煙と関連する。

4-3 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に呼吸が繰り返し止まる病気で、閉塞性が最多です。

項目ポイント
好発中年以降の男性・肥満
症状大きないびき・日中の傾眠・中途覚醒・高血圧の合併
原因(閉塞性)口蓋扁桃肥大・咽頭扁桃(アデノイド)肥大・肥満
重症例の治療CPAP・重症で気管切開が適応・鼻炎治療も有効
閉塞性SASでは呼吸努力は「ある」:閉塞性睡眠時無呼吸は、気道が塞がっても呼吸筋は動き続ける(呼吸努力はある)のが特徴。「無呼吸時に呼吸筋の活動が停止する」は誤り(それは中枢性)。口蓋扁桃・咽頭扁桃(アデノイド)肥大が原因となり、重症例には気管切開が適応、鼻炎治療も有効。
「中途覚醒は少ない」は誤り:SASでは無呼吸のたびに目が覚めるため中途覚醒は多い。「中途覚醒は少ない」「鼻炎治療は無効」は誤り。中年男性・いびき・日中の傾眠・高血圧の合併は正しい特徴。

4-4 呼吸機能・動脈血ガス

動脈血ガス分析(血ガス)は、肺でのガス交換を評価する検査です。基準値と手技が問われます。

項目ポイント
採血部位橈骨動脈などの動脈から採血
酸素分圧(PaO2)正常値 80〜100mmHg(加齢で低下)
炭酸ガス分圧(PaCO2)年齢の影響を受けにくい(ほぼ一定)
パルスオキシメーター経皮的に酸素飽和度(SpO2)をモニター
血ガスは肺のガス交換を反映:動脈血ガスは肺のガス交換能を反映し、橈骨動脈などから採血する。PaO2の正常値は80〜100mmHgで加齢とともに低下する。パルスオキシメーターは経皮的にSpO2を測る簡便な機器で、ST訓練中のモニタリングにも使われる。
PaCO2は年齢の影響を受けにくい:「炭酸ガス分圧(PaCO2)は年齢の影響を受ける」は誤り——PaCO2は年齢の影響を受けにくく、ほぼ一定。加齢で低下するのはPaO2(酸素分圧)のほう。