第3章|循環器疾患

対応過去問 8問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:循環器はST臨床の安全管理の核です。高血圧・心房細動は脳卒中(脳梗塞・脳出血)の最大の危険因子であり、臨床神経学リハビリテーション医学で扱う脳血管障害の背景そのもの。訓練中の血圧・脈拍・心不全(BNP)のモニタリングはリハビリの中止基準に直結します。この章では過去問頻出の①高血圧 ②虚血性心疾患 ③不整脈・心不全 ④ショック・先天性心疾患を、引っかけ選択肢を軸に整理します。

3-1 高血圧と血圧の生理

高血圧の大半は原因を特定できない本態性高血圧ですが、明確な原因疾患による二次性高血圧があります。原因疾患のリストが問われます。

項目ポイント
高血圧の治療減塩食・運動・降圧薬・利尿薬(生活習慣+薬物)
二次性高血圧の原因腎動脈狭窄・原発性アルドステロン症・クッシング症候群・褐色細胞腫
平均血圧拡張期血圧+脈圧の1/3で近似(単純平均ではない)
触診法触診法で測れるのは収縮期血圧のみ(拡張期は聴診が必要)
二次性高血圧=原因のある高血圧:腎動脈狭窄・原発性アルドステロン症・クッシング症候群・褐色細胞腫などが原因になる。下垂体機能低下症は二次性高血圧の原因ではない(むしろホルモン不足)。降圧目標は原則として75歳未満の成人で診察室血圧130/80mmHg未満
「副腎皮質ホルモン=高血圧の治療」は誤り:副腎皮質ホルモン(ステロイド)はむしろ血圧を上げるので、高血圧の治療薬ではない。血圧の生理では「触診法で拡張期血圧を測定できる」「平均血圧は収縮期と拡張期の算術平均」は誤り——平均血圧は拡張期+1/3脈圧で近似する。抹消血管抵抗が増えれば収縮期血圧は上がり、加齢で血圧は上がる。

3-2 虚血性心疾患・心筋梗塞

虚血性心疾患は冠動脈の狭窄・閉塞で心筋が酸素不足になる病気で、狭心症心筋梗塞があります。急性心筋梗塞の検査所見が頻出です。

検査急性心筋梗塞の所見
血液検査トロポニンT上昇・CK-MB上昇(心筋逸脱酵素)
心電図ST上昇・異常Q波・冠性T波
心臓超音波壁運動異常(動きの悪い部分)
心筋梗塞ではマーカーは「上昇」:心筋が壊れるとトロポニンT・CK-MBが上昇する。「トロポニンT低下」は誤り。心電図では異常Q波・冠性T波、心臓超音波では壁運動異常がみられる。
虚血性心疾患の予防(生活習慣):有酸素運動・地中海食・禁煙/受動喫煙の防止・適正な血圧管理がリスクを下げる。喫煙・脂質異常・高血圧・糖尿病が危険因子。「予防に適正なBMIは19.5〜22.0」のような数値の記述は基準とずれることがあるので、標準的なガイドラインで確認する。

3-3 不整脈・心不全

不整脈のなかでも心房細動は、心房内にできた血栓が飛んで脳塞栓(心原性脳塞栓症)を起こすため、STにとって重要です。

病態対応
非弁膜症性心房細動の脳塞栓予防抗凝固薬(血栓の予防)
心不全のリスク指標血清BNP値(上昇で心負荷)
心房細動→脳塞栓の予防は抗凝固薬:心房細動でできる血栓はフィブリン主体の赤色血栓なので、予防には抗凝固薬が最も有効。降圧薬・強心薬・血栓溶解薬・抗不整脈薬ではない。心原性脳塞栓症は突然発症・広範な梗塞になりやすく、失語や重い麻痺の原因になる。

3-4 ショック・先天性心疾患

ショックは全身の血液循環が破綻し、組織に酸素が届かなくなった状態です。症状の「みられる/みられない」が問われます。

ショックの症状ショックでみられないもの
血圧低下・頻脈・皮膚冷感多尿(実際は乏尿・尿量減少)
意識混濁・チアノーゼ・冷汗
ショックでは尿量は「減る」:血圧低下で腎血流が減るため乏尿(尿量減少)になる。「多尿」は誤り。血圧低下・皮膚冷感・意識混濁・チアノーゼがショックの症状。
先天性心疾患で最多は心室中隔欠損症:先天性心疾患のなかで最も頻度が高いのは心室中隔欠損症(VSD)。心房中隔欠損症・動脈管開存症・肺動脈狭窄症・ファロー四徴症より多い。