社会的学習理論(バンデューラ)は、他者(モデル)の行動やその結果を観察するだけで学習が成立するという考え方です。自分が直接強化されなくても学べる点が、条件づけと大きく異なります。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 観察学習(モデリング) | モデルの行動を見ることで新しい行動を習得する |
| 代理強化 | モデルが強化されるのを見て、観察者の行動傾向が変わる |
| 自己効力感 | 「自分はうまくやれる」という遂行可能性の予期(動機づけの核) |
| 般化模倣 | 特定の模倣が強化されると、模倣そのものが広く生じるようになる |
社会的学習理論に関係ないもの:モデリング・代理強化・般化模倣・観察学習は社会的学習理論の概念。一方、学習性無力(感)はセリグマンの概念で、社会的学習理論とは別(動機づけ・無力感の理論)。
動機づけは、行動を引き起こし・方向づけ・維持する過程です。「どこから来る力か」でいくつかに分けます。
| 分類 | 内容・例 |
|---|---|
| 生理的(一次的)動機づけ | 生得的。飢え(食の動因)・渇きなどホメオスタシスに基づく |
| 社会的(二次的)動機づけ | 後天的。性的動機づけ・親和動機づけ・達成動機など |
| 内発的動機づけ | 活動そのものが目的。好奇動機づけ・知的好奇心・有能感 |
| 外発的動機づけ | 賞や罰・報酬など外的誘因による |
誤りやすい記述:「内発的動機づけは賞罰を必要とする」は誤り(賞罰は外発的)。「覚醒水準が高いほど情動は安定する」も誤り(覚醒が高すぎると遂行は低下=ヤーキーズ・ドッドソンの法則)。「接近-接近型コンフリクトでは相反感情(アンビバレンス)が生じる」も誤り——相反感情が生じるのは接近-回避型。親和動機づけは利他行動を解発する、食の動因は飢えである、は正しい。
学習性無力感(セリグマン):不快な状況から逃れられない経験を繰り返すと、「何をしても無駄」と学習し、逃避可能な場面でも行動しなくなる。抑うつのモデルにもなり、STの動機づけ支援・成功体験の設計で重要。
他者や集団の存在は、個人の行動を変えます。名前の似た現象の区別が問われます。
| 現象 | 内容 |
|---|---|
| 社会的手抜き(リンゲルマン効果) | 集団で作業すると、一人あたりの遂行量が減る |
| 社会的促進 | 他者の存在で単純な課題の成績が向上する(複雑な課題では低下=社会的抑制) |
| ステレオタイプ | ある集団への定型化された認知の枠組み(偏った判断を生む) |
学習は「教え方(処遇)」と「学ぶ人の特性(適性)」の組合せで効果が変わります。教育心理の重要概念を整理します。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 適性処遇交互作用(ATI) | 学習者の特性の違いによって、最適な指導法(処遇)が異なること(クロンバック) |
| 期待効果(ピグマリオン効果) | 指導者の期待が学習者の成績を実際に高める |
| 先行オーガナイザー | 学習の前に与える、全体像を示す枠組み(オーズベル) |
| ツァイガルニク効果 | 完了した課題より未完了の課題の方が記憶に残りやすい |