精神疾患は原因による古典的分類と、症状のパターンで決める現代の操作的診断基準の2つの見方があります。国試ではICDとDSMの位置づけが問われます。
| 古典的分類(原因別) | 意味 | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 外因性 | 脳・身体の器質的/物質的な原因 | 認知症・せん妄・症状性精神病・物質関連障害 |
| 内因性 | 体質・遺伝など内的要因(原因不明) | 統合失調症・気分障害(うつ病/双極性) |
| 心因性 | 心理的ストレスが引き金 | 神経症・ストレス関連障害・適応障害 |
検査の優先順位のひっかけ:けいれん(痙攣)を認めた患者では、まず身体・器質的な原因の除外が最優先。頭部CT・脳波・血液検査・内服薬の確認を先に行い、心理検査は最も優先順位が低い。精神症状でも「まず身体をみる(外因の除外)」が精神科の鉄則。
知覚の障害は「対象があるか・ないか」で錯覚と幻覚を分けます。ここは定義そのものが問われます。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 錯覚 | 実際に存在する対象を誤って知覚する(例:カーテンが人に見える) |
| 幻覚 | 対象が存在しないのに知覚する。幻聴(統合失調症に多い)・幻視(せん妄・レビー小体型に多い)など |
思路(思考の流れ)の障害は、まとまり・スピード・方向のどこが崩れるかで分類します。統合失調症・躁・うつ・器質性でパターンが違います。
| 用語 | 特徴 | 多い疾患 |
|---|---|---|
| 連合弛緩 | 考えのつながりが緩み、まとまらない(重度で滅裂思考・言葉のサラダ) | 統合失調症 |
| 思考途絶 | 話が突然途切れて止まる | 統合失調症 |
| 観念奔逸 | 次々と考えが浮かび、話が飛んで止まらない | 躁状態 |
| 思考制止(思考抑制) | 考えが進まず遅い・重い | うつ状態 |
| 迂遠 | 細部にこだわり回りくどく、なかなか主題に達しない | てんかん・器質性・知的障害 |
| 保続 | 同じ考え・言葉を繰り返し切り替えられない | 器質性(前頭葉) |
迂遠のひっかけ:「細部にこだわって説明し、なかなか主題にたどり着かない」=迂遠。連合弛緩(つながりが緩む)・観念奔逸(飛んで速い)・思考制止(遅い)と混同しないこと。
妄想は「誤った確信で、訂正できず、強い感情を伴う」のが定義。発生の仕方で種類が分かれます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 妄想気分 | 何か重大なことが起こりそうな、怪しく緊迫した雰囲気にとらわれる(統合失調症の初期) |
| 妄想知覚 | 実際の知覚に特別な意味づけをする(例:信号が赤=自分への合図) |
| 妄想着想 | 突然、根拠なく確信が浮かぶ |
妄想気分のひっかけ:「今にも何か重大な出来事が起こるような怪しげで緊迫した雰囲気にとらわれる」=妄想気分。妄想知覚(知覚への意味づけ)・妄想着想(突然の確信)・強迫観念(不合理と自覚)と区別する。
自我障害は「自分の考え・意志が自分のものでない」という体験で、統合失調症に特徴的です。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 考想伝播(思考伝播) | 自分の考えが周囲に伝わり、皆に知られていると感じる(自我の境界の障害) |
| 思考奪取 | 自分の考えが抜き取られると感じる |
| させられ体験(作為体験) | 考えや行動が他者に操られていると感じる |
| 離人症(離人感) | 自己や外界に対して生き生きとした現実感が感じられなくなる |
国試では「症状と疾患の組合せ」がよく問われます。代表症状=どの疾患かを1対1で押さえておきます。
| 疾患 | 代表症状(キーワード) |
|---|---|
| 統合失調症 | 幻聴・考想伝播・連合弛緩・妄想知覚 |
| パニック症 | 予期不安・動悸・死の恐怖 |
| 強迫症 | 強迫観念・強迫行為(確認) |
| PTSD | フラッシュバック(再体験) |
| うつ病 | 抑うつ気分・思考制止・微小妄想(罪業/貧困/心気) |
組合せのひっかけ:「うつ病 ― 考想伝播」は誤り。考想伝播は統合失調症の症状。うつ病でみられる妄想は罪業妄想・貧困妄想・心気妄想(微小妄想)。「症状 ― 疾患」の1対1対応は毎回のように狙われる。