依存症は3つのキーワード「依存・耐性・離脱」で理解します。定義のすり替えが定番のひっかけです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 耐性 | 同じ効果を得るのに量が増える(=効きにくくなる)。使い続けると耐性は上昇する |
| 離脱症状 | 使用を中断すると出る不快な症状。これを避けるため使用を続けてしまう |
| 精神依存/身体依存 | 渇望(精神依存)と、離脱症状で表れる身体依存 |
アルコール依存のひっかけ:「アルコール依存によってアルコールへの耐性が低下する」は誤り——耐性は上昇(増強)する。依存症者は離脱症状を軽減するために飲酒を続け、治療は完全な断酒が原則(節酒でなく断酒)。長期大量飲酒で慢性の精神障害(コルサコフ・認知症・幻覚)が生じる。
物質ごとに「作用する神経伝達物質」と「法律上の分類」が問われます。
| 物質 | ポイント |
|---|---|
| 覚醒剤(メタンフェタミン・アンフェタミン) | 関連する神経伝達物質はドパミン。慢性使用で幻覚・妄想(覚醒剤精神病) |
| モルヒネ・ヘロイン | 麻薬及び向精神薬取締法で麻薬に規定。強い身体依存 |
| マリファナ/アンフェタミン/トルエン/バルビタール | それぞれ大麻取締法・覚醒剤取締法・毒物劇物・向精神薬など「麻薬」ではない区分 |
| ベンゾジアゼピン系抗不安薬 | 副作用=耐性・依存性・健忘・呼吸抑制・眠気/ふらつき。長期使用で依存を形成 |
覚醒剤=ドパミンのひっかけ:覚醒剤関連精神障害に最も関連する神経伝達物質はドパミン(ノルアドレナリン・セロトニン・アセチルコリン・GABAではない)。統合失調症のドパミン仮説とも通じ、覚醒剤精神病は統合失調症様の幻覚・妄想を示す。
ベンゾジアゼピンの副作用:抗不安薬の副作用は耐性・健忘・依存性・呼吸抑制。筋強剛(筋固縮)は含まれない——筋強剛は抗精神病薬による錐体外路症状(2-5)。抗不安薬は筋弛緩作用があり、むしろ緊張は下がる。
長期の大量飲酒は脳を器質的に障害します。国試頻出はコルサコフ症候群です。
ビタミンのひっかけ:コルサコフ症候群に関連するのはビタミンB1(チアミン)欠乏であってビタミンB6欠乏ではない。「飲酒歴・健忘・見当識障害・作話」は関連するが、B6は無関係——この1点差し替えが狙われる。
せん妄は「急性・可逆性の意識障害」。認知症(慢性・進行性)との対比が最重要です。
| せん妄 | 認知症 | |
|---|---|---|
| 発症 | 急激(数時間〜数日) | 緩徐(数か月〜年) |
| 意識 | 混濁(意識障害あり)・日内変動大 | 清明(意識障害なし) |
| 経過 | 可逆的(原因除去で改善) | 不可逆・進行性 |
| 症状 | 錯覚・幻視・興奮・見当識障害 | 記憶障害中心 |
せん妄のひっかけ:「せん妄は病状が不可逆的に進行する」は誤り——せん妄は急に現れ、原因を除けば可逆的。急性発症・錯覚/幻覚・興奮・見当識障害は正しい。「可逆/不可逆」で認知症と分ける。
抗精神病薬はドパミンを遮断するため、パーキンソン様の錐体外路症状を起こします。薬剤性(外因性)の運動症状として整理します。
| 錐体外路症状 | 特徴 |
|---|---|
| 薬剤性パーキンソニズム | 筋強剛(筋固縮)・振戦・動作緩慢 |
| アカシジア(静座不能/着座不能) | じっとしていられず動き回る |
| 急性ジストニア | 眼球上転発作・舌突出・斜頸などの持続性筋収縮 |
| 遅発性ジスキネジア | 長期投与後の口・舌の不随意運動 |
錐体外路症状の主犯=抗精神病薬:錐体外路症状が最も出やすいのは抗精神病薬(ドパミン遮断による)。抗うつ薬・抗てんかん薬・抗不安薬・睡眠薬より圧倒的に多い。筋強剛・眼球上転発作・舌突出・着座不能(アカシジア)は錐体外路症状だが、「めまい」は錐体外路症状ではない。