気分障害は「気分(感情)」が病的に沈む・高ぶる病態。うつ病の症状は精神症状+身体症状で覚えます。
| 領域 | うつ病の代表症状 |
|---|---|
| 気分・感情 | 抑うつ気分・興味/喜びの減退(アンヘドニア)・不安焦燥 |
| 思考 | 思考制止・集中力/決断力の低下・微小妄想(罪業/貧困/心気)・希死念慮(自殺念慮) |
| 身体(自律神経) | 睡眠障害(早朝覚醒)・食欲/体重減少・易疲労・性欲低下 |
うつの症状のひっかけ:うつ病でみられる妄想は微小妄想(罪業・貧困・心気)。誇大妄想は躁状態の症状なので、「うつ病の症状=誇大妄想」は誤り。抑うつ気分・睡眠障害・食欲減退・自殺念慮は正しい。
うつ病は頻度が高く、性差・病前性格・日内変動が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 好発年齢 | 青年期以降(幼児期には稀)。中高年にもピーク |
| 性差 | 生涯有病率は女性が男性より高い(一方、自殺完遂は男性に多い) |
| 病前性格 | メランコリー親和型・執着気質=几帳面・秩序を好む・勤勉・責任感が強い・環境変化に弱い |
| 日内変動 | 朝方に調子が悪く、夕方にかけて軽くなる |
| 合併 | 不安症の合併は多い。身体疾患を持つ患者で有病率が高い |
病前性格のひっかけ:うつ病の病前性格は「秩序を好む・勤勉・責任感が強い・環境変化に弱い」。「人付き合いが悪い(非社交的)」はうつ病の病前性格ではない——メランコリー親和型はむしろ他者配慮的で対人関係を保とうとする。
疫学のひっかけ:「女性より男性で生涯有病率が高い」は誤り(有病率は女性が高い)。「不安症との合併はまれ」も誤り(合併は多い)。正しいのは自殺は男性に多い・身体疾患合併で有病率高い・朝方に調子が悪い。
躁状態はうつの「裏返し」。気分・思考・活動がすべて高まります。双極性障害はうつと躁を繰り返します。
| 領域 | 躁状態の症状 |
|---|---|
| 気分 | 気分高揚・爽快感・易怒性(怒りっぽい) |
| 思考 | 観念奔逸・自尊心の肥大(自己評価が高い・自信過剰)・誇大妄想 |
| 行動・身体 | 多弁(大きな声でよくしゃべる)・行為心迫・睡眠欲求の減少(短時間睡眠でも元気)・浪費(高価な買い物)・性欲亢進・抑制欠如 |
躁状態のひっかけ①:躁病では集中力はむしろ低下・散漫になる(次々に気が移る)。「集中力が持続する」は誤り。短時間睡眠でも元気・自己評価が高い・多弁・浪費は正しい。
躁状態のひっかけ②:躁症状は睡眠欲求の減少が典型で、「睡眠時間の延長」は躁では非典型(むしろうつ寄り)。抑制欠如・自信過剰・易怒性・性欲亢進は躁の典型。
対応の原則は「休養・薬物・励まさない・自殺予防」。治療的接し方が国試でよく問われます。
「励まし」は禁忌:うつ病患者への叱咤激励は誤り——「もっと頑張れ」は自責感を強め、自殺リスクを高める。まず病気であることを伝え、休養(必要なら休職)を勧めるのが正しい対応。几帳面な人が突然「自分には能力がない」と辞表を出すのは典型的なうつのサイン。