PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第61問

生理学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第61問(生理学)の正答は 2 です。ミトコンドリアは内膜のクリステでTCA回路・電子伝達系(酸化的リン酸化)を行い、細胞のエネルギー通貨であるATPを大量に産生する小器官です。

問題
細胞内小器官の役割について正しいのはどれか。
  1. 1. 中心小体はリソソームを形成する。
  2. 2. ミトコンドリアはATPを合成する。
  3. 3. リボソームは膜の脂質成分を産生する。
  4. 4. ゴルジ装置は細胞分裂時に染色体を引き寄せる。
  5. 5. リボソームが付着しているのが滑面小胞体である。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — ミトコンドリアはATPを合成する。

ミトコンドリアは内膜のクリステでTCA回路・電子伝達系(酸化的リン酸化)を行い、細胞のエネルギー通貨であるATPを大量に産生する小器官です。「細胞の発電所」と呼ばれ、持続的な有酸素性運動を担う遅筋(Type I)線維に豊富に含まれます。


【各選択肢の解説】

1. 中心小体はリソソームを形成する。
❌ 誤り。リソソームを形成するのはゴルジ装置です。中心小体(中心体)は細胞分裂時に紡錘体を形成し、染色体を両極へ引き寄せる役割をもちます。
2. ミトコンドリアはATPを合成する。
✅ 正しい。TCA回路と電子伝達系によりATPを産生します。独自のDNA(ミトコンドリアDNA)をもち、母系遺伝することも特徴です。
3. リボソームは膜の脂質成分を産生する。
❌ 誤り。リボソームはタンパク質の合成を行う小器官です。脂質(リン脂質・ステロイド)の合成を担うのは滑面小胞体です。
4. ゴルジ装置は細胞分裂時に染色体を引き寄せる。
❌ 誤り。染色体を引き寄せるのは中心小体から伸びる紡錘糸です。ゴルジ装置はタンパク質の糖鎖修飾・濃縮・分泌顆粒やリソソームの形成を行います。
5. リボソームが付着しているのが滑面小胞体である。
❌ 誤り。リボソームが付着しているのは粗面小胞体です。滑面小胞体はリボソームをもたず、脂質合成・解毒・カルシウム貯蔵(筋では筋小胞体)を担います。

【試験対策ポイント】

・小器官と役割の対応は丸暗記でよい:ミトコンドリア=ATP/粗面小胞体=分泌タンパク合成/滑面小胞体=脂質合成・Ca²⁺貯蔵/ゴルジ装置=修飾・分泌・リソソーム形成/リソソーム=加水分解酵素による分解/中心小体=紡錘体形成
・PTとして押さえたいのは筋小胞体=骨格筋の滑面小胞体で、活動電位に応じてCa²⁺を放出して収縮を起こし、Ca²⁺ポンプで回収して弛緩させる(興奮収縮連関の要)。
・ミトコンドリアは遅筋線維・心筋に多く、持久トレーニングで数と容積が増える(ミトコンドリア新生)ことが有酸素能力向上の機序。

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