聴覚心理学はST国試の基礎分野(音響・聴覚心理)で、「音という物理量が、どんな聞こえ(心理量)になるか」を扱う科目です。中身は大きく①音の大きさ(ラウドネス)、②音の高さ(ピッチ)・音色、③聴覚フィルタ・マスキング・臨界帯域、④両耳聴・音源定位、⑤時間特性・聴覚疲労の5本柱で、とくに「音の心理量(フォン・ソーン・メル)」と「聴覚フィルタ/マスキング」が最頻出です。フォンとソーンの定義、聴覚フィルタの帯域幅が高い中心周波数ほど広いこと、マスキングの上方拡散——といった「物理量↔心理量」「用語↔定義」の区別問題が繰り返し問われます。聴覚心理学はSTにとって暗記科目ではなく、純音聴力検査・語音聴力検査・補聴器フィッティングの理論そのものです。最小可聴値は聴力レベルの基礎、ラウドネスは補聴器の圧縮増幅と補充現象、マスキングは検査マスキング法、両耳聴は両耳装用の意義に直結します。各章の冒頭でST臨床とのつながりを示しました。