エリクソン(Erikson, E.H.)は、生涯を8つの発達段階(ライフサイクル)に分け、各段階に固有の心理社会的危機(発達課題)を適応的解決 対 不適応的解決の両極で示しました。段階を追って人格が積み上がるという漸成説(漸成原理)が中心概念です。
| 段階 | 発達課題(心理社会的危機) |
|---|---|
| 乳児期 | 基本的信頼 対 基本的不信 |
| 幼児期前期 | 自律性 対 恥・疑惑 |
| 幼児期後期(遊戯期) | 自発性(自主性) 対 罪悪感 |
| 学童期(児童期) | 勤勉性 対 劣等感 |
| 青年期 | 同一性(アイデンティティ) 対 同一性拡散(役割拡散) |
| 成人期初期(前成人期) | 親密性 対 孤立 |
| 成人期(壮年期) | 生殖性(世代継承性) 対 停滞 |
| 老年期 | 統合(自我の統合) 対 絶望 |
「各発達段階を貫く人生のテーマは自我同一性の獲得」→誤り。同一性の確立は青年期の課題であって、全段階共通のテーマではない。
エリクソンに最も関係が深い概念=ライフサイクル・漸成説。エディプス期・防衛機制・幼児期健忘はいずれもフロイト由来で、混同を狙った定番のひっかけ。
ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)は、発達において社会的相互作用・文化の役割を重視しました。教育・他者の援助が発達を導くという立場です。
| 概念 | 提唱者 | 内容 |
|---|---|---|
| 発達の最近接領域(ZPD) | ヴィゴツキー | 「独力でできる水準」と「援助があればできる水準」の差。教育の役割を重視 |
| 外言・内言 | ヴィゴツキー | 外言=音声を伴う言葉、内言=内的思考の言葉。外言が内化して内言になる |
| 足場かけ(スキャフォールディング) | ブルーナー(Bruner, J.S.) | 大人が子どもの課題遂行を一時的に支え、できるようになるにつれ支援を減らす。ZPDの考えを援助場面に応用 |
人名↔概念マップ(最頻出):
発達の最近接領域=ヴィゴツキー(ピアジェではない)/足場かけ・社会的認知の援助=ブルーナー/認知発達段階・発生的認識論・均衡化=ピアジェ/レディネス(成熟優位・双生児統制法)=ゲゼル/漸成説・発達課題=エリクソン/社会的学習理論=バンデューラ/視覚的断崖=ギブソン。ヴィゴツキーに関係するのは外言・内言(双生児統制法・成熟優位説はゲゼル、発達段階論はピアジェ)。
ボウルビィ(Bowlby, J.)は、乳児が養育者との間に形成する情緒的な絆を愛着(アタッチメント)として体系化しました(安全基地・内的作業モデルなどの概念)。愛着の型を実験的に分類したのがエインズワースのストレンジ・シチュエーション法(SSP/SSM)です。
| 人物 | 概念・研究 |
|---|---|
| ボウルビィ | 愛着理論の体系化(安全基地・愛着の発達段階→第3章) |
| エインズワース | ストレンジ・シチュエーション法による愛着タイプの分類 |
| ハーロウ | アカゲザルの代理母実験(布の母への接触=接触の慰め) |
対象年齢は満1歳前後(およそ12〜18か月)。親子が遊ぶ様子ではなく分離・再会場面の反応から分類します。
| 型 | 再会時の行動 | 背景 |
|---|---|---|
| 安定型(B) | 養育者を安全基地として探索し、再会時に安定 | 応答的な養育 |
| 回避型(A) | 再会時に養育者を避ける・無関心 | 拒否的・非応答的な養育 |
| アンビバレント/抵抗型(C) | 接近と抵抗が混在し激しく泣く | 一貫しない養育 |
| 無秩序・無方向型(D) | 一貫しない矛盾した行動 | 虐待などと関連 |
愛着タイプに「密着型」は存在しない(A・B・C・Dの4型が正しい)。
「回避型の主たる原因は虐待的養育」→誤り。虐待と関連するのは無秩序型(D)。回避型は拒否的・非応答的養育による。
親の養育行動と子の愛着行動は相互に影響し合う。乳児期の愛着は内的作業モデルとして幼児期以降の対人関係に影響する。