📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:STが最も多く出会う疾患は
脳卒中——失語症・構音障害・嚥下障害・高次脳機能障害の背景です。片麻痺のADL原則(
脱健着患・上り健下り患)を知っておくと、病棟でPT/OTと同じ言葉で動けます。
運動障害性構音障害・
嚥下障害・
高次脳機能障害と往復して読みましょう。この章では
①脳卒中 ②脊髄損傷 ③神経難病・がん ④呼吸器・内部障害のリハを整理します。
2-1 脳血管障害(脳卒中)のリハビリテーション
脳卒中リハは早期離床が基本。片麻痺のADLには「動作の向き」の原則があり、そこが繰り返し問われます。
| 動作 | 原則(片麻痺) |
| 更衣(着る/脱ぐ) | 脱健着患:脱ぐのは健側から・着るのは麻痺側(患側)から |
| 階段昇降 | 上り健・下り患:昇りは非麻痺側から・降りは麻痺側から |
| 杖 | 非麻痺側(健側)の手に持つ |
| 車いす移乗 | 車いすは非麻痺側に置く(健側から移る) |
| 起き上がり | 仰臥位から非麻痺側へ寝返る/立ち上がりは重心を前方へ |
脳血管障害リハの誤り(20-11):誤りは「階段昇降で麻痺側から昇る」。正しくは昇りは非麻痺側から(上り健・下り患)。早期離床・装具を用いた早期歩行練習・起立性低血圧への留意・更衣は麻痺側から、は正しい。
片麻痺ADLの誤り(17-110):誤りは「移乗の際、車いすを麻痺側寄りに置く」。車いすは非麻痺側に置く。着衣は麻痺側から、杖は非麻痺側、起き上がりは非麻痺側へ、立ち上がりは重心前方、は正しい。
急性期症例の対応で誤り(15-110):視床出血5日目・意識清明・経口摂取の可能性がある段階で誤りは
「胃瘻を増設する」。早すぎる。座位訓練・肩関節亜脱臼防止(弛緩性麻痺の上肢)・
失語症スクリーニング・回復期リハ病棟への転棟検討は適切。
脳卒中リハと効果(24-110):誤りは「ボツリヌス毒素治療―上下肢感覚改善」。ボツリヌス毒素は痙縮(筋緊張亢進)を緩める治療で感覚改善が目的ではない。短下肢装具―歩行改善/三角巾―肩手症候群予防/ADL訓練―スキル獲得/段差解消機―社会参加促進、は正しい。
心原性脳塞栓症(17-15):誤りは「穿通枝領域の梗塞が多い」。心原性塞栓は主幹動脈・皮質を含む大きな梗塞が多い(穿通枝の小梗塞=ラクナ梗塞は別機序)。非弁膜症性心房細動が原因・抗凝固薬で再発予防・症候が突発完成、は正しい。
2-2 脊髄損傷のリハビリテーション
脊髄損傷は「残存レベルでできる動作(ゴール)が決まる」のが要点。頚髄損傷では呼吸・自律神経・膀胱直腸も障害されます。
第5頚椎完全損傷で出現しないもの(16-11):出現しないのは「頭部感覚障害」。頭部・顔面の感覚は三叉神経(脳神経)支配で、頚髄より上のため保たれる。呼吸機能障害(横隔膜・肋間筋)・膀胱直腸障害・自律神経機能障害は出現する。
第7頚髄残存の自立ゴール(21-110):C7完全四肢麻痺で自立ゴールに適切でないのは「長下肢装具装着下での松葉杖歩行」。上肢機能が残っても歩行自立は困難で車いすが基本。起き上がり・移乗・車いす駆動・ベッド上の更衣は自立をめざせる。
2-3 神経難病・がんのリハビリテーション
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と気管切開(22-110):誤りは「ボツリヌス毒素治療」。進行性に筋力が落ちるALSに筋弛緩薬は不適切。関節可動域訓練・摂食機能療法・意思伝達装置(コミュニケーション支援)・家族への吸引指導は適切な対応。
がんのリハビリテーション(23-12):誤りは「リンパ浮腫に対するマッサージは禁忌」。リンパ浮腫には用手的リンパドレナージ(複合的治療)を行い、禁忌ではない。悪液質で骨格筋量が減少・同化期は筋力増強訓練の適応・サイトカインが易疲労の要因・トータルペインはチーム医療で対応、は正しい。
2-4 呼吸器・内部障害のリハビリテーション
呼吸リハ(とくにCOPD)は運動耐容能の向上・排痰・呼吸法・栄養を柱に、全身運動を組み合わせます。
| 手技 | ポイント |
| 口すぼめ呼吸 | 呼気時に口をすぼめ気道内圧を保つ→気道の虚脱を防ぐ(COPDに有効) |
| 腹式呼吸 | 横隔膜を使う(COPDでは胸式より腹式を指導) |
| 体位ドレナージ | 痰の貯留部位を上にして重力で排痰 |
| スクイージング | 呼気時に胸郭を圧迫して排痰を助ける(吸気時ではない) |
COPDに有効な呼吸法(27-11):有効なのは「口すぼめ呼吸」。少呼吸・胸式呼吸・下顎呼吸・陥没呼吸は不適切または異常呼吸(下顎・陥没呼吸は呼吸不全のサイン)。
COPD呼吸リハの誤り(28-110):誤りは「胸式呼吸を指導する」。COPDでは横隔膜を使う腹式呼吸を指導する。栄養指導・体位排痰法・息切れを聴取しながら・運動耐容能の向上を目標、は正しい。
呼吸リハの誤り(25-110):誤りは「スクイージングで吸気時に胸郭を圧迫する」。スクイージングは呼気時に胸郭を圧迫して排痰を促す。呼吸困難感の軽減・運動耐容能の改善・下肢運動トレーニングが有効・体位ドレナージは痰の貯留部位を上に、は正しい。
ST接続:呼吸は
発声・発話・嚥下すべての土台です。呼気のコントロール(口すぼめ呼吸・腹式呼吸)や排痰の理解は、
嚥下障害の呼吸・咳嗽(誤嚥物の喀出)や発声持続の臨床にそのままつながります。