PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第74問

生理学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第74問(生理学)の正答は 5 です。有酸素運動(持久性トレーニング)を継続すると、骨格筋のミトコンドリアや毛細血管が増え酸素利用効率が高まります。

問題
有酸素運動を用いたトレーニングの効果で正しいのはどれか。
  1. 1. 運動時の心拍数の増加
  2. 2. 嫌気性代謝閾値の下降
  3. 3. 安静時の二重積の増加
  4. 4. 骨格筋毛細血管密度の減少
  5. 5. 同一運動負荷での換気量の減少

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 同一運動負荷での換気量の減少

有酸素運動(持久性トレーニング)を継続すると、骨格筋のミトコンドリアや毛細血管が増え酸素利用効率が高まります。その結果、同じ運動強度では乳酸産生が減って二酸化炭素の発生が抑えられ、同一運動負荷での換気量(および心拍数)が減少します。これが持久力向上の代表的な指標です。


【各選択肢の解説】

1. 運動時の心拍数の増加
❌ 誤り。1回拍出量が増加するため、同一負荷での心拍数は減少します。安静時心拍数も低下(徐脈化)します。
2. 嫌気性代謝閾値の下降
❌ 誤り。嫌気性代謝閾値(AT)は上昇します。より高い負荷まで有酸素的にエネルギーを供給できるようになるためです。
3. 安静時の二重積の増加
❌ 誤り。二重積(心拍数×収縮期血圧=心筋酸素消費量の指標)は、心拍数・血圧の低下により減少します。
4. 骨格筋毛細血管密度の減少
❌ 誤り。毛細血管密度は増加し、ミトコンドリア数・酸化系酵素活性も高まります。
5. 同一運動負荷での換気量の減少
✅ 正しい。乳酸産生の減少により換気応答が抑えられ、同じ負荷での分時換気量が低下します。

【試験対策ポイント】

有酸素運動トレーニングの効果は「同一負荷では下がる、最大値では上がる」と整理すると迷いません。

  • 上がるもの:最大酸素摂取量(VO2max)、嫌気性代謝閾値(AT)、1回拍出量、最大心拍出量、毛細血管密度、ミトコンドリア数・酸化系酵素活性、動静脈酸素較差
  • 下がるもの:安静時・同一負荷時の心拍数、同一負荷時の換気量・血中乳酸、安静時血圧、二重積、体脂肪率、LDLコレステロール
  • 変わらないもの:最大心拍数(加齢で規定される)
強度設定はKarvonen法(目標心拍数=安静時心拍数+k×(最大心拍数−安静時心拍数)、k=0.4〜0.6)やBorg指数11〜13(楽である〜ややきつい)が目安です。

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