PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第64問

生理学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第64問(生理学)の正答は 2 です。「酸素を離しにくくなる」=酸素解離曲線の左方移動です。

問題
ヘモグロビンが酸素を離しにくくなる状態はどれか。
  1. 1. 体温の上昇
  2. 2. PaCO₂の低下
  3. 3. 血液pHの低下
  4. 4. 血中ケトン体の増加
  5. 5. 血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の増加

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — PaCO₂の低下

「酸素を離しにくくなる」=酸素解離曲線の左方移動です。左方移動を起こすのは、体温低下・pH上昇(アルカローシス)・PaCO₂低下・2,3-DPG減少。選択肢のうち左方移動因子はPaCO₂の低下だけです。


【各選択肢の解説】

1. 体温の上昇
❌ 誤り。体温上昇はヘモグロビンの酸素親和性を下げ、曲線は右方移動します。運動時の筋では熱産生により酸素が組織へ渡りやすくなります。
2. PaCO₂の低下
✅ 正しい。CO₂が減ると水素イオンも減って親和性が高まり、曲線は左方移動して酸素を手放しにくくなります。過換気で末梢の酸素供給が悪くなる理由でもあります。
3. 血液pHの低下
❌ 誤り。アシドーシスでは酸素親和性が下がり右方移動します(Bohr効果)。
4. 血中ケトン体の増加
❌ 誤り。ケトン体は酸性物質で代謝性アシドーシスを招き、pHが下がるため右方移動します。
5. 血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の増加
❌ 誤り。2,3-DPGはヘモグロビンに結合して酸素親和性を下げるため右方移動します。高地順応や慢性貧血で増加します。

【試験対策ポイント】

曲線の動き起こす条件意味
右方移動体温上昇・pH低下・PaCO₂上昇・2,3-DPG増加酸素を離しやすい(組織への供給が増える)
左方移動体温低下・pH上昇・PaCO₂低下・2,3-DPG減少酸素を離しにくい

覚え方は「運動している筋の環境=右方移動」。運動筋は熱い(体温上昇)・酸っぱい(pH低下)・CO₂が多い、という3条件がそろい、そこで酸素を大量に手放すのは理にかなっています。これを起点にすれば、逆はすべて左方移動と導けます。

数値も押さえます。PaO₂ 100 mmHgでSaO₂約97〜98%、PaO₂ 60 mmHgでSaO₂約90%。SpO₂ 90%を下回ると急速に低下するため、運動療法の中止基準はSpO₂ 90%未満です。

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