PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第64問

生理学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第64問(生理学)の正答は 2 です。代謝性アシドーシスでは血中H⁺が増加し、末梢・中枢の化学受容器が刺激されて換気が増加(呼吸性代償としての過換気)します。

問題
CO₂と換気との関係で正しいのはどれか。
  1. 1. 換気が低下すると呼吸性アルカローシスを生じる。
  2. 2. 代謝性アシドーシスでは換気が増加する。
  3. 3. PaCO₂は通常 24 Torr に維持されている。
  4. 4. PaCO₂は呼吸性アルカローシスで上昇する。
  5. 5. PaCO₂が低下すると換気が増大する。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 代謝性アシドーシスでは換気が増加する。

代謝性アシドーシスでは血中H⁺が増加し、末梢・中枢の化学受容器が刺激されて換気が増加(呼吸性代償としての過換気)します。CO₂を吐き出してPaCO₂を下げることでpHを戻そうとする反応で、糖尿病性ケトアシドーシスでみられるKussmaul(クスマウル)大呼吸が典型例です。


【各選択肢の解説】

1. 換気が低下すると呼吸性アルカローシスを生じる。
❌ 誤り。換気が低下するとCO₂が排出されず、PaCO₂上昇→呼吸性アシドーシスになります。
2. 代謝性アシドーシスでは換気が増加する。
✅ 正しい。呼吸性代償として分時換気量が増え、PaCO₂が低下します。
3. PaCO₂は通常 24 Torr に維持されている。
❌ 誤り。PaCO₂の正常値は35〜45 Torr(約40 Torr)です。24という数値はHCO₃⁻の正常値(約24 mEq/L)と混同させる引っかけです。
4. PaCO₂は呼吸性アルカローシスで上昇する。
❌ 誤り。呼吸性アルカローシスは過換気によって起こるため、PaCO₂は低下します。
5. PaCO₂が低下すると換気が増大する。
❌ 誤り。PaCO₂の低下は呼吸中枢への刺激を弱めるため、換気は抑制されます(過換気後の無呼吸)。

【試験対策ポイント】

病態pHPaCO₂HCO₃⁻
呼吸性アシドーシス低下上昇代償で上昇
呼吸性アルカローシス上昇低下代償で低下
代謝性アシドーシス低下代償で低下低下
代謝性アルカローシス上昇代償で上昇上昇
  • 正常値:pH 7.35〜7.45/PaCO₂ 35〜45 Torr/PaO₂ 80〜100 Torr/HCO₃⁻ 22〜26 mEq/L。この4つは丸暗記必須です。
  • 呼吸調節ではPaCO₂の上昇が最も強力な換気刺激。低酸素(PaO₂低下)が換気を刺激するのはPaO₂が60 Torrを下回ってからです。
  • Ⅱ型呼吸不全(CO₂貯留型)に高濃度酸素を投与するとCO₂ナルコーシスを起こすのは、この低酸素刺激を奪ってしまうためです。
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