第47回 理学療法士国家試験 午前 第65問
生理学第47回午前
第47回 理学療法士国家試験 午前 第65問(生理学)の正答は 2・4 です。2と4のいずれも正解とされた複数正答の問題です。
問題
呼吸生理について誤っているのはどれか。
- 1. 強い不安があると呼吸は促進される。
- 2. O₂の運搬は酸化ヘモグロビンが行う。 ✓
- 3. 嚥下反射が起こると呼吸が一時停止する。
- 4. 血中CO₂分圧が増加すると呼吸が抑制される。 ✓
- 5. 呼吸中枢は吸息中枢と呼息中枢とに分かれている。
正答:2・4番
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解説
■ 正答:2・4番 — O₂の運搬は酸化ヘモグロビンが行う/血中CO₂分圧が増加すると呼吸が抑制される
2と4のいずれも正解とされた複数正答の問題です。血中CO₂分圧の上昇は延髄の中枢化学受容器を刺激して呼吸を促進するので4は明らかな誤りです。加えて2も、酸素を運ぶのは「酸素化ヘモグロビン」であり、鉄が3価に酸化された「酸化ヘモグロビン(メトヘモグロビン)」は酸素を運べないため、用語として誤りです。
【各選択肢の解説】
1. 強い不安があると呼吸は促進される。
✅ 正しい。大脳皮質・大脳辺縁系から呼吸中枢への入力によって呼吸が促進され、過換気症候群の原因にもなる。
✅ 正しい。大脳皮質・大脳辺縁系から呼吸中枢への入力によって呼吸が促進され、過換気症候群の原因にもなる。
2. O₂の運搬は酸化ヘモグロビンが行う。
❌ 誤り。酸素運搬を担うのは鉄が2価のままの酸素化ヘモグロビン(HbO₂)。酸化された(Fe³⁺)メトヘモグロビンは酸素結合能を失う。
❌ 誤り。酸素運搬を担うのは鉄が2価のままの酸素化ヘモグロビン(HbO₂)。酸化された(Fe³⁺)メトヘモグロビンは酸素結合能を失う。
3. 嚥下反射が起こると呼吸が一時停止する。
✅ 正しい。嚥下性無呼吸といい、誤嚥を防ぐため咽頭期に約0.5〜1秒の呼吸停止が生じる。
✅ 正しい。嚥下性無呼吸といい、誤嚥を防ぐため咽頭期に約0.5〜1秒の呼吸停止が生じる。
4. 血中CO₂分圧が増加すると呼吸が抑制される。
❌ 誤り。PaCO₂の上昇は中枢化学受容器を強く刺激し、換気量を増加させる(呼吸促進)。
❌ 誤り。PaCO₂の上昇は中枢化学受容器を強く刺激し、換気量を増加させる(呼吸促進)。
5. 呼吸中枢は吸息中枢と呼息中枢とに分かれている。
✅ 正しい。延髄には背側呼吸群(主に吸息)と腹側呼吸群(呼息を含む)があり、吸息中枢・呼息中枢として整理される。
✅ 正しい。延髄には背側呼吸群(主に吸息)と腹側呼吸群(呼息を含む)があり、吸息中枢・呼息中枢として整理される。
【試験対策ポイント】
呼吸調節の化学受容器は2種類。中枢化学受容器は延髄腹側にあり主にCO₂(髄液のH⁺)に反応して通常の呼吸調節の主役を担う。末梢化学受容器は頸動脈小体・大動脈小体にあり、主にPaO₂の低下(60Torr以下で強く反応)に反応する。COPD患者でCO₂ナルコーシスが起こるのは、慢性高CO₂血症で中枢の反応性が鈍り低酸素刺激に依存している状態で高濃度酸素を投与すると、その刺激が消えて換気が低下するため。酸素解離曲線は、CO₂増加・pH低下・体温上昇・2,3-DPG増加で右方移動し、組織で酸素を離しやすくなる(Bohr効果)。
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