PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第100問

臨床心理学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第100問(臨床心理学)の正答は 2 です。抗精神病薬服用中に、高熱・意識障害・筋強剛(身体のこわばり)・発汗などの自律神経症状が出現した場合、まず疑うべきは悪性症候群です。

問題
抗精神病薬を服用中の統合失調症患者。意識障害、37.5℃以上の発熱、発汗および身体のこわばりが出現した。最も考えられるのはどれか。
  1. 1. アカシジア
  2. 2. 悪性症候群
  3. 3. 急性ジストニア
  4. 4. 遅発性ジスキネジア
  5. 5. 薬剤性Parkinson症候群

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 悪性症候群

抗精神病薬服用中に、高熱・意識障害・筋強剛(身体のこわばり)・発汗などの自律神経症状が出現した場合、まず疑うべきは悪性症候群です。ドパミンD2受容体の急激な遮断により生じ、血液検査ではCK(クレアチンキナーゼ)著明高値と白血球増加を認めます。横紋筋融解から急性腎不全に至ると致死的で、直ちに原因薬の中止と全身管理、ダントロレンの投与が必要な救急病態です。


【各選択肢の解説】

1. アカシジア
❌ 誤り。静座不能症といい、下肢のむずむず感とじっとしていられない落ち着かなさが特徴です。発熱や意識障害は伴いません。
2. 悪性症候群
✅ 正しい。発熱・意識障害・筋強剛・発汗・頻脈・血圧変動が揃い、CK上昇を伴います。
3. 急性ジストニア
❌ 誤り。投与開始や増量の数時間〜数日後に生じる、眼球上転・斜頸・舌の突出・後弓反張などの持続的な異常姿勢です。発熱はありません。
4. 遅発性ジスキネジア
❌ 誤り。長期投与後に出現する、口をもぐもぐさせる・舌を突き出すなどの不随意運動で、難治性です。急性の発熱・意識障害は伴いません。
5. 薬剤性Parkinson症候群
❌ 誤り。筋強剛・寡動・振戦が出現し悪性症候群と紛らわしいですが、発熱・意識障害・著明なCK上昇は伴いません

【試験対策ポイント】

抗精神病薬の副作用は「いつ出るか・熱があるか」で切り分けます。

副作用出現時期主症状発熱
急性ジストニア投与直後〜数日眼球上転・斜頸・後弓反張なし
アカシジア数日〜数週静座不能・むずむず感なし
薬剤性Parkinson症候群数週〜数か月筋強剛・寡動・振戦なし
遅発性ジスキネジア数か月〜数年口周囲の不随意運動なし
悪性症候群いつでも(増量・中断時に多い)高熱・筋強剛・意識障害・発汗あり

発熱があれば悪性症候群——この1点で鑑別できます。理学療法・作業療法の場面でも、抗精神病薬を服用している患者に発熱・こわばり・発汗・反応の鈍化がみられたら、直ちに訓練を中止し医師へ報告してください。誘因として脱水・高温環境・急激な増量や中断があるため、夏季の活動や水分摂取の管理も予防上重要です。

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