PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第99問

臨床心理学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第99問(臨床心理学)の正答は 4 です。人前で話す・注目される場面で強い不安と羞恥を感じ、その状況を回避するのが社会恐怖症(社交不安障害)です。

問題
人前で発言することを恐れ、それを回避する場合に可能性が高いのはどれか。
  1. 1. 適応障害
  2. 2. 解離性障害
  3. 3. 強迫性障害
  4. 4. 社会恐怖症
  5. 5. 広場恐怖症

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 社会恐怖症

人前で話す・注目される場面で強い不安と羞恥を感じ、その状況を回避するのが社会恐怖症(社交不安障害)です。「他人から否定的に評価されることへの恐れ」が中核にあります。


【各選択肢の解説】

1. 適応障害
❌ 誤り。転居・転職・死別など明確なストレス因に反応して3か月以内に発症し、抑うつや不安、行為の障害を呈する状態です。特定場面への恐怖と回避が中心ではありません。
2. 解離性障害
❌ 誤り。記憶・同一性・知覚の統合が失われるもので、解離性健忘・遁走・転換症状などを呈します。恐怖と回避が主症状ではありません。
3. 強迫性障害
❌ 誤り。不合理と分かっていながら反復する強迫観念(汚染恐怖・確認)と、それを打ち消す強迫行為(手洗い・確認)が中心です。
4. 社会恐怖症
✅ 正しい。スピーチや会食など社会的場面で、赤面・発汗・動悸・声の震えを伴う強い不安が生じ、その場面を避けるようになります。日本で対人恐怖症と呼ばれてきた病態と重なります。
5. 広場恐怖症
❌ 誤り。すぐに逃げられない・助けが得られない状況(人混み・電車・広い場所・行列)への恐怖と回避で、パニック障害に合併することが多い病態です。恐れているのは「発作が起きたときに逃げられないこと」であり、他者からの評価ではありません。

【試験対策ポイント】

不安障害の鑑別は「何を恐れているか」で切ります。

疾患恐れの対象
社会恐怖症他人からの否定的評価・注目される場面
広場恐怖症逃げられない状況・助けが得られないこと
パニック障害予期しない発作そのもの(予期不安)
強迫性障害自分の中の不合理な観念(汚染・危害)
全般性不安障害特定できない多方面の心配が持続

治療の中心は認知行動療法(特に曝露療法)とSSRIです。作業療法では、少人数の集団活動から段階的に人前での役割を増やし、SSTで「発言する」場面を安全に練習させる方法が有効です。

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