道順の問題
碁盤の目の町の地図を見て、言われたとおりに進むとどこに着くかを答えます。地図の上下左右で進む問題から、自分の向きから見た右・左で曲がる問題、道順を自分で言葉にする問題まで5段階です。
「地図の右」と「自分の右」を分ける
この課題は、レベル1〜2とレベル3以降で見ているものが違います。
- レベル1〜2(地図の上下左右)… 紙の上の方向だけで進む。角を数える・指示を順に保持する力を見る
- レベル3〜4(右に曲がる・左に曲がる)… 地図の中に自分を置いて、進んでいる向きから見た右・左を決める。地図の下向きに進んでいるときは、紙の上の左右と逆になる。ここで崩れる方は少なくない
- レベル5(道順を書く)… 自分で道順を組み立てて言葉にする。計画と表出の両方が要る
紙を回して答える方もいます。それ自体は悪い方略ではありません。回さないと答えられないのか、回さなくても答えられるのかを記録してください。
レベルの中身
| レベル | 地図 | 問題 |
| 1 | 3×3の町 | 地図の上下左右に2回進む(3問) |
| 2 | 4×4の町 | 地図の上下左右に3回進む(4問) |
| 3 | 4×4の町 | 地図の上を向いて出発し、右か左に1回曲がる(4問) |
| 4 | 5×4の町 | 出発の向きがいろいろ、右・左に2回曲がる(4問) |
| 5 | 5×4の町 | レベル4の型2問+道順を言葉で書く2問 |
着く場所は、指示どおりに1マスずつたどって決めています。地図の外に出る指示は出ません。
つまずきの見分け方
- 角の数え違い… 出発した場所を「1つ目」と数えてしまう。「となりの角まで行って1つ」と、指で1つずつ動かして確かめる
- 右と左の取り違えがレベル3以降だけ出る… 自分の向きに置きかえる段階でつまずいている。地図の下向きに進むときに集中して誤るなら、心の中で向きを回すのが苦しい
- 左側の場所を使わない・答えに出てこない… 半側空間無視があると、地図の左側の場所が答えの候補から抜けやすい
レベル5の道順は答えが1通りではありません。解答面には例を1つ載せてあり、その場所に着けば正解です。
よくある質問
- 実際の院内や自宅の周りで練習したい
- 紙で右・左に曲がる問題が安定したら、院内の決まった道で同じ言い方の指示を出して歩いてもらうと、紙と実際の差が見えます。病棟から訓練室までの道順を、本人に言葉で書いてもらうのも良い課題です。
- 地図の場所の名前は変わりますか
- 毎回、駅・郵便局・公園などの中から入れ替わります。実在の店名は使っていません。
- 左右の判断だけを練習したい
- レベル3は「上を向いて出発して、右か左に1回曲がる」だけなので、左右の判断に絞った練習に向きます。
このページで作った教材は、臨床・授業・家庭学習で自由に印刷して使えます。
内容は言語聴覚士が監修していますが、対象者への適用の可否は担当の専門職が判断してください。