STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第143問

言語学第28回
「そのおもちゃは壊れている」と同じアスペクトを持つのはどれか。
  1. 1.彼は既に卒業している。 ✓
  2. 2.彼は運動場を走っている。
  3. 3.彼は部屋を掃除している。
  4. 4.彼は毎日英語を勉強している。
  5. 5.彼は窓を閉めている。

正答:1番

解説
# 第28回第143問 解説 ■ 正答:1番 — 「彼は既に卒業している。」 「そのおもちゃは壊れている」と「彼は既に卒業している」は両者とも**結果状態を表す完了アスペクト**を示します。動作や変化が終了し、その結果の状態が現在も継続している点で同じアスペクト構造を持っています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 彼は既に卒業している。 ✅ 正しい。「卒業する」という動作が完了し、その結果「卒業している状態」が現在も続いている。「壊れている」(壊れるという動作の完了→壊れた状態の継続)と同じ完了アスペクト。 2. 彼は運動場を走っている。 ❌ 誤り。進行中のアスペクト(進行形)を表す。「今まさに走っている最中」という動作の進行を示し、完了ではなく継続中の状態。完了アスペクトではない。 3. 彼は部屋を掃除している。 ❌ 誤り。進行形で、掃除という動作が「進行中」であることを表す。完了アスペクトではない。 4. 彼は毎日英語を勉強している。 ❌ 誤り。習慣アスペクト(反復)を表す。「毎日」という定期的な繰り返しの習慣を示し、単一の完了動作ではない。 5. 彼は窓を閉めている。 ❌ 誤り。進行形(「閉め」動作が現在進行中)または状態の継続を示す場合もあるが、同じ語述構造で比較すると文脈依存性が高い。標準的には「進行中」の解釈が優先される。正答1番の「完了→結果状態の継続」という明確なアスペクト構造とは異なる。 --- 【試験対策ポイント】 **日本語のアスペクトは3つの基本類型**: | アスペクト | 説明 | 例文 | |---|---|---| | 完了アスペクト | 動作・変化が完了し、その結果状態が継続 | 「壊れている」「卒業している」「開いている」 | | 進行アスペクト | 動作が現在進行中 | 「走っている」「掃除している」(「~ている」形) | | 習慣アスペクト | 動作が反復・習慣的に行われている | 「毎日勉強している」「定期的に来ている」 | **「~ている」形の多義性に注意**: - 「走っている」=進行アスペクト(動作継続) - 「卒業している」=完了アスペクト(状態継続) - 「毎日勉強している」=習慣アスペクト(反復) 同じ「~ている」でも、**アスペクトの意味は文の内容や副詞の有無で大きく異なります**。本問では「既に」(完了の標識)があるため、「卒業している」が完了アスペクトであることが確実。「そのおもちゃは壊れている」の「壊れている」も、過去に「壊れた」という変化が起き、その結果「壊れた状態が継続している」という完了アスペクトを示しており、両者の対応が明確です。
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